24系25形「北斗星スクエア」 ソロ下段・洗面台 編

目次

ロビー室・シャワー
ソロ下段・洗面台
ソロ上段・デッキ
Bコンパートメント(宿泊部分)
Bコンパートメント(洗面台・デッキ)
チェックイン方法・トイレ・その他
「北斗星スクエア」へのアクセス・食料調達事情

24系25形 「北斗星スクエア」 – ソロ下段・洗面台(スハネ25 501)

客車への通路の様子(左/上)。入口の黄色いチェーンより奥は、宿泊者以外立ち入り禁止となっています。

(右/下)は客車への入口である貫通扉。この貫通扉は「施錠が基本」のようで、チェックイン時に渡される金色の鍵(業界用語で「忍び錠」と言うらしい)で開錠して中に入ります。

貫通扉の鍵穴に「忍び錠」を差し込んだ様子(左/上)。中で回っている感覚が全くないので本当に開錠・施錠されているのか不安に感じますが、後日鉄道業界の知り合いに聞いたところ「忍び錠とはそういうものだ」とのことでした(苦笑)。

(右/下)は、客車妻面(貫通扉の脇)にある形式・自重などの表記。現役時代とは書体が異なりますが、保存が始まって以降に描き直されたものでしょうか。よく見ると、かつての表記がうっすらと見え隠れしています。

モケット

(左)ソロ寝台 (右)カーペット

撮影日時・場所

撮影日:2024年4月

撮影場所:北海道北斗市 「北斗星スクエア」敷地内

備考

・>>24系25形「北斗星」の項も併せてご覧ください。当ページで紹介する車両の現役時代の様子がご覧いただけます。

ソロ 廊下 スハネ25 501

このページでは、先に紹介したロビー室に隣接するB寝台個室「ソロ」を見ていきます。

(左/上)が通路の全景、(右/下)が天井の様子になります。

通路の床面(左/上)と、部屋番号のアップ(右/下)。

通路に敷かれているカーペットは現役時代からのものと思われます。2016年に保存活動が始まってから既に7年(※2023年現在)が経過していますが、ほつれやスレもなく非常にきれいでした。

【コラム:ブルトレ保存車の個室と「法律」の難しい事情】

「北斗星スクエア」で宿泊できるのはBコンパートメントのみで、この「ソロ」は宿泊用ではなく「鍵のかかるロッカー」扱いとなっています。Bコンパートメント1区画につき「ソロ」1部屋が割り当てられ、貴重品などは「ソロ」室内で保管するよう案内されていました。

当施設は法律に定める「簡易宿所」扱いですが、この「簡易宿所」とはいわゆる山小屋やカプセルホテルなど“個室ではない宿泊施設”のことです。従って(単なる私の推測ですが)扉がある個室の「ソロ」に人を宿泊させるのは、旅館業法上いろいろ“厄介”なのかもしれません。

余談ですが、(内装は異なるものの)同じ「ソロ」が保存されている「>>ブルートレインたらぎ」も当初この基準に適合できなかったのか、開業からしばらくは「個室の扉を撤去&カーテンで目隠し」することで宿泊可能としていた時期がありました(~2011年頃)

なお「ブルートレインたらぎ」は、あとに一部個室の窓増設などを行って法律上の要件をクリアし、現在は扉が復活しています。

ソロ下段 車内

では「ソロ」下段の室内に入ります。室内は寝台のカバーやリネンがないことを除き、この車両が「北斗星」として活躍していた頃からほぼ変わっていません。

よく見ると窓際のテーブル下にコンセントが。現役時代、個室内にコンセントはなかったため、保存に当たって新設されたものと思われます。

寝台の全景(左/上)と表面のアップ(右/下)。

モケットは滑りにくい表地、詰め物は固め基調となっており、横になった時の身体(+シーツ)のホールド性はまずまずです。「シーツを敷いて、揺れる車内で身を横たえる」という寝台列車の性質に鑑みれば、“理にかなった仕様”に感じます。

【コラム:どうでもいい私の思い出話】

私事ですが、かつて「ぐるり北海道フリーきっぷ(などと言うと私の歳がバレますが…笑)で「北斗星」の「ソロ」を散々利用した私にとって、この個室はまさに「青春の思い出」そのものだったりします。私に限らず、若かりし頃に「北斗星」のこの個室で一夜を明かした方も多いのではないでしょうか。

「北斗星スクエア」ではあくまで「鍵のかかるロッカー」な「ソロ」ですが、荷物を置きにきた時にでも、少しばかりここで当時の回想にふけってみるのも悪くはなさそうです。

もっともそのまま眠ってしまうと法律上いろいろアレなので、あくまで「思い出に浸るだけ」にしておきましょう。

ソロ下段 車内設備

閑話休題。窓際のテーブル・灰皿・コンセント(左/上)と、非常呼び出しボタンの様子(右/)は。

テーブル下には灰皿が備わりますが、「北斗星スクエア」の客車内は全面禁煙です。屋外に灰皿が設置されているので、スモーカーの方はそちらを利用するようにしましょう。

読書灯・オーディオパネル・暖房と照明のスイッチ類(左/上)。

読書灯は現在も稼働こそしますが、中の電球は玉切れ寸前のようです(苦笑)。

小物入れ(左/上)と、ベッド上のコートかけ(右/下)。

「北斗星」の現役時代は、このコートかけ部分にハンガーが備わっていたように記憶しています。コートかけ自体は開放型B寝台の下段でも見かけるもので、部品の共通化(というか改造時に流用したと思われる)が図られていました。

ベッド下のフットライト(左/上)と、転落防止サクの様子(右/下)。

照度が非常に低めの読書灯に対し、こちらのフットライトは完全に玉切れしたらしく点灯しませんでした。

ソロ下段 天井

個室内の天井(左/上)と、鏡のアップ(右/下)。

車載のエアコンは使用できないため、「北斗星スクエア」への移設にあたって床下に空調装置が設置されました。空調の吹出口はそのまま活用されており、客車内ではほとんど違和感を感じない作りなのは好印象です。

入口と荷物置き場

個室内から見たドア(左/上)と、通路上スペースを活用した荷物スペースの様子(右/下)。

荷物スペースはドア上と非常に高い位置にあるため、正直なところ荷物置き場としての使い勝手はそう大したものではありません。

客車への入口(デッキ) スハネ25 501

続いて「客車入ってすぐのデッキ部分」を見ていきます。

すっかり書き忘れていましたが、「北斗星スクエア」の客車内は土足厳禁です。客車に入ったらすぐに靴を脱いで、元トイレ部分にあるラックに収納し(左/上)、備え付けのスリッパ(右/下)に履き替えてからロビー室へ進むようにしましょう。

デッキ部分の天井(左/上)と、(元)トイレ側を見た様子(右/下)。

デッキ部分にはゴミ箱・傘立てのほか、スタッフの方が記載する清掃表がかかっています。この表を見る限り、毎日きまった時間帯に巡回・清掃・整備が行われている模様。「北斗星」が大切に保存されているのが垣間見えます。

洗面台 スハネ25 501

入口脇の洗面台の様子。次項で紹介する「Bコンパートメント」(オハネフ25 2)の洗面台は使用できませんが、この区画は現在も洗面台として使用できます(但し飲用可能かは不明)。

シンク脇にはハンドソープ、ペーパー類のほか、なぜか虫よけスプレーが。「北斗星スクエア」の近辺、深夜帯は真っ暗になるので虫が入って来やすいゆえでしょうか。

シンク周りのアップ(左/上)と、三面鏡部分のアップ(右/下)。

このページは7ページ構成です。次は>>ソロ上段・デッキ 編です。

目次

ロビー室・シャワー
ソロ下段・洗面台
ソロ上段・デッキ
Bコンパートメント(宿泊部分)
Bコンパートメント(洗面台・デッキ)
チェックイン方法・トイレ・その他
「北斗星スクエア」へのアクセス・食料調達事情

概説

デビュー年:2022年4月(宿泊施設としての営業開始)

「北斗星スクエア」とは、北海道北斗市茂辺地で運営されている宿泊施設。

かつて「北斗星」で運用されていたロビー室・「ソロ」合造車(スハネ25 501)・Bコンパートメント(オハネフ25 2)を有志が引退後に引き取り、同所へ2016年に移設。移設に伴う資金は、クラウドファンディングにより調達された。その後、車両の保存活動を経て2022年4月から宿泊施設「北斗星スクエア」として営業を開始している。

宿泊できるのはBコンパートのみで、寝台1ボックスの定員は2名まで。寝台1ボックスにつき、「ソロ」1部屋が「鍵のかかるロッカー」として割り当てられている。旅館業の許可申請上、「ソロ」の個室に宿泊することはできない。

宿泊料金は時期や人数により変動する。予約受付は楽天トラベルから受け付けており、各種クレジット決済のほか楽天ポイントでも支払可。スタッフは常駐しておらず、基本的に現地はセルフサービスとなっている。

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