14系15形「ブルートレインたらぎ」 B寝台「ソロ」上段 編

目次

フロント・共有スペース(オハネ15 6)
B寝台「ソロ」下段(オハネ15 2003)
B寝台「ソロ」上段(オハネ15 2003)
開放型B寝台(スハネフ14 3)
「ブルートレインたらぎ」へのアクセス
人吉IC~人吉駅までの徒歩経路

14系15形 ブルートレイン「たらぎ」

「ブルートレインたらぎ」を反対側から見た様子(左/上)と、連結面の表記(右/下)。

手すり付きのステップが設けられていますが、こちらは非常口的な扱いとなっています。通常は施錠されており、外から立ち入ることはできません。

モケット

(左)寝台 (中)カーペット (右)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2023年5月

撮影場所:くま川鉄道 多良木駅付近 ブルートレイン「たらぎ」

備考

・撮影及び掲載にあたっては、現地スタッフの方から許諾を得た上で行っています。

B寝台「ソロ」上段

変わって「ソロ」上段を見ていきます。

「ソロ」下段の項でも解説しましたが、個室内のカーペットは近年貼り替えられたようです。オリジナルは(経年もあるのか)ややくすんだワインレッドでした。しかし、現在はご覧の通りかなり明るい、ともすれば“ビビッドなワインレッド”に一新されています。

保存車と全く同じ色のカーペットを、というのが無理な話なのは重々承知の上、個室に入った時の第一印象は現役時代とやや異なるというのが正直なところです。

もっとも、「ブルートレインたらぎ」が今後も多くの人に利用されてカーペットが“熟成”されていけば、かつての色調に近づく余地は十分ありそうに感じました。

上段ベッドの全景(左/上)と、マットのアップ(右/下)。

「ブルートレインたらぎ」で保存されている「ソロ」は、JR九州所属時代にモケットの換装工事を受けています。黒地に原色が散りばめられたこのモケット、実際に見ると目がチカチカするほどの眩しさを感じます(→「余談」も参照)

【余談:オハネフの宿にもある「VIVID モケット」】

余談ですが、この目がチカチカするモケット開放型B寝台版が、香川県観音寺市内の宿泊施設>>四国遍路の駅 オハネフの宿で保存されています。

個室内の設備

転落防止柵(左/上)と、寝台周りの設備の様子(右/下)。

転落防止柵の「ガラスに格子模様」というデザインのセンスは、今やどこか古風にすら感じます。この車両が「ソロ」に改造された1989年当時は、“今風”の意匠だったのでしょうか。「ソロ」の長い歴史を感じるポイントです。

窓脇の照明、非常通報器、オーディオパネルなどの様子(左/上)と、通路上の荷物置き場(右/下)。

通路上の荷物置き場脇には、簡易宿所としての基準に則って「ブルートレインたらぎ」への移設後に新設された通風孔が。これは隣の「ソロ」下段個室の荷物置き場と繋がっており、特に夜間は隣人の生活音が普通に聞こえてきます(苦笑)。夜間は静かに過ごすようにしましょう。

「ソロ」個室内の設備を別アングルから移した様子(左/上)と、窓際のアームレストを展開した様子(右/下)。

個室内は狭い空間ながら、テーブル・ハンガー・鏡など一夜を明かすために必要な設備が一通り揃っています。

階段回りの様子

「ソロ」上段の階段を下(左/上)と上(右/下)から見た様子。

この階段、単なる昇り降りの用途だけではなく「階段部分で立ち上がって身支度」「階段に荷物を置いて部屋を(視覚上)広々使う」など、工夫次第でいろいろな使い道があったりします。「上段」の部屋でいかに快適に過ごせるかは、階段の活かし方次第なのかもしれません(→「余談」も参照)

【余談:ソロ下段?ソロ上段?どっち??】

スタッフの方に、「ソロの下段・上段はどちらが人気なのか」と尋ねたところ、

圧迫感の少ない下段を選ぶか、窓からの景色や荷物置き場のスペースを重視して上段にするかは、利用者の“好み”の問題。どちらの方が人気、というのは特に感じない

とのことでした。ちなみに私はどちらかというと、そびえたつ階段の圧迫感を感じない下段が好きだったりします。皆様はいかがでしょうか。

※発言内容はいずれも意訳です。

廊下の設備

「非常口」のピクトグラム(左/上)と、火災報知器など(右/下)の様子。

(右/下)の写真手前にある四角い形状の白いモノは「ブルートレインたらぎ」への移設後に新設されたもので、これも通風孔とのこと。スタッフの方に伺ったところ、建造物・宿泊施設としての法令上こういった設備を取り付けなければならないそうです(→「余談」も参照)

【余談:「ブルートレインたらぎ」をのぞいたら】

法令への細々とした対応・改造が必要な「ブルートレインから宿泊施設への改装」。この通風孔からも、「ブルートレインたらぎ」が乗り越えてきた数々のハードルが垣間見えます。

宿泊の際には、建造物・宿泊施設の基準に則るべく新設された設備にも目を向けると面白いかもしれません。

個室ドア脇のランプ(左/上)と、廊下からデッキ側を見た様子(右/下)。

ドア脇のランプは、個室内にある非常通報ボタンを押した時に点灯するモノ。「ブルートレインたらぎ」への移設後も残存していますが、現在も機能・点灯するのかは不明です。さすがに実験で押すわけにはいきませんし…(苦笑)。

デッキ

デッキの全景(左/上)と、天井部分の様子(右/下)。

「ブルートレインたらぎ」への出入りは>>フロント・共有スペースのある2号車からが基本となっており、「ソロ」のある3号車のドアは非常口の扱いとなっています。デッキ上にある「非常口」のピクトグラムが保存車らしいところです。

デッキの配電盤側(左/上)と、空調配電盤のランプ類(右/下)。

この配電盤はもともとアイボリーに近い色調でしたが、JR九州時代にベージュ色のクロスが貼り付けられ、現在に至っています。「ブルートレインたらぎ」に来てからすでに13年(2023年現在)、さすがに老朽化からかクロスには一部にひび割れが見られました。

空調配電盤のランプは、左から「送風」「冷房1」「冷房2」「暖房1」「暖房2」の順となっています。なお、「ブルートレインたらぎ」では客車搭載の空調は使用できない(→「余談」も参照)ため、このランプが点灯することはありません。

【余談:電源車のそばでずっと】

ブルートレインの電気系統は、電源車(24系・20系など)または床下発電機を搭載する客車(14系など)から給電を受ける前提の設計です。特に客車の空調装置は、一般家庭用の交流100Vをそのまま引き込んだだけでは動作しません。

従って「ブルートレインたらぎ」を含めた大半の「ブルトレの宿」では、保存時に一般家庭用の空調を新設して対応しています。

例外は>>「小坂鉄道レールパーク ブルートレインあけぼの」で、“電源車も一緒に保存することで客車の電気系統を最大限生かす”方法を採用。あちらでは現在も客車の空調が稼働しており、上で紹介したランプの点灯状態も見ることができます。

(さらに専門的な話)

「ブルートレインたらぎ」で保存されている14系15形の場合、客車搭載の空調装置を動かすには三相交流440Vの電源が必要で、一般家庭用の単相交流100V又は200Vでは動きません。また、一般家庭用の電源から三相交流440Vをどうにかして作り出すのは“理論的には可能”ですが、電力会社との契約や法令を考慮すると現実的には不可能です。

上記の事情から、(小坂のような例外を除けば)「ブルトレの宿」では新たに空調を取り付けるのが半ば“定番”となっています。

このページは6ページ構成です。次は>>開放型B寝台 編です。

目次

フロント・共有スペース(オハネ15 6)
B寝台「ソロ」下段(オハネ15 2003)
B寝台「ソロ」上段(オハネ15 2003)
開放型B寝台(スハネフ14 3)
「ブルートレインたらぎ」へのアクセス
人吉IC~人吉駅までの徒歩経路

概説

デビュー年:2010年(施設)

「ブルートレインたらぎ」とは、くま川鉄道多良木駅前にある簡易宿泊施設。多良木町が運営しており、かつて寝台特急「はやぶさ」「さくら」で使用された14系15形客車を使用している。

編成は3両で、共通スペース、B寝台「ソロ」及び開放型B寝台。開放型B寝台、「ソロ」いずれも宿泊が可能。宿泊に使われる車両の設備はほぼ現役当時のまま残されている。毛布やシーツなどは宿泊料金に含まれているため、持ち込みの必要はない。

宿泊料金は「ソロ」、開放型B寝台ともに同一料金。最寄りのコンビニまでは徒歩10分程度。施設内に風呂はないが、「えびすの湯」(銭湯)が徒歩圏内にある。なお「えびすの湯」は毎月第二火曜日が定休日となっており、その場合は利用できる銭湯が至近にないため、旅程を立てる際は注意したい。

「ブルートレインたらぎ」公式HP:
http://www.bluetrain-taragi.com/

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