目次
・9・10号車 ロイヤル
・8号車 ツインデラックス
・3・4・10号車 デュエット
・5・9号車 ソロ
・1・2・11号車 開放型B寝台
・7号車 食堂車・6号車ロビー室・シャワー
・【番外】「グランシャリオ」の食事
24系25形「北斗星」 – グランシャリオの食事
最後に、私が「北斗星」の取材時に実際に食べた食堂車のメニューを「和食 懐石御膳(夕食)」「パブタイムメニュー(一部)」「朝定食」の順に紹介します。
「北斗星」の食堂車では、ディナータイムメニューとして「フランス料理」「和食 懐石御膳」の2種類が提供されていました(→「備考」も参照)。
【備考:「北斗星」と「カシオペア」のディナーメニュー事情】
フランス料理は、同区間を走っていた「カシオペア」と同一のメニューが「北斗星」でも提供されていました。他方「懐石御膳」は両列車でメニューが異なっていたため、当ページではディナーメニューについて“北斗星の懐石御膳”のみをご紹介します。
「フランス料理」「カシオペアの懐石御膳」は>>カシオペアの項でご覧いただけますので、併せてご覧ください。
撮影日時・場所
撮影日時:2001~2014年
場所:「北斗星」 車内 上野駅ほか
備考
・>>E26系「カシオペア」食堂車・食事の写真・その他 の項も併せてご覧ください。
7号車 食堂車「グランシャリオ」 入口・通路
テーブルの初期状態。
おしぼりと割り箸、ナプキンと「本日のメニュー」のリーフレットが備わります。メニューはフランス料理・懐石御膳で共通のものが配されていました。
和食「懐石御膳」
取材時期:2014年12月
「北斗星」の「懐石御膳」の全景。
六角形の小ぶりな御膳が2つ(3品ずつ×2)提供される>>カシオペアの懐石御膳に対し、「北斗星」は大振りの四角い御膳が1つ(6品)というスタイルです。料金は2014年12月以降~廃止まで6,000円、それ以前は5,500円でした。
(左/上)「炊合せ」末広カボチャ、里芋、蓮根、蒟蒻、蕗、人参
(右/下)「季節御飯」
甘みのある末広カボチャと、シャキシャキした食感が感じられる蓮根の炊き合わせ。シンプルですが季節を感じられる仕上がりでした。他方、「季節御飯」は鶏肉の炊き込みご飯です。
(左/上)「温物」黒毛和牛ビーフシチュー
(右/下)「焼き物」蟹味噌甲羅焼、湯葉有馬煮
温物は人参、きのこ、ジャガイモなどが入ったビーフシチューでした。ビーフシチューが「和食」…?となりますが、係員の方に伺ったところ「顆粒だしや醤油を用いた和風の味付けになっている」そうです。
他方の「焼き物」は、北海道の珍味・高級品としても名高いかにみそです。口直しに湯葉有馬煮が添えてあり、こちらはあっさりとした煮物という感じでした。
(左/上)「お造り」
(右/下)「八寸」(内容は下記参照)
(右/下)の「八寸」は、サーモン味噌漬焼・海老鬼殻焼・鳥賊(いか)白焼・合鴨スモーク・姫リンゴワイン漬・手毬サーモン・若桃蜜煮の実に8品がコンパクトにまとまった、芸の細かさを感じる逸品でした。
(左/上)「お吸い物」
(右/下)甘味
お吸い物・甘味は「カシオペア」と同一のものが提供されていました。
パブタイムメニュー(一部)
パブタイム営業時間:21:30頃~23:00
マルゲリータ (830円)
生地は非常に薄く、食事のみならずおつまみとしても食べやすいピザでした。
煮込みハンバーグセット (2060円)
写真はライスですが、パンを選ぶこともできます。「パブタイム」という名前ながら、このようなガッツリ食事系メニューも提供されていました。
北海道ソーセージ盛り合わせ(830円)
さまざまな種類のソーセージが4本並んでいます。
ハウスワイン(2060円)
ラベルには、北斗星と「グランシャリオ」のロゴが描かれています。ハウスワインと案内されていましたが、厳密には北海道ワイン製の「Müller Thurgau(ミュラー・トゥルガウ:赤)」「Zweigelt-Rebe(ツヴァイゲルト・レーベ:白)」でした。
モーニング
モーニング営業時間:下り6:30~8:30・上り6:30~9:00
洋定食(1650円)
朝食メニューは「カシオペア」と同一のものが提供されていました。
和定食(1650円)
変わって和定食。メインの皿(写真中央)は注文毎に温めていたわけではなかったらしく、ラストオーダーギリギリに行くとだいたい冷めていました。他方、営業開始と同時に行った時はアツアツだったので(推測ですが)朝に一括調理していたものと思われます。
(左/上)コーヒー
(右/下)紅茶
食後にはコーヒーまたは紅茶がサービスされます。選べるのは通年この2種類のみで、真夏でも遠慮なくホットコーヒー・ホットティーでした。
【番外】グランシャリオのレシート考
「グランシャリオ」のレシート(左/上)は、新幹線の車内販売などで見かけるのと同じ「NRE」(当時)のロゴ入りです。てっきり「グランシャリオ」のロゴが入りレシートを期待していましたが、実際には左下に小さく「北斗星」と書いてあるだけでした(苦笑)。
余談ですが「トワイライトエクスプレス」の場合は、「ダイナー・プレアデス」(食堂車の名称)ロゴ入りのレシートになります(右/下)。
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・9・10号車 ロイヤル
・8号車 ツインデラックス
・3・4・10号車 デュエット
・5・9号車 ソロ
・1・2・11号車 開放型B寝台
・7号車 食堂車・6号車ロビー室・シャワー
・【番外】「グランシャリオ」の食事
「北斗星」概説
デビュー年:1988年
上野~札幌間を、東北本線、IGRいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線、津軽海峡線、函館本線、室蘭本線、千歳線を経由して結んでいた寝台特急。
1988年3月13日に2往復で運行を開始。当初は1・2号がJR北海道所属、5・6号がJR東日本所属の編成で運行(※3・4号は季節臨)されていたが、翌年1989年3月改正で3・4号を定期列車化する形で3往復に増便。3・4号は両社が隔日で担当した。なお、1999年の「カシオペア」運行開始以降は2往復に戻っている。
1997年からJR北海道所属編成(北斗星1・2号)では車両の個室化が推進され、翌1998年には完全個室化された(※簡易個室の「Bコンパート」を含む)。他方、JR東日本所属の3・4号では大きな動きはなく、開放型B寝台車が11両中6両(1~5・11号車)を占めたまま2008年まで運行されるなど、同じ「北斗星」でも列車により設備の違いがあった。
2008年3月以降は北海道新幹線開業準備のため、JR北海道・JR東日本所属車の混成編成による1往復に減便。2015年3月の改正で定期列車としては廃止され、同年8月23日の上野着をもって臨時列車としても運行終了となった。