24系25形「北斗星」 開放型B寝台

目次

9・10号車 ロイヤル
8号車 ツインデラックス
3・4・10号車 デュエット
5・9号車 ソロ
1・2・11号車 開放型B寝台
7号車 食堂車・6号車ロビー室・シャワー
【番外】「グランシャリオ」の食事

24系25形「北斗星」 – 開放型B寝台

かつて上野~青森を牽引したEF81(左)と、「北斗星」廃止まで函館~札幌の先頭を担ったDD51(右)。

「北斗星」ほか寝台列車用のEF81には車体側面に流星が描かれており、ファンの間では通称「星ガマ」と呼ばれていました(→「備考」も参照)

【備考:星ガマの現状】

この「星ガマ」塗装は田端運転所のEF81のうち、78・80~82・86~88・93・94・96・98・100・133号機の13機に施されていました。すでに大半が廃車されていますが、2024年3月現在も80号機が現在も「星ガマ」塗色のまま工事列車や臨時列車で活躍しています。

(さらに備考)
80号機に加え、近年まで98号機も「星ガマ」塗装で活躍していました。同機は2023年1月9日に「カシオペア紀行」の回送を牽引中に車両故障を起こし、自走不能に。以後1年ほど尾久で留置されたのち、2024年3月24日に廃車回送されました。また「星ガマ」出身のEF81 81号機もいまだ命脈を保っていますが、2014年にお召し塗色に変更されています。

※いずれも2024年3月現在

モケット

(左)JR東日本所属車
(中・右)JR北海道所属車

撮影日時・場所

撮影日時:2001~2014年

場所:「北斗星」 車内 上野駅ほか

備考

・>>24系25形「北斗星スクエア」 B寝台ソロの項目も併せてご覧ください。

・号車番号は2008年3月15日改正後の「北斗星」1往復運転時を基準に記載しています。

1・2・11号車 開放型B寝台

続いて1・2・11号車に連結されていた開放型B寝台を見ていきます。

「北斗星」用の車両には、車体側面の帯が金帯・豪雪地帯を走ることから乗降用ドアの引き戸化改造が施されているのが特徴です。一見何の変哲もないB寝台車ながら、随所に“北斗星仕様”が見られるのが面白いところでした。

1号車 JR北海道車「Bコンパートメント」

取材車:オハネフ25-8

まずは1号車の「Bコンパートメント」からご覧いただきます。

この「Bコンパートメント」とは、通常の開放型寝台の入口部分に鍵付きの扉を設けたもの。通常は開放状態で固定されており、寝台券の発売も個室単位ではなく(通常の開放型B寝台と同じ)寝台単位です。個室として利用するには、「4人で1ボックスを申し込む」「検札時に車掌に申し出て扉の固定を解除してもらう」必要がありました(→「備考」も参照)

【備考:当サイトでの「Bコンパートメント」の扱いについて】

「Bコンパートメント」を個室寝台の一つとして紹介・言及する趣味誌やページがありますが、

4人で利用しないと個室にならない
・寝台券は通常の開放型B寝台と同じく寝台単位での発売

という性質に鑑み、当サイトでは開放型B寝台の一類型として紹介します。

ボックス内の全景。

「Bコンパートメント」は扉がついているのが最大の特徴であり(苦笑)、寝台まわりの設備は“普通の開放型B寝台”と同一でした。

下段(左/上)と上段(右/下)のそれぞれアップ。

モケットはピンク系に換装されており、寝台車としては珍しく(視覚上)明るい雰囲気に。寝台周りは比較的丁寧にメンテナンスされていたようで、2010年代に入ってもヘタりを感じない掛け心地・寝心地に感じた記憶があります。

ただ、上段寝台に目をやるとかなり捻じれた転落防止ヒモが(右/下)のように散見されるなど、経年による“疲れ”はどうしても否めませんでした。

2号車 JR北海道車 B寝台

取材車:オハネフ25-216

続いて2号車の開放型B寝台に移ります。

この車両は扉のない、言うなれば“純然たる”開放型B寝台車です。車内は床にカーペットを敷設・モケットとカーテンの交換が行われた程度で、「北斗星」の中では最も原型に近い内装でした(→「備考」も参照)

【備考:「北斗星」の2号車事情】

2号車に入る車両は>>はまなすとの“兼用車”となっており、この内装は「はまなす」のB寝台でも見られました。

この兼用車は(「はまなす」運用時に併結する)14系の電源装置からも受電できる改造を施された車両で、オハネフ25-3・7・11・15・216、オハネ24-501~503、オハネフ24-501・502(※)が在籍していました。ただ末期の「北斗星」2号車はオハネフ25-3・7・たまに216がほぼ固定で入っていたようです。

他の車両は当時「はまなす」でもっぱら運用されており、(推測ですが)末期は車両によってある程度運用が分かれていたのかもしれません。

ボックス部分の全景。

モケットやカーペット・カーテンがいずれも明るい色のものに交換されているため、開放型B寝台特有の薄暗い雰囲気はかなり軽減できていたように感じます。

下段(左/上)と上段(右/下)のそれぞれアップ。

モケットはかつて濃い茶色系(>>はまなすの項参照)でしたが、2000年代前半から写真のベージュ系統に順次交換が進行。張り替えから比較的日が浅かったためか、写真で見てもモケットの表地が全体的にきれいなのがお分かりいただけるかと思います。

あちこちに擦れが見られた(上述の)「Bコンパートメント」とは、良い意味で“対照的”でした。

通路上の荷物スペース(左/上)と、各寝台の読書灯の様子(右/下)。

11号車 JR東日本車 開放型B寝台(喫煙)

取材車:オハネフ25-215

続いて、同じ「開放型B寝台」でもJR東日本所属車のそれを見ていきます。

こちらは「北斗星」1往復化以降、11号車に連結されていた喫煙のB寝台です。通路側の窓間にはかつて灰皿があったのですが、末期は喫煙車でも通路は禁煙扱いだったためか全て撤去されていました。

寝台のボックス部分。

モケットやカーテンの色使いを除いて基本的な見付は上述の2号車と同一ですが、喫煙車として使用する関係で窓下に灰皿が残っていました。

下段(左/上)と上段(右/下)のアップ。

モケットは花柄にも似た赤系のカラーで、これは「北斗星」のみで見られました(→「備考」も参照)。恐らく本来はもう少し明るい色だと思うのですが、ややくすんで映っているのは写真の都合ではありません(笑)。長年のヤニが蓄積されたゆえと思われます。

【備考:実は青系モケットもあったそうです】

製作にあたって昔のファンサイトをwayback machineその他で色々掘り起こしてみたところ、「北斗星」の開放型B寝台JR東日本所属車)にはこれとは別に青系のモケットがありました。柄は同一で、このモケットの色違いと言えるでしょう。

この青系モケットは、かつて存在した「TRAIN HOSTEL 北斗星(※「北斗星」の寝台設備を活用した簡易宿泊施設。閉館済)」でも見ることができたようです。

天井(左/上)と足元(右/下)のアップ。

2号車のそれと比べて、こちらも上段の転落防止ヒモはやや“ヨレが出ているのが分かります。

11号車 JR東日本車 トイレ

デッキ(左/上)、洗面台(中)、和式トイレ(右/下)の様子。

洗面台は自動水栓・三面鏡の導入など近代化が図られていましたが、トイレは対照的に昔ながらのままでした。

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「北斗星」概説

デビュー年:1988年

上野~札幌間を、東北本線、IGRいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線、津軽海峡線、函館本線、室蘭本線、千歳線を経由して結んでいた寝台特急。

1988年3月13日に2往復で運行を開始。当初は1・2号がJR北海道所属、5・6号がJR東日本所属の編成で運行(※3・4号は季節臨)されていたが、翌年1989年3月改正で3・4号を定期列車化する形で3往復に増便。3・4号は両社が隔日で担当した。なお、1999年の「カシオペア」運行開始以降は2往復に戻っている。

1997年からJR北海道所属編成(北斗星1・2号)では車両の個室化が推進され、翌1998年には完全個室化された(※簡易個室の「Bコンパート」を含む)。他方、JR東日本所属の3・4号では大きな動きはなく、開放型B寝台車が11両中6両(1~5・11号車)を占めたまま2008年まで運行されるなど、同じ「北斗星」でも列車により設備の違いがあった。

2008年3月以降は北海道新幹線開業準備のため、JR北海道・JR東日本所属車の混成編成による1往復に減便。2015年3月の改正で定期列車としては廃止され、同年8月23日の上野着をもって臨時列車としても運行終了となった。

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