E2系1000番台(後期増備車) – グリーン車/普通車/トイレ・洗面台


銭湯部を真横から見た様子(左/上)と、福島駅ホーム上の乗車位置目標(右/下)。
よく見ると、乗車位置目標に映るE2系は車体側面の小窓が小さいE2系0番台(引退済)でした。別に一般の人にはどうでも良いことなのかもしれませんが…(苦笑)。
撮影日時・場所
撮影日時:2023年1月・2月・9月
場所:東北新幹線 仙台駅「やまびこ」159号ほか
備考
「J69編成以前」「J70編成以降(本項)」を区別するため、当ページではJ69編成以前の編成について「在来E2系1000番台」と表現します。
>>E2系1000番台(J69編成以前)の項もぜひ併せてご覧下さい。
デッキ


このページでは、E2系1000番台「後期増備車」のデッキ・トイレ・洗面台を一気に見ていきます。
まずはトイレ・洗面台部分の通路(左/上)と、デッキの一例(右/下)。デッキはグレーを基調とした飾り気のない、ともすれば「殺風景」にすら感じる空間です。デッキの基本的な内装、色調は在来E2系1000番台と同一であり、変更点はないと思われます。


比較用に、車いす対応の9号車デッキ(左/上)と、ドア脇の荷物置き場(右/下)の様子。
荷物置き場は号車により横幅が異なるようで、手持ちのメジャーで適当に測った限りでも40cm、43cm、47cmなどがありました。車両のスペースの関係上、横幅は必ずしも一定していないようです。
なお、写真では荷物棚中ほどに天板とバーが降りていますが、この天板・バーを収納することで長尺の荷物(スキー板など)の収納も可能です。
元 公衆電話スペース


E2系にはかつて偶数号車に公衆電話スペースがありました。JR東日本管内での公衆電話サービス終了に伴って現在は電話機が撤去されており、見ての通りフリースペースと化しています。
細かいところでは、公衆電話スぺースの照明が>>在来E2系1000番台(該当項目)は電球色である一方で、この「後期増備車」では白色LEDと思われる照明に変更されています。この車両が製造された2010年頃は鉄道車両の照明にもLEDが出始めた頃で、その“潮流”に乗ったものでしょうか。
6号車 AEDコーナー


6号車の元・公衆電話スペースは、見ての通りAEDを設置してAEDコーナーに転用されています。
洗面台


変わって洗面台の様子です。
(左/上)が普通車、(右/下)がグリーン車の洗面台全景ですが、洗面台の設備としてはどちらも共通なので当サイトでは一括りにして紹介します。


洗面台のアップ(左/上)と、なぜか設けられているコンセント(右/下)の様子。
>>在来E2系1000番台(該当項目)では丸型のシンクでしたが、後期増備車ではE3系2000番台と同じ四角いシンクに変更されています。視覚上に「白い部分」が増え、洗面台の中はかなり明るい雰囲気になりました。
コンセントは、試しにスマホの充電器をつないでみたところ、普通に充電できたので現在も通電しているようです。どのような用途を想定して設置されているのでしょうか。気になるところです(→「余談」も参照)。
【余談:洗面所はコンセント難民が行きつく場所?】
現代のE5系(一部)・E7系には全席にコンセントがありますが、このE2系1000番台「後期増備車」は基本的に窓際にしかコンセントがありません。
私が取材した時は途中からかなり混雑したのですが、コンセントにありつけなかったと思われる人がこの洗面台脇でスマホを充電していました。どうやら「知る人ぞ知るコンセント」のようです。
もっとも「水回り」「不特定多数が出入りしうる場所」である洗面台脇での充電は、漏電や盗難など様々なリスクを伴います。可能なら、座席脇のコンセントを利用した方が良いのは間違いないでしょう。
トイレ


トイレの様子。内部の色調は、編成や号車によりブルー系(左/上)とピンク系(右/下)の2パターンあるほか、ベビーベッドのあるトイレ(左/上)とないトイレ(右/下)があります。
ちなみに>>JR東日本の公式サイト(※外部リンク)上では、9号車の車いす対応トイレにのみベビーベッドがある旨が案内されています。それ以外のトイレにベビーベッドがあるかどうかは、編成により異なるのかもしれません。
なお参考までに、(左/上)はJ75編成、(右/下)はJ72編成で撮影しています。


トイレの手洗い台の様子(左/上)とベビーベッドを展開した状態(右/下)。
トイレ内の基本的な内装は、>>在来E2系1000番台(該当項目)と比較して大きく変わっていません。細かいところでは、非常用SOSボタンが警報式(ボタンのみ)から通話式(ボタン+マイク)に変更されており、非常時はこのマイクで乗務員などと通話ができるようです。
【補足】
E2系1000番台ほか、JR東日本の新幹線ならではの設備として「女性用トイレ」がありますが、当サイトでは全て「男女共用トイレ」で撮影した写真を掲載しています。
男子小用トイレ


男子小用トイレの全景(左/上)と、手洗い台のアップ(右/下)。
>>在来E2系1000番台(該当項目)と比較して、「男子小用トイレは便器の形状が異なり、向きが逆」「手洗い台はユニット一体型から独立したものに」など、細かい変更点が見られるのが特徴です。
ちなみにこの男子小用トイレは、その後のE5系にほぼ同一仕様のまま受け継がれました。(単なる私の推測というか妄想ですが)E5系の仕様決めにあたって、先行的にこの「後期増備車」に取り入れて実用性を検証する意味合いがあったのかもしれません。
9号車 車いす対応トイレ


9号車には車いすでの利用に対応したトイレがあり、全景(左/上)とベビーベッドの展開状態(右/下)です。
基本的な構造は在来E2系1000番台と同一ですが、ベビーベッドがE5系で見られるような形状のものに変わっているほか、新たに着替え用の台が設けられているのが特徴です(後述)。


車いす対応トイレ内部から見た入口側(左/上)と、着替え台のアップ(右/下)。
「着替え用の台」は、E3系2000番台から引き続いて設けられた設備です。E5系以降でも採用され、JR東日本の新幹線では今日すっかりお馴染みとなりました(→「補足」も参照)。
【補足:「着替え用の台」の正式名称】
この台、脇にある説明書にもある通り「チェンジングボード」が正式名称です。
英語圏では「Changing Board」で通じるようですが(主に赤ちゃん向けの「着替え用ベッド」的な意味合いで使われることが多い)、日本語の「チェンジングボード」は一般的な語彙とは言えないため、当サイトではあえて「着替え用の台」として紹介しています。
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概説
デビュー年:2010年(J70編成以降のデビュー年)
2010年に増備されたE2系1000番台(J70~75編成)について取り扱う。
東北新幹線新青森開業時に、増発用として6編成が追加で増備された。基本的には既存のE2系1000番台を踏襲するが、行先表示板の大型化・内装の近代化など、2010年当時の水準に合わせたマイナーチェンジが行われている。
2010年の東北新幹線新青森開業時から、当時の最速達列車である「はやて」に投入。E5系の投入が進むと「やまびこ」及び上越新幹線がメインの運用となった。
2023年3月のダイヤ改正をもって上越新幹線から撤退。以後は「つばさ」と併結する「やまびこ」を中心に運用される。