【休業中】24系「ふれあいらんど岩泉 ブルートレイン日本海」 B寝台 編

目次

A寝台
A寝台 洗面台・トイレ・車内設備
B寝台
B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備
「ブルートレイン日本海」へのアクセス

24系「ふれあいらんど岩泉 ブルートレイン日本海」 B寝台 編

※ 2025年3月31日まで整備のため休業

B寝台への入口の様子。

車体の塗色に合わせてか、ステップの手すり部分は青く塗装されています(左)。またふれあいらんど岩泉への移設時に、ドア脇にドアライトを新設(右)。写真は昼間に撮影したため消灯していますが、日没後になると自動的に点灯します。

車番のそれぞれアップ。

【補足:オハネフ25 121・オハネ25 151の車歴】

日 時内 容
1976/07/19オハネフ25 121落成
品 川へ配属
1976/09/10オハネ25 151落成
品 川へ配属
「はやぶさ」「出雲」「富士」などで運用
1994/122両とも青 森へ転出
「あけぼの」「出羽」「日本海」などで運用
2012/03/16「日本海」廃止 定期運用消滅
2013/01/06「日本海」臨時列車としても運行終了
運用消滅
2013/03/192両とも廃車
2013/11岩手県岩泉町「ふれあいランド岩泉」
敷地内へ輸送
2014/07/28宿泊施設「ブルートレイン日本海」
として営業開始
参考URL:https://www5.big.or.jp/~hagi/rail/

モケット

(左)モケット (中)寝台カーテン (右)窓カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2015年8月17~18日

撮影場所:ふれあいらんど岩泉 「ブルートレイン日本海」 車内

備考

当サイトで紹介している内容は、取材した2015年当時の内容です。現在は車内での過ごし方など各種規定などが変わっている場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

B寝台

変わってB寝台の車内に入ります。(左/上)が通常状態、(右/下)が減光中を再現した様子になります。

車内は移設にあたり、非常ベルやコンセント(寝台と寝台の間にある白いT字状のもの)の新設、クーラーの吹き出し口などが新設されています。

数々の新設備が設けられているわりに、一見ではほとんど違和感を感じない仕上がりになっているのは好印象です。

【コラム:「日本海」の利用者事情】

お話を伺ったスタッフの方によると、この「ブルートレイン日本海」、(大人数では)リーズナブルな価格と手頃な定員規模からか、学校の体験学習や地元サッカーチームの合宿などで満員御礼のこともあるそうです。

合宿や学校の体験学習では、「定員が多い」「2両あるため“男子車両”と“女子車両”が作れる」などの理由から、どちらかというとB寝台車が好まれるとのこと。

プライバシーもへったくれもない昔ながらの寝台車ですが、かえってその方が合宿や体験学習ではいいのかもしれません。

B寝台 – 寝台

B寝台の全景です。

リネンや座席カバーなどは取り外されているものの、それ以外は現役時代ほぼそのままと言っても過言ではありません。

下段寝台のアップ(左/上)とカーテンを少し閉めた状態(右/下)。

付帯設備は「読書灯(後述)」「通路側のテーブル」「転落防止柵」「テーブル(肘掛部分、背もたれ上)」のほか、「ふれあいらんど岩泉」への移設時にコンセントも設けられました(後述)

寝台のカーテンの遮光性はかなり高く、昼間でもカーテンを閉めるとかなり暗くなります。それにしても、年季の入ったモケットやヘタったスプリングなど、現役時代そのままの風情が堪りません。

上段寝台(左/上)と、通路上の荷物置き場の様子(右/下)。

読書灯

各寝台には読書灯が設けられており、ふれあいらんど岩泉への移設後も現役時代と同じように使えます。照度は(左/上)と(右/下)で二段階に調節できます。

読書灯とは関係ありませんが、「ふれあいらんど岩泉」への移設時に、各寝台に1口ずつコンセントを新設。全体の雰囲気を壊さない、非常に控えめな位置に設置されているように感じます。

寝台まわりの設備

B寝台の下段寝台には、ご覧のように収納式の小テーブルが設けられています。(左/上)が収納状態、(右/下)が展開状態。

その他、天井部分(上段寝台の下部分)にはコートかけが。ブルートレインの現役時代には、各寝台に一つずつハンガーが備わっており、脱いだ上着はこのフックにかけるのが定番でした。狭い空間ながら機能的な設計なのが面白いところです。

窓際のテーブルのセンヌキ(左/上)と「寝台では禁煙」のプレート(右/下)。

ちなみに「ブルートレイン日本海」では、末永く車両を保存していく理由から車内での飲食は禁止されています。センヌキは実際に使うのではなく、あくまで“見て“楽しみましょう。

その他の車内設備

通路天井(左/上)と煙探知機(右/下)の様子。

移設によって客車の空調は使えなくなったため、天井に新たに空調装置が設けられています。

非常用ハンマーのカバー(左/上)と通路の椅子を展開した様子(右/下)。

カバーは開けることができますが、ハンマー本体は撤去されていました。

非常口のピクトグラム(左/上)と非常ベル(右/下)のアップ。

SOSボタンのピクトグラムはそのまま残っていますが、現在も「SOSボタン」として使えるのでしょうか?

宿泊者用のサーキュレーター(左/上)と、通路窓間の広告ラック(右/下)の様子。

B寝台の通路では、寝台列車にまつわる絵が展示されています。

寝台番号の表記

寝台の番号表記。

(左/上)がオハネ25 151、(右/下)はオハネフ25 121で撮影したものになります。オハネ25 151は、通常の寝台番号に加えて「座席番号」も併記されているのが特徴です。

【備考:なぜ寝台車なのに「座席番号」があったのか?】

「日本海」が定期列車だった頃、上り大阪行きの6号車の青森~秋田間は、乗車券と指定席特急券で利用できるという取り扱いが行われていました。

そのため、当時の「日本海」6号車は「座席番号を併記する工事を受けた車両」が専属で使用されており、このオハネ25 151もその「6号車要員」だったものと思われます。

デッキと客室の仕切扉

デッキと客室の仕切り扉の様子(左/上)と鍵部分のアップ(右/下)。防犯カメラや非常口のピクトサインが設けられているほかは、現役時代から何ら変わりはありません。

【コラム:知らないと焦る「日本海」の照明事情②】

「ブルートレイン日本海」は、乗降用のドアには鍵をかけることができません。そのかわり、デッキと客室の仕切り扉に鍵がかかるように改造されています。ここに鍵をかけると、デッキまでは入ってこられても客室内には入れない、というわけです。鍵は外からもかけられるので、外出時にも安心です。

このブルートレインの照明は「全光」「減光」「全切」の3つを利用者サイドでいじることができます。しかし、照明機器にタイマーが入っているのかは知りませんが、「減光」モードにセットしていると、22時の消灯時刻の5分前に一旦自動的に「全光」モードになり、22時を過ぎると再び「減光」モードに戻ります。

照明の操作スイッチは、あろうことかデッキにあるので、何も知らない状態だと「やっべこんな夜にデッキに誰か入ってきた!」と誤解してしまうわけです。

A寝台の項目でも力説しましたが、何も知らない状態だと恐怖でしばらく眠れなくなります(実体験)。「21:55頃に勝手に照明が変わっても(基本的には)異常ではない」ので、くれぐれもビックリされないようお伝えしておきます。

もっともそれ以外の時間帯にも関わらず、勝手に照明が切り替わった場合は…いや、やめておきましょう。

このページは5ページ構成です。次は>>B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備 編です。

目次

A寝台
A寝台 洗面台・トイレ・車内設備
B寝台
B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備
「ブルートレイン日本海」へのアクセス

概説

デビュー年:2014年8月(ふれあいらんど岩泉での営業開始)

「ブルートレイン日本海」とは、岩手県内・岩泉に存在する「ふれあいらんど岩泉」の宿泊施設の一つ。元々「日本海」「あけぼの」などで使用されていた寝台車3両を譲り受け、2014年8月から営業を開始している。

編成は3両で、開放型B寝台2両と開放型A寝台1両で構成。宿泊に使用される車両の設備は現役当時からほぼ変わっておらず、トイレ、洗面台も一部を除きそのまま利用可能。毛布、シーツは宿泊料金に含まれているほか、別棟に「ブルートレイン日本海」宿泊者専用のシャワー施設を設置している。

宿泊用の寝台は1ボックス(A寝台2人、B寝台4人)単位が基本だが、1両単位での貸切利用も可能。料金はシーズンにより異なる。

食事の調達は、道の駅いわいずみ内の売店(営業時間は短い)、または車で約15分前後の場所にあるスーパーマーケットとなる。コンビニなどは徒歩圏内にないため、公共交通手段のみで訪れる場合は事前に食事を調達した方が無難。また、有料でBBQコンロなどを借りることができる(要問合せ)。
営業期間は4~11月のみで、冬季は休業となる。

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