【8/27全項目公開開始】E3系2000番台「つばさ」 グリーン車 編

目次

グリーン車
普通車
トイレ・洗面台

E3系2000番台「つばさ」グリーン車 編

山形新幹線「つばさ」の、いわば‟第二世代”とも言える車両がこのE3系2000番台です。

開業時から運用されてきた400系の置換用として、2008年12月に登場。車体のフォルムは既存のE3系と大差ありませんが、内装は意外にも‟初物づくし”だったりします。当ページでは、そのあたりも含めて見ていきましょう。

写真は新庄駅にて発車待ちのカット。E3系「つばさ」は2014~2016年にかけて塗色変更が行われ、現在は全編成がこのカラーに統一されています。電車の‟顔”がいまいち分かりにくい塗色ですが(苦笑)、山形の要素を多分に詰め込んだカラーリングとのことでした(→「備考」も参照)

【備考:山形新幹線の塗色事情】

このカラーは、「山形の彩り豊かな自然の恵み」「新幹線の持つ躍動感」を表現したものだそうです。

(参考)
  白  … 蔵王の雪がモチーフの「蔵王ビアンコ
    … 山形県の県鳥「おしどり」イメージの「おしどりパープル
黄 色… 山形県の県花「紅花」由来

モケット

(左)座席 (中)カーペット (右)カーテン

撮影日時・場所

撮影日時:2023年9月

場所:山形新幹線「つばさ」88号  車内

備考

>>E3系1000番台「つばさ」の項も併せてご覧ください。

11号車 グリーン車

グリーン車に入ります。

車内は>>E3系1000番台から引き続いて2+2配置、定員が合計6列23名(1人掛けの車いす対応席含む)なのも同一と特段の目新しさはありません。

車内を反対から見た様子(左/上)と、天井のアップ(右/下)。

荷物棚まわりに目をやると、E3系後期型(R18~・L53編成~)から引き続いて>>荷棚の支柱が省略されているのが分かります。読書灯つきの荷物棚、デッキと客室の仕切扉が木目調になっている(いずれも後述)など細かい違いはありますが、全体的な見付は1000番台の流れを汲んだ車内と言えるでしょう。

グリーン車 座席

グリーン車の一般席区画(左/上)と車端部区画(右/下)。

座席全体としては、座面・背もたれとも固めの作り。JR東日本の新幹線としては>>E4系ぶりにレッグレストが復活しており、本系列以降の新幹線車両ではフットレストに代わって「標準装備」となりました。

シートピッチは1,160mm、付帯設備はインアームテーブル・背面テーブル・電動レッグレスト・読書灯・ピロー・コンセントとなっており、「新幹線のグリーン車」に必要とされる設備は一通り揃っています。

11号車 グリーン車 車いす対応区画(6D)

新庄寄りの6D席は、車いすでの利用に対応した区画となっています。

写真がその様子。見てのとおり、最寄りの乗降用ドア(左/上)・デッキと客室の仕切扉(右/下)がやや広めに作られているのが特徴です。

車いす対応席の全景(左/上)と、全展開状態(右/下)。

基本的な設備は同一ですが、車いす固定用ベルトなどの器具が装備されています。2000番台からはレッグレストとなったため、従来車のような「足の置き場に困る問題」は解消されました(→「備考」も参照)

【備考:車いす対応席ならではのフットレスト事情】

車いす対応席は、(回転時の取り回しの関係からか)ほかの座席より窓からやや離れた位置に設置されています。それゆえフットレスト付きの車両では、(進行方向によっては)車いす対応席のそれがとても使いにくくなる状態が発生していました。



(参考)
E3系1000番台の同じ区画の様子。車いす対応席の着座位置は、前席の通路側・窓側のちょうど中間となり、どちらのフットレストも使いにくい。


「つばさ」の場合は、上り東京方面行きがこの状態です。レッグレストとなった本系列からは、そもそもフットレストがないためその心配もなくなりました。

グリーン車 座席周り

座席を正面から見た様子(左/上)と、ピロー部分のアップ(右/下)。

ひじ掛けは両端・中央ともに、グリーン車にしてはさみしすぎる細さです。車体が小さいE3系2000番台でグリーン車の座席幅を確保するための‟代償”が、この細いひじ掛けなのでしょう。座席幅も実のところ、普通車と比べてものすごく広くはありませんが…(苦笑)。

コンセント(左/上)と、リクライニング・フットレストのボタン類(右/下)。

コンセントは中央のひじ掛けに設置されています。ただでさえ小さめのひじ掛けに、2つのコンセントを無理くりおさめた格好なので、間隔はとても‟詰まって”います。隣席が知らない人のときは、プラグ部分に箱がついているような充電器(急速充電器とかでよくあるやつ)の使用は避けた方が無難かもしれません。

座席肩部の手かけ(左/上)と、レッグレスト展開状態のアップ(右/下)。

座席肩部の手かけはキノコのような形をしていますが、>>E2系後期増備車以降とは異なる独特のデザインです。

その他の車内設備

通路(左/上)と、窓間のコートかけの様子(右/下)。

細かいところですが、窓間のコートかけも>>E3系1000番台からデザインが変わっています。

読書灯(左/上)と、運転台側の仕切部分(右/下)。

読書灯は白色LED式となっており、従来の電球タイプと比べて手元の明るさは格段に向上しています。私も後日、夜間の「つばさ」に乗車した際に使ってみたのですが、率直に言って眩しすぎるくらいでした(苦笑)。

デッキ

続いて、グリーン車のデッキを見ていきます。

デッキはグレーとブラックが基調の空間です。>>E3系1000番台との違いはほとんどなく、ドア脇の鏡面処理などもそのまま踏襲されています。

トイレ側を見た様子(左/上)と、デッキ脇のゴミ箱(右/下)。

ゴミ箱は、コンパクトな外付けタイプ。初めて見た時は「これで足りるの…?」というのが率直な感想でしたが、山形を出てからはやはりゴミがあふれていました(苦笑)。

乗降用ドア

乗降用ドア(左/上)と、デッキ部分の手すりのアップ(右/下)。

E3系1000番台との違いは、「ドア上に開閉時の警告灯(赤色)がある」「化粧板の柄・ドアの色調がそれぞれ微妙に異なる」程度ですが、よく見ると手すりにさくらんぼ柄があしらわれています。山形を走る列車らしい、‟遊び心”と言えそうです。

ちなみにE3系2000番台の車内には、ほかにもさくらんぼが隠れていたりします。探してみるのも面白いかもしれません。

このページは3ページ構成です。次は>>「普通車」 編です。

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概説

デビュー年:2008年12月(E3系2000番台のデビュー)

山形新幹線で開業当時から使用されていた400系の置換用として、2008年にデビュー。

基本的な構造はE3系0番台(R18編成~)・1000番台(L53編成)を踏襲しているが、大型のLED案内表示装置・フルカラーLED行先表示器・空気清浄機の導入・車内設備の向上など、主に内装面でのレベルアップが図られている。

最高速度は275km/hだが、2012年3月改正までは東京~福島間で併結運転を行う「やまびこ」がE4系に限定されていたため、最高速度240km/hで運転されていた。

2008年12月のデビューから「つばさ」「なすの」に投入され、2010年4月までに400系を淘汰している。2024年以降は、後継となるE8系の導入開始により順次姿を消す見込み。

このページは3ページ構成です。次は>>「普通車」 編です。

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