【1/7新設】285系「サンライズ出雲・瀬戸」 ノビノビ座席・共用設備

目次

シングルデラックス
サンライズツイン・シャワー室
シングル・ソロ
シングルツイン・車いす対応設備
ノビノビ座席・共用設備
【番外】e5489で予約時の注意事項

285系「サンライズ出雲・瀬戸」 – ノビノビ座席・共用設備

続いて5・12号車に連結されている「ノビノビ座席」を見ていきます。車体側面(左/上)と、ドア脇の号車表示の様子(右/下)。

「ノビノビ座席」は普通車指定席となっており、「サンライズ出雲・瀬戸」の中では最も廉価で利用できるクラスとなります。

モケット

(左)カーペット (右)カーテン

撮影日時・場所

撮影日時:2023年7月上旬

場所:予讃線 高松駅ほか

備考

「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の総称として285系という表現を用いる場合があります。

5・12号車「ノビノビ座席」 車内

車内の全景(左/上)と階段(右/下)の様子。

通路を片側に寄せた車内には、カーペット敷きの「座席」が展開。下段・上段の2段構造で、座席番号のA・B席が下段、C・D席が上段となります。

通路側のカーテンのアップ。それぞれ下段(左/上)と上段(右/下)です。

「座席」間には仕切りがないものの、頭部分にあるパーティションと通路側カーテンにより視覚上は“一人の空間”が出来上がるようになっています。

よく見ると、天井部分にはカーテンレールと思しきものが。必要になれば「座席」間にもカーテンを設置できる構造ではあるようです。

5・12号車「ノビノビ座席」 座席

上段「座席」の様子です。

「座席」は言ってしまえば板張りの上にカーペットを敷いただけなので、着座でも横になってもとにかく“固い”です。横になって一晩を明かせるとはいえ、何度か利用した限りでも翌朝けっこうな痛みが背中に残ったように記憶しています。

各「座席」には簡易な掛け布団がセットされているものの、特に大柄な男性だと“毛布にくるまる”には程遠いくらいのサイズしかありません。また、枕もないので気になる方はタオルを巻くなどして代用するか、トラベル用のピローを持参するようにしましょう (→「備考」も参照 )

【備考:「ノビノビ座席」の枕事情】

「ノビノビ座席」には毛布のほか、なぜか枕カバーが各席1枚ずつセットされています。従って、枕を持参すればカバーは備え付けのものが使用可能です。

なお枕がないのに枕カバーだけが存在する理由は、私が調べてみた限りで不明でした。ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示ください。

下段座席(左/上)と、付帯設備類のアップ(右/下)。

付帯設備は枕元灯、読書灯、ミニテーブル、紙コップなど。寝台列車では定番のスリッパなどは一切ないあたり、この「ノビノビ座席」が(寝台ではなく)あくまで「座席」であるというのが垣間見える気がします。

座席番号表記(左/上)と、車内の案内図(右/下)。

5・12号車は基本的に「ノビノビ座席」となっていますが、高松・出雲市寄りに「シングル」が2部屋設けられています(11・12号室)

「ノビノビ座席」ながら車番はモハネ285形200・3200番台と、寝台車を示す「ネ」がついているのはこのためでしょう。

3・10号車 ラウンジ

続いて「サンライズ出雲・瀬戸」の共用設備を見ていきます。

まずは3・10号車に設置の「ラウンジ」から。車内は、通路を中央に金属製のスツールが4席ずつ左右に展開しています。スツール部分は眺望に配慮してか、一段高い位置に(右/下)。特に朝の時間帯は、ここに身を預けて日の出を拝むというのもまた一興です。

そして就寝前にここにお酒とおつまみを持ち込んで…といきたいところですが、ここはシャワールームの待合室も兼ねていたりします。特に夜の就寝前の時間帯は、譲り合って使うようにしましょう(→「備考」も参照 )

【備考:“シャワーラッシュ”時間帯の「ラウンジ」事情】

シャワールームが混雑する22〜23時半頃までは、このラウンジが実質的な「シャワールーム待合室」として使用されている場合があります。

どの人が“最後尾”かは、ラウンジに入ったらなんとなく雰囲気を読んで察してください。あるいは、同じくシャワーを待っていると思われる人に「シャワー待ちの最後尾はどなたですか?」などと聞いてみるのもいいかもしれません。

「ラウンジ」の窓周り(左/上)とスツールのアップ(右/下)。

窓際にはテーブルが設けられており、軽い飲食程度なら十分な大きさに感じます。スツールは背もたれのないタイプで座面も固く、実のところの居住性はそこまで大したものではありません。

もっとも、快適すぎて深夜まで長居されてもそれはそれアレですし、ある意味で“理にかなった仕様”なのかもしれませんが…。

3・10号車 自動販売機・シャワーカード販売機

シャワールームの内部は>>サンライズツイン・シャワー室の項で紹介しています。

3・10号車には飲料の自動販売機(左/上)とシャワーカードの自販機(右/下)があります。

飲み物はミネラルウォーター・緑茶・コーラ・コーヒーなどといったラインナップ。町中と同じ価格設定なのはありがたいところですが、小さいサイズの飲み物が多いのに加えて支払は現金のみです。

なお、シャワーカードを買う場合は3・10号車ではなく4・11号車から入るのが、各始発駅での“暗黙の了解となっているようです。これについては以下の「備考」にまとめたので、良かったら読んでみてください(→「備考」も参照 )

【備考:シャワーカードを買うなら4・11号車側から入れ】

1編成158人が定員の「サンライズ出雲・瀬戸」ですが、シャワーカードの発売は先着20名。それゆえ、購入は文字通りの「熾烈な争い」となります。かねてから、シャワーカードは始発駅発車前の売り切れが状態化するほどの大人気商品です。

シャワーカードの自動販売機は3・10号車にありますが、絶対にシャワーに入りたい場合は始発駅で4・11号車の乗車口から自動販売機を目指すようにしてください。

これは、シャワーカードの自動販売機がある3・10号車のデッキへは4・11号車側から入った方が近いことによるもの。3・10号車のデッキから目指すと車両を端から端まで歩く必要があり、かえって“遠回り”になります。

私が観察した(=並んだ)限り、各始発駅では4・11号車の乗車口前だけ妙に長い列ができていました。「サンライズ出雲・瀬戸」の利用者の間では、上記の事情はいわば周知の事実のようです。

「暗黙の了解」「周知の事実」と上で書きましたが、現実的には3・10号車側のデッキから行ってもまず列に入れません(当たり前と言えば当たり前ですが)

シャワーがあるのは3・10号車でも、シャワーカードを目指して並ぶのは4・11号車」です。くれぐれもお間違えのないよう、参考として記載します。

乗降用ドア周り

乗降用デッキ(左/上)とゴミ箱のアップ(右/下)。

デッキはベージュを基調とした色調で、全車両がこの内装で統一されています。

ドアの窓(左/上)と、ドア脇の半自動ボタンのアップ(右/下:→「備考」も参照)。

285系は1998年に「グッドデザイン金賞(公益財団法人日本デザイン振興会)」「ブルネル奨励賞(ワトフォード会議)」を受賞しており、各ドア窓にはそのエンブレムが貼付されています。

余談ですが、翌1999年には「第42回鉄道友の会ブルーリボン賞」も受賞と、数々の表彰歴があるのは特筆されるところです。それだけ当時の鉄道業界に与えた影響が大きかったのでしょう。

【備考:「サンライズ出雲・瀬戸」の半自動ドア事情】

「サンライズ出雲・瀬戸」の運用時にこの半自動ドアボタンが使用されることは基本的になく輸送障害で途中駅で長時間停車となった場合などに使用されるようです。

デッキ

デッキ(左/上)と、トイレ・洗面台が並ぶ通路部分(右/下)の様子。

2014~2016年施工のリニューアル工事に伴い、床材や手すりが交換されています。ドアに注意喚起の黄色いシールも追設されていますが、これは昨今JR西日本の車両でよく見かける意匠です。

洗面台

洗面台の全景(左/上)とシンク周り(右/下)のアップ。

水道は自動水栓が導入されているほか、コンセント(カミソリ用)・ゴミ箱など一通りの付帯設備が整っています。

トイレ

共用トイレ(左/上)と、洗面台周り(右/下)の様子。

かつては和式トイレもあったそうですが、2014~2016年に行われたリニューアル工事により現在は全て洋式に統一されています。

このページは6ページ構成です。次は>>【番外】e5489で予約時の注意事項 です。

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シングルツイン・車いす対応設備
ノビノビ座席・共用設備
【番外】e5489で予約時の注意事項

概説

デビュー年:1998年

JR東海と西日本が共同開発して1998年にデビュー。1967年に登場した581系以来、実に31年ぶりに製造された寝台“電車”である。

編成は7両でオール2階建て。1~3・5~7号車がB1(シングル・ソロ)、5号車がノビノビ座席、4号車がA1(シングルデラックス)、B2(サンライズツイン)を連結しており、様々な需要に対応。

2014~2016年にリニューアル工事が行われ、全トイレの洋式化や内装のマイナーチェンジが行われた。

現在は「サンライズ出雲」(東京~出雲市)「サンライズ瀬戸」(東京~高松・琴平)で運用。その他、臨時列車として「サンライズゆめ」(東京~広島・下関)、「サンライズ出雲93号」(京都~出雲市)などに使用された実績がある。

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