キハ47形「新潟地区 クロスシート車」

キハ47形「新潟地区 クロスシート車」

2020年まで新潟地区の非電化路線を担っていたキハ40系列。磐越西線や只見線といった非電化路線はもちろん、羽越本線の普通列車にも使用されるなど、幅広いエリアで活躍していました。

さて、このページではそんな新潟エリアのキハ47形を扱います。キハ47形とは、いわゆる「キハ40系列」のうち、「ドアが両開き+片運転台」の車両です。

モケット

(左)座席 (右)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2019年12月12日

撮影場所:磐越西線 新潟駅 車内

備考

説明の簡略化のため、運転台やドアの形状に違いがありますが基本構造は同一であることから「キハ40・47・48形」を総称して「キハ40系列」と呼称する場合があります。

車内全景

車内の全景。

冷房化改造こそされているものの、それ以外大きく手を加えられた形跡はありません。国鉄時代から変わらない濃紺のモケットも相まって、これが(平成を通り越して)本当に令和の時代なのか?と思ってしまうほどのノスタルジーに溢れた空間がそこにあります。

座席ひじ掛けの色が異なるタイプ(左/上)と、天井を見上げた様子(右/下)。

車両によってはひじ掛けがブラウンに塗装されていました。JR分割民営化後に、車両によって体質改善工事を受けたかどうかの違いと思われます。

ボックスシート

というわけでボックスシートの様子。(左/上)が先に紹介した原型、(右/下)がひじ掛けの色違いとなります。

見慣れた国鉄型車両のボックスシートですが、写真の個体はその中でも比較的後期に製造されたタイプと思われます。初期のそれに比べて腰部分の張り出しが大きいフレームが全体的に分厚く作りが堅牢などが、見分けのポイントと言えそうです。

ボックス席を表面から見た様子。

(左/上)と(右/下)は、例によってひじ掛けの色違いとなります。

ドア脇 – ロングシート

ドア脇の座席はロングシートとなっていますが、ドア間方向のそれはスペースの関係で2人がけ(左/上)と3人がけ(右/下)が存在します。

座面は擦り切れることもなくきれいな状態を保っているものの、座面のスプリングは経年的にそろそろ限界が来ている感は否めません。

運転台直後 – ロングシート

運転台直後の座席は5人がけのロングシートとなっており(左/上)、座席のアップが(右/下)となります。

5人がけはとはいえ、よく見ると上の項目で紹介したドア脇のロングシートと同じ、2人がけと3人がけを並べたものです。

車端部 – ロング&クロスシート

変わって車端部の様子(左/上)と優先席部分(右/下)。

3人がけロングシート→3人がけ優先席と続いて、一番奥がボックス席1区画となっていました。

車端側にあるボックス席の全景(左/上)と、ボックス部分のアップ(右/下)。

貫通扉がある関係で、壁側の座席はやや幅が狭くなっているのが特徴です。

車内設備

網棚の様子(左/上)と窓間のコートかけの様子(右/下)。

文字通りの“”棚も、このタイプのコートかけも最近では一気に見かけなくなった気がします。

通路の様子(左/上)と、ドアの開閉ボタン(右/下)。

昔ながらのボックス席、濃紺の座席モケットがずらっと並ぶこの光景は、近年ではまさに絶滅危惧種と言っても過言ではなく、すっかり貴重になってしまいました。

座席肩部の握り手(左/上)と、ロングシートを真横から見た様子(右/下)。

おまけ

新潟地区のキハ40系列は「濃紺のモケットをまとったボックス席に、二段式の窓」という、まさに「ザ・国鉄型」と言っても過言ではない空間を令和の初頭まで残していました。

たまたま私が取材した列車が、全区間にわたり私の貸切だったことから、車内を歩いてみた動画もご紹介します。写真では伝わり切らない本系列の雰囲気をぜひ感じてみてください。

なお、動画は>>キハ40系列「新潟地区 ロングシート車」の車内も含めて撮影しています。コンテンツと併せてどうぞ。

概説

デビュー年:1977年(車両)

1950年代に製造されたキハ10系を初めとする通勤用気動車の後継として1977年にデビュー。1982年までに888両が製造され、日本全国の非電化区間で主に普通列車として用いられた。

基本は両運転台のキハ40系列、片運転台のキハ48形、両開きの乗降ドアを備えたキハ47系に大別されるが、製造後、各地へ転配されたことから必要に応じた改造を受ける車両も多く、番台区分は多岐に渡る。

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