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小田急電鉄50000形「VSE」 - 車内設備
展望席や連接台車といった「ロマンスカーの伝統」を徹底的に排除した>>30000形「EXE」は、「ロマンスカーの通勤利用」という新しい需要の掘り起しは成功させたものの、本来の目的である箱根への観光客輸送という点では、やはり力不足な感は否めませんでした。
車体側面の様子。白をいっぱいに使ったデザインは日本の電車ではあまり見かけませんが、それまで鉄道のデザインに携わったことのなかった外部デザイナーによるものだそうです。
側面のロゴ。ちなみに「VSE」は「Vault Super Express」の略だそうです。 展望席
では車内へ入っていきます。写真は編成の両端に設けられている展望席の様子です。2+2配置で4列並んでおり、定員は16名です。上に運転台が設けられているため、天井は他の区画よりかなり低めになっているのが特徴です。
で、展望席を前から見るとこんな感じ。後で紹介しますが、この区画は一般席区画の座席とは微妙に異なる形状のものが使われています。展望席の後方席や、さらにその後ろの一般席からもある程度前の景色が望めるようにしたのか、背もたれの中央部分より上が他のものに比べやや狭めに作られています。こういった細かい心配りが見られるのも、小田急のVSEにかける“心意気”が垣間見えるような気がします。
では先頭部の座席の様子。足元はそこまで広くはないものの、前の景色を完全に独り占めすることができるのはこの最前列の特権と言っても過言ではなさそうです。なお、座席の詳しいスペックや座り心地については「一般席」の項目で詳説します。
テーブルのアップ。「HiSE」以前は単純な一枚板のテーブルが座席脇に収納されていたことを考えると、操作性や使いやすさは確実に向上しているように思います。
2列目以降の座席はこんな感じ。荷物棚がないのを補うためなのか、単なるスペースの問題なのかは知りませんが、シートピッチが1150mmとグリーン車並みになっています。写真で見ていただいても、足元がかなり広くなっているのがお分かりいただけると思います。
2列目以降の座席には、壁部分にこんな小テーブルが設けられています。テーブルそのものはHiSE以前からある設備ですが、デザインが洗練されて見た目にもおしゃれに映る気がします。
天井の様子。照明にはLEDが使用されています。
普通車
続いて編成の大部分を占める一般席を見ていきます。車内は濃いオレンジを基調とした座席がズラッと並んでいます。車内がやけに開放的に見えるのは、天井がアーチ型であるためでしょうか。やわらかい間接照明に照らされる天井は、鉄道車両というよりかは教会や大聖堂を見ているといってもあながち過言ではないのではないかと思うほど、幻想的かついい意味で「鉄道車両らしくない」雰囲気に満ちているように思います。
車内を反対から見るとこんな感じです。
というわけで座席の様子。座席は曲線を排したデザインとなっており、かなり「おしゃれ」な見た目です。付帯設備は背面テーブルのほか、座席を向い合せにした状態で使用できる引出式のテーブルが設けられてます。中肘掛は例によって設けられていませんが、これはロマンスカーの「伝統」と見るべきか、あるいはグル―プでの利用がメインの「観光特急」に特化した結果、と見るかは意見の分かれるところでしょう。
展望席と一般席の区画の境界部分はこんな感じ。5A〜D席がこの座席になります。テーブルが使えない代償として窓側に展開式のテーブルが設けられてはいますが、飲み物を置いたらすぐ一杯になってしまいそうな大きさであり、また展開すると身体に近すぎるところに来てしまうので、実のところの使い勝手はそう大したものではありません。
ちなみにこの“境界”部分の座席、網ポケットなどはドアを隔てた向こう側に設けられています。わざわざ席を立ってまで車内誌を取りに行こうと思う人がどの程度いるのかはこの際置いておくにしても、この部分は妙にきれいですね(苦笑)。
座席のチルト機構のアップ。実際には数cm程度の沈み込みですが、実際に着座すると思った以上に差を感じます。
座席を向い合せにするとこんな感じです。そういえば、上の項目で書き忘れていましたが、カーテンはロール式のものが使われています。 8号車 車椅子対応区画 8号車には車いすに対応した区画があります。この区画は天井がアーチ型をしていなかったり、床材がフローリングだったりなど細かい違いが見られます。どのような理由で仕様が異なっているのかは興味深いところです。
車内を反対から見るとこんな感じ。車いす対応席付近の仕切り扉は、通常のものより横幅が広く取られています。また、車端部には荷物置き場と思われる棚が設けられていますが、こちらも一般席区画には見られない仕様です。この小さな荷物棚はどのような利用を想定して設けられたものなのでしょう?(笑)
というわけで車いす対応席はこんな感じです。 車内設備 天井を見上げます。
荷物棚のアップ。荷物棚部分にはLEDによる補助照明が設けられています。「照明」というよりは、単なるデザイン性を狙ったもののようにも見えます。
デッキと客室の仕切り扉はこんな感じ。このアングルでご覧いただくと、VSEの天井が丸くなっているのがより分かりやすいと思います。
窓部分のアップ。
通路の様子です。
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