鉄道・高速バス
車内・座席写真のサイト

  • ホーム
    Home
  • 鉄道・バス車内写真
    Train Interior
  • 電車の写真
    Photos
  • 特集・レポート
    Reports
  • ご案内
    Info
  • メール
    Contact
  • リンク
    Links

HOME > 鉄道・バス車内写真 > 私鉄 > 小田急電鉄50000形「VSE」

小田急電鉄50000形「VSE」 - 車内設備

展望席や連接台車といった「ロマンスカーの伝統」を徹底的に排除した>>30000形「EXE」は、「ロマンスカーの通勤利用」という新しい需要の掘り起しは成功させたものの、本来の目的である箱根への観光客輸送という点では、やはり力不足な感は否めませんでした。
あんまり人気がない、というのならまだしも、実際に2000年代初頭において「ロマンスカーで箱根に行く利用者」は激減し、さすがの小田急もマズいと考えたのか、2005年に新しいロマンスカーを送り出しました。それがこの「VSE」です。
そのためか、>>30000形「EXE」で廃止された展望席、連接台車といったハード面はもちろん、シートサービスの復活などソフト面に至るまで「原点回帰」とも言える仕上がりになっています。
写真は箱根湯本駅にて発車待ちの「VSE」。日々、小田急ロマンスカーのいわば“フラッグシップ”として「スーパーはこね」「はこね」で活躍しています。

車体側面の様子。白をいっぱいに使ったデザインは日本の電車ではあまり見かけませんが、それまで鉄道のデザインに携わったことのなかった外部デザイナーによるものだそうです。

側面のロゴ。ちなみに「VSE」は「Vault Super Express」の略だそうです。

展望席

では車内へ入っていきます。写真は編成の両端に設けられている展望席の様子です。2+2配置で4列並んでおり、定員は16名です。上に運転台が設けられているため、天井は他の区画よりかなり低めになっているのが特徴です。
展望席そのものの定員は先代の「LSE」や「HiSE」から増えてはいるものの、実際に前が文句なく見えるのはせいぜい2列目までで、それより後ろになると前面展望は思ったほど望めません(笑)。また、前面の窓ガラスは1枚モノとなっている一方で、側面の窓は先頭に行くにつれて幅が狭くなっています。流線型の車体のため仕方ないのかもしれませんが、通路側の方が外の景色は比較的よく見ることができます。

で、展望席を前から見るとこんな感じ。後で紹介しますが、この区画は一般席区画の座席とは微妙に異なる形状のものが使われています。展望席の後方席や、さらにその後ろの一般席からもある程度前の景色が望めるようにしたのか、背もたれの中央部分より上が他のものに比べやや狭めに作られています。こういった細かい心配りが見られるのも、小田急のVSEにかける“心意気”が垣間見えるような気がします。

では先頭部の座席の様子。足元はそこまで広くはないものの、前の景色を完全に独り占めすることができるのはこの最前列の特権と言っても過言ではなさそうです。なお、座席の詳しいスペックや座り心地については「一般席」の項目で詳説します。

テーブルのアップ。「HiSE」以前は単純な一枚板のテーブルが座席脇に収納されていたことを考えると、操作性や使いやすさは確実に向上しているように思います。

2列目以降の座席はこんな感じ。荷物棚がないのを補うためなのか、単なるスペースの問題なのかは知りませんが、シートピッチが1150mmとグリーン車並みになっています。写真で見ていただいても、足元がかなり広くなっているのがお分かりいただけると思います。

2列目以降の座席には、壁部分にこんな小テーブルが設けられています。テーブルそのものはHiSE以前からある設備ですが、デザインが洗練されて見た目にもおしゃれに映る気がします。

天井の様子。照明にはLEDが使用されています。

普通車

続いて編成の大部分を占める一般席を見ていきます。車内は濃いオレンジを基調とした座席がズラッと並んでいます。車内がやけに開放的に見えるのは、天井がアーチ型であるためでしょうか。やわらかい間接照明に照らされる天井は、鉄道車両というよりかは教会や大聖堂を見ているといってもあながち過言ではないのではないかと思うほど、幻想的かついい意味で「鉄道車両らしくない」雰囲気に満ちているように思います。
ちなみにこの車内、主に座席周りに微妙〜に違和感があるのは、この座席が進行方向に対して、窓側にやや斜めに設置されているためです。その角度はわずか5°ですが、これも利用者が景色を思う存分見られるように、との配慮とのこと。VSEが標榜する「ロマンスカーらしいロマンスカー」もダテではなさそうです。

車内を反対から見るとこんな感じです。

というわけで座席の様子。座席は曲線を排したデザインとなっており、かなり「おしゃれ」な見た目です。付帯設備は背面テーブルのほか、座席を向い合せにした状態で使用できる引出式のテーブルが設けられてます。中肘掛は例によって設けられていませんが、これはロマンスカーの「伝統」と見るべきか、あるいはグル―プでの利用がメインの「観光特急」に特化した結果、と見るかは意見の分かれるところでしょう。
一見、なかなかおしゃれでイイ感じの座席ですが、座り心地は正直なところ「今一つ」の評価をつけざるを得ません。リクライニングすると座面がチルト(沈み込む)するようになっていますが、そのためかリクライニングしない状態だと身体がやや起き上がった姿勢になるため、妙な違和感があります。
また、両端のひじ掛けがかなり細いのもNG。大荷物の観光客が多いので通路をあまり狭くできないという事情があるのかもしれませんが、肘を預けておくにはやや心もとない細さです。このあたりは、VSEの後継車でどのような改善が施されるのか興味深いところではあります。

展望席と一般席の区画の境界部分はこんな感じ。5A〜D席がこの座席になります。テーブルが使えない代償として窓側に展開式のテーブルが設けられてはいますが、飲み物を置いたらすぐ一杯になってしまいそうな大きさであり、また展開すると身体に近すぎるところに来てしまうので、実のところの使い勝手はそう大したものではありません。
窓の景色があまり望めないことや、テーブルなどの設備はほぼありませんが、足元だけはものすごく広いです(笑)。もっとも、VSEは一般席でもシートピッチはそこそこ広いので、足元が広いことはそれほどアドバンテージにもならない気はしますが…(笑)。
なお、座席脇にはドアが設けられていますが、乗務員の出入りや非常時に使うためのもののようで、基本的には開きません。

ちなみにこの“境界”部分の座席、網ポケットなどはドアを隔てた向こう側に設けられています。わざわざ席を立ってまで車内誌を取りに行こうと思う人がどの程度いるのかはこの際置いておくにしても、この部分は妙にきれいですね(苦笑)。

座席のチルト機構のアップ。実際には数cm程度の沈み込みですが、実際に着座すると思った以上に差を感じます。

座席を向い合せにするとこんな感じです。そういえば、上の項目で書き忘れていましたが、カーテンはロール式のものが使われています。

8号車 車椅子対応区画

8号車には車いすに対応した区画があります。この区画は天井がアーチ型をしていなかったり、床材がフローリングだったりなど細かい違いが見られます。どのような理由で仕様が異なっているのかは興味深いところです。

車内を反対から見るとこんな感じ。車いす対応席付近の仕切り扉は、通常のものより横幅が広く取られています。また、車端部には荷物置き場と思われる棚が設けられていますが、こちらも一般席区画には見られない仕様です。この小さな荷物棚はどのような利用を想定して設けられたものなのでしょう?(笑)

というわけで車いす対応席はこんな感じです。

車内設備

天井を見上げます。

荷物棚のアップ。荷物棚部分にはLEDによる補助照明が設けられています。「照明」というよりは、単なるデザイン性を狙ったもののようにも見えます。

デッキと客室の仕切り扉はこんな感じ。このアングルでご覧いただくと、VSEの天井が丸くなっているのがより分かりやすいと思います。
そういえば、天井が丸型をしている車両といえば、かつて日本全国を駆け抜けた初代ブルートレインこと「20系」も>>ビミョ〜に似た構造であるような気がします。そんなことを思ったのは恐らく私だけでしょうが…(笑)。

窓部分のアップ。

通路の様子です。

項目

  • 座席
  • 車内設備

撮影日時・場所

撮影日:2015年5月6日
撮影場所:箱根湯本駅 「はこね」43号 車内

車両概説

デビュー年:2005年

2005年に登場。VSEとは「Vault Super Express」の略である。

先代の30000系はビジネスや短距離利用を重視した短距離型だった。だが50000系はロマンスカー本来の行先である箱根への観光客に配慮した観光仕様とした。車両は観光輸送に特化したコンセプトの下で作られている。加えて足回りや車内設備には随所に最新設備を導入し、快適な観光型車両に仕上がった。
また1987年の10000系以来、新規の製造がなかった展望席を約18年ぶりに復活させたことで当時は話題になった。

車両は10両編成で箱根湯本寄りが1号車。ロマンスカーでは伝統の連接台車を使用し、カーブにおける乗り心地の向上を図っている
車両は全て普通車だが、3号車及び8号車には4名用のサルーン個室を設け、グループでの利用に配慮している。

その特徴的なデザインやインパクトは日本のみならず世界からも注目され、2005年度に「グッドデザイン賞」、2006年度に「第49回ブルーリボン賞」、香港デザインセンター主催「アジアデザイン大賞」、2007年度にドイツ・ハノーバー工業デザイン協会主催「iFデザイン賞」など、多くを受賞している。

現在は10両編成2本が在籍し、「スーパーはこね」「はこね」専業で活躍。このほか、「ホームウェイ」として他「ロマンスカー」車両の代走で唐木田にも顔を出したことがある。

座席カバーには目立たないながらも「VSE」のロゴがさりげなくあしらわれています。

>>次は「車内設備」編です。クリックしてください。

項目

  • 座席
  • 車内設備
HOME > 鉄道・バス車内写真 > 私鉄 > 小田急電鉄50000形「VSE」

  • ホーム
    Home
  • 鉄道・バス車内写真
    Train Interior
  • 電車の写真
    Photos
  • 特集・レポート
    Reports
  • ご案内
    Info
  • メール
    Contact
  • リンク
    Links
copyright(c)2002- Nukezo, All Right Reserved.