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HOME > 鉄道・バス車内写真 > 寝台特急・急行・夜行快速列車 > 583系「きたぐに」

583系「きたぐに」 - 寝台車 編

夜の新潟駅にて。この視点から見ると、583系がいかに背の高い電車かお分かりいただけると思います。

写真だと分かりにくいですが、この車両は実に昭和43年(1968年)から走り続けていることが分かります。写真の車両はクハネ581-29で、吹田総合車両所京都支所のB04編成の新潟方先頭車です。なおこの編成は「きたぐに」の定期運用の終了に伴い、モハネ1ユニットとサロネが抜かれた7両編成になったあとも残存しました。2013年2月で、実に45年選手となる車両だったのですが、その後同年5月にあっけなく廃車になっています。車内外ともに数々の改造を加えられているとはいえ、全国的に見ても、ここまで「大ベテラン」になれた車両は珍しいのではないかと思います。

B寝台

B寝台車の入り口の様子。ドア脇には「寝台券・指定券をご用意ください」の文字が。

車内の様子です。真っ赤なカーテンがまぶしいです。通路はそれなりに広く、中段や上段に上るためのはしごが随所に見られるわりには、そこまでごつごつした雰囲気のない車内です。始発駅では、廊下で浴衣に着替える男性サラリーマンの姿が多く見られました。私も「きたぐに」には何だかんだで3回乗りましたが、B寝台の女性の利用者を見たことがないので、あまり問題ないのでしょう。座席の項目でも触れましたが、女性はどちらかというとグリーン車やA寝台を好む傾向にあったと思います。

カーテンが色違いの車両もあります。私は3回乗車して、奇遇にも3回ともB04編成だったのですが、この編成では偶数号車が赤カーテン、奇数号車が青カーテンとなっていました。他の編成ではどうなっていたのでしょうか。個人的にはこちらの青いカーテンの方が、あまり暑苦しい雰囲気がないのでお気に入りです。

下段寝台の様子です。座席を倒して水平にしていますが、上にマットが敷かれているので座面のデコボコは気になりません。
2人がけのボックス席の横幅をいっぱいに使った寝台は、B寝台の中では群を抜く広さです。いわゆる「ブルートレイン」と呼ばれる車両のB寝台の横幅は700mmですが、こちらは1000mm。ちなみにこの1000mm幅の寝台は、後に紹介する「A寝台」下段と地味〜に同じなのですが、そこは突っ込んではいけないということでしょう。

下段寝台を反対側から。寝台料金は下段が6300円、中・上段が5250円と、若干下段の方が割高です。へヴィーユーザーならまだしも、「きたぐに」に乗るのであれば、大きな窓と広い寝台を独り占めできる下段の利用を、私は自信をもっておすすめしたいと思います。

で、こちらが中段の様子。中段と上段のベッド幅は700mmとなり、これは「ブルートレイン」のそれと同じです。
見ていただいてお分かりかと思いますが、スペースは左右、上下ともに非常に狭く、本当に「寝る」だけの空間です。身体を起こすことすらできません。また、荷物を置く場所もないため、大荷物の場合は置き場所にかなり困ります。
中段と上段に共通した話ですが、窓が非常に小さくなっており、「のぞき窓」のような雰囲気になっています。そのため、朝起きてからの景色は望めません。

上段寝台です。天井が曲がっているので、中段以上に狭苦しい空間となっています。ちなみに上段は床面から2m近く高いところにあるので、高所恐怖症の方にはおすすめできません。
そういえばこの「きたぐに」に乗車した際、私の隣の寝台にいた年配の男性は、「上段は狭いけど、昔若いころは出張でよく乗った。あんなところだけど、横になって眠れるだけでありがたかった」と言っていました。本当に今の基準からしたら、まさしく考えられない狭さですが、この車両がデビューした高度経済成長期に、出張の時につかの間の休息をここで得た、いわゆる「モーレツ社員」の方も多かったのでしょう。

中段と上段の窓です。デフォルトでは右のように閉められており、自分であける形になります。

下段寝台の窓際のテーブルには、鉄道の世界では今や絶滅危惧種となった「栓抜き」も健在です。

入ってすぐのところには、主に中段と上段の利用者向けか、このような荷物置き場と思しきスペースがあります。もっとも、これだけで足りるのかどうかは疑問です。

各カーテンには、見ての通り「換気用」の穴があります。外すにはマジックテープを剥がします。中に空気がこもりがちな寝台ならではの設備と言えそうですが、他の583系や寝台列車では見たことがなく、どうも「きたぐに」唯一の設備だったようです。

天井を見上げます。

中段・上段へ至る階段の様子。中段から上段への階段がかなり狭くなっており、登るだけでかなり注意を要します。また走っている間はそれなりに揺れるので、特に消灯後はなるべく寝台から出ない方が無難ではないかと思います。

B寝台「パン下」区画

さて、583系の寝台の中でもいわば「名物」だったのが、この通称「パン下」です。583系の電動車のうち、パンタグラフがついている車両は、その部分だけ屋根が低くなっていました。そのため、パンタグラフの真下は上段の寝台が設置できず、下段と中段の2段のみだったわけですが、その「パンタグラフ下」の中段は、他の中段寝台と比べて上下幅にかなり余裕がありました。上下幅だけを取れば下段よりも余裕がある寝台を、割安な中段の寝台料金で利用できるということで、知る人ぞ知る区画になっていました。「パン下」の中段は、定期時代の「きたぐに」では、8号車のわずか6席のみ、臨時化されても2号車と5号車の12席のみのプレミア空間です。
写真を見ていただくと分かりますが、手前から奥に向かって、天井が妙に低くなっているのがお分かりいただけるかと思います。また、寝台もその部分だけ2段しかないことが分かります。

そしてその「パン下中段」の様子。写真を見るだけでも、上下幅に大幅な余裕があることが分かります。先ほどの「B寝台」の中段寝台と比べて見ていただければ、「パン下」の人気の秘密がお分かりいただけるのではないでしょうか。

A寝台

A寝台の様子です。「きたぐに」のA寝台は「日本海」のそれと並んで、日本で最後の「開放式A寝台」でしたが、2012年3月のダイヤ改正でどちらも引退しました。現在、このA寝台はすでに廃車されています。定期列車時代は7号車に連結されていました。
なお、手前は喫煙コーナーとして使用されていました。

A寝台下段の様子です。A寝台は2段寝台で上下幅にかなりの余裕があるほか、スリッパが使い捨ての紙製であるなどの差別化が図られていますが、それ以外、B寝台の下段と違いがあるかと言われたら即座には見つけられないような設備でした。寝台幅もB寝台下段と同じ1000mmであり、B寝台とA寝台との3000円ほどの価格差は、実質は広い上下幅に対するエクストラチャージであった感は否めません。
583系には、製造当初からA寝台として製造された車両はありませんでした。元々、昼間も夜も使える車両の583系は、A寝台の車両を作ると、昼間はその車両をグリーン車として使わなければならず、「寝台」と「グリーン車の設備」を両立できる方策がなかったためだそうです。583系が「きたぐに」に導入された際、同列車にA寝台の需要が大きかったことから改造されて登場したそうですが、改造された元の車両がB寝台だった以上、あまり「A寝台ならではの設備」がないのは、ある意味仕方なかったのかもしれません。

項目

  • 座席車両 編
  • 寝台車両 編
  • 字幕 編

撮影日時・場所

撮影日:2012年2月22日〜23日
撮影場所:新潟駅・直江津駅 「きたぐに」号 車内

「きたぐに」概説

大阪〜新潟間を結んでいた寝台急行。583系の最後の定期運用として知られていた。定期列車時代は、A寝台1両、B寝台4両、グリーン車1両、普通車自由席4両の10両編成で運行されていた。

2012年3月のダイヤ改正で臨時列車に格下げされ臨時列車となって以降は、グリーン車1両、B寝台6両の7両編成で運行。2013年1月7日を最後に臨時列車としても廃止された。

車両概説

デビュー年:1968年10月

583系は、昼は座席車、夜は寝台車として使えたらという発想のもとに開発された581系の50、60Hz対応版。581系は60Hzのみ対応だったが、581系のような車両を東北地方でも運転するにあたり登場した。

車内は座席時はクロスシートとなっているが、夜は座席を倒すなどをして寝台に出来る構造となっている。登場時はB寝台車ながらA寝台並みの広さがあるとして人気を集めた。

しかし、1980年ごろから新幹線の開業や航空機の発達に伴って、夜行寝台列車自体が減らされるようになった他、昼間時のクロスシートなど、設備にも見劣りが出てくるようになったため、徐々に数を減らした。またローカル線での普通列車用として、419系や715系に改造された車両も存在する。

最後の定期運用だった「きたぐに」の廃止後は、JR東日本に臨時列車・イベント列車用として6両編成1本が在籍するのみとなっている。

寝台を反対から見てみます。ちなみに上段寝台の幅は900mmでした。

項目

  • 座席車両 編
  • 寝台車両 編
  • 字幕 編
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