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HOME > 鉄道・バス車内写真 > 寝台特急・急行・夜行快速列車 > 14系・24系「はまなす」

14系・24系「はまなす」 - 4号車 カーペットカー

青森から青函トンネルを抜けて札幌までを結んでいた夜行急行列車が、この急行「はまなす」です。そこそこ旅客の流動がある青森と札幌の間を結ぶこと、また“海峡”を挟むことからライバルとなる交通機関がほぼなかったことも幸いして、他の夜行列車が軒並み姿を消していく中で、長年生きながらえてきました。
この列車の特徴として、B寝台、カーペット車、指定席、自由席の4クラスを備えていたこと。逆にそれが幅広い利用者層に受け入れられ、いつ乗っても混雑している人気列車としての地位を維持し続けた、ということなのでしょう。しかし、2016年の北海道新幹線開業に伴い、「はまなす」の歴史もついに終焉を迎えることとなりました。このページでは、そんな「はまなす」の車内を詳しく見ていくことにしましょう。
写真は札幌〜函館を牽引するDD51。普段は単機での牽引ですが、多客期などに編成が膨れ上がった時は重連で牽引することもあったそうです。

最後尾をご覧いただきます。「はまなす」は、かつて全国を駆け巡った14系座席車の最後の定期運用列車でした。
「最後の定期急行列車」「最後の客車夜行列車」「最後の寝台急行列車」「最後の国鉄型寝台列車」「最後の14系定期運用列車」など、ここまで「最後」の冠を得ることになった列車もなかなか珍しいのではないでしょうか。

テールマークのアップ。イエローをベースに、ハマナスの花があしらわれたかわいらしいデザインです。

4号車 カーペットカー(指定席) 車体

まずは、「はまなす」で不動の人気を誇っていたと言っても過言ではない「カーペットカー」を見ていきます。写真はその車体の様子。元々は14系座席車だった車両を改造してデビューした車両ですが、片側は見ての通り、窓の配置が完全に変わっています。小窓がゴツゴツと並ぶ雰囲気は、どこか「不気味」な感じすらしますねぇ。

で、カーペットカーのもう片側はこんな感じ。こちら側は通路となっているため車体側面も特にいじられておらず、座席車時代の面影をよく残しています。
車体側面には、伸びに伸びきった犬をあしらった「のびのびカーペット」のロゴが。いろいろツッコミどころ満載なロゴですが(笑)、このロゴも「はまなす」の廃止とともに見納めとなりました。

4号車 カーペットカー(指定席) 車内

さてようやく車内です。通路が片側に寄せられ、カーペット敷きの区画がズラッと展開しています。カーペットの区切りが「1席」の扱いになっており、寝台料金のいらない「座席」の中では破格の設備です。「カーペットの上に横になることができ、寝台料金のいらない座席扱い」の設備というと、今の時代は「サンライズ出雲」などの「ノビノビ座席」が有名ですが、このカーペットカーはそのはしりと言えるでしょう。
このカーペットカーは二段式となっており、2階席はもはや「寝台」と同レベルのプライベート空間ということで、ただでさえ好評なカーペットカーの中でも、特に人気のある区画でした。

1階カーペット席の様子。各区画には毛布・枕・ハンガー(あと通路にスリッパ)がセットされており、寝具だけを取れば(座席扱いながら)B寝台にも劣らないサービスが提供されていました。各区画は頭の部分だけがカーテンで区切られており、視覚上は一人の空間が出来上がるようになっています。
もっとも、カーペットの下は単なる「床」なので、横になった感は間違いなく「固い」です。また、見た目はそれぞれの区画が明確になっているように見えますが、実際にゴロ寝すると意外に隣の区画を侵犯しやすいのも残念なところ。寝相の悪い方は特に注意が必要そうですねぇ。

正面から撮影してみました。各区画には天井部分に読書灯がついているほか、窓下の部分には、足を投げ出して座る時によっかかる時用のクッションが設けられているのが特徴です。一応「座席」なので着座での利用を想定した設備もある、というわけです(笑)。

読書灯のアップ。けっこう明るい上に、仕切りのカーテンは意外に光を通しやすいので、車内減灯後はこちらも消した方が無難な気がします。

このカーペット、実は「ホットカーペット」になっており、温度も7段階で設定可能です。温まるまでにやや時間がかかりますが、これのおかげでぬくぬくと毛布にくるまることができるので、真冬で冷えた身体には本当にありがたい設備でした。
ちなみにこのホットカーペット、夜間の消灯中は元電源が切れてしまうので使用できません。つまり、もっとも車内が冷え込む夜半には使えないわけです。何か本末転倒な気もしますが火災予防などの理由があるのでしょう。ともあれ、消灯前になるべく毛布を温めておくと、寝るときに幸せになれます(笑)。
なお、このカーペットは冬場限定で、夏場はカーペット自体が取り外されています。

階段脇の区画には、階段下のスペースを使った小さな荷物置き場が備わります。深夜に上段の利用者が上り下りしてごそごそするのを我慢できれば、多少はカーペットを広々使える区画でしょう。もっとも横・縦ともにそんなに幅がないので、キャリーケースなどはまず置けませんが…(笑)。
ちなみにその荷物置き場の脇にある銀色のカバーの下にはコンセントが隠れていますが、清掃など業務用のもので利用者向けではありません。しかし、最近はこのコンセントの存在を知っている人もいるようで、私が乗った時も何人かスマホの充電をしている人を見かけました。車掌の方は特に何も言っていなかったところをみると、あくまで「利用するなら瞬間停電などのリスクは承知の上で自己責任で」ということで利用黙認となっているものと思われます。

4号車 カーペットカー(指定席) 2階席

続いて2階席の様子を見ていきます。2階席は線路と並行に8区画が設けられており、高めの仕切りが設けられていることからちょっとした個室感覚を味わえるスペースとして、絶大なる人気を誇ってきました。
カーテンなどの仕切りは特にありませんが、照明からはやや離れた場所にあるのでそこまで眩しいこともありませんし、そうでなくても消灯後はかなり暗くなるのでほとんど気になりません。
ちなみに一部ページではこの区画を「上段」として紹介しているサイトがありますが、当サイトではカーペットカーの指定席券に記載される表記に合わせて「2階」に統一します。

というわけで2階席の全景です。横幅はB寝台とほぼ同じ水準が確保されているだけでなく、1階席のように隣の人と干渉する心配もないので、横になった感覚は完全に一人の空間です。逆に起き上がっていると、向かい側の人と目が合ってしまい微妙に気まずいですが(笑)、「はまなす」は出発時間も遅いですし、実際動き出せばすぐに寝る人がほとんどなのでそこまで気になるほどのものではありません。

せっかくなので寝具を展開した状態の写真も紹介しておきます。元々B寝台用の設備をそのまま流用したのかは知りませんが、カーペット席の幅と微妙に合致していません(笑)。

2階部分の読書灯をアップで撮影してみました。写真では分かりにくいですが、電源ボタン部分はかなり動きがぎこちなくなっており、年季を感じました。

枕側には小窓がついており、カーテンを開ければ寝そべったまま景色を見ることができます。私が乗ったのは冬場だったので窓の景色はほとんど真っ暗闇でしたが、夏場であれば多少は景色が望めたのでしょうねぇ。

何気なく毛布カバーを剥いでみてビックリ。なんと「北斗星」「JR北海道」のロゴが入った毛布がいまだに使われています。
元々「北斗星」で使っていたものを「はまなす」に転用したのか、あるいは元から共用されていたのかは知りませんが、いまはなき「北斗星」のロゴが入った本当に貴重な毛布です。運が良ければこのロゴ入りのものが入っているそうなので、乗車した時はよく見てみてください(笑)。

4号車 カーペットカー(指定席) 車端部区画

車端部の区画は、構造の関係で階段が1席専用となっており、またスペースが奥まで張り出していることから、プライバシー性が非常に高くなる区画として有名です。座席番号で言うと21番と28番が該当しますが、21番は女性専用の区画となっているため、男性の場合は28番が唯一ということになります。
写真がその様子。細かいことですが、この区画のみ、階段手すりが壁際のみに設けられています。この階段を上がろうとした拍子に足を踏み外して、1階席で寝ている人の上にダイブ…ということはまずないでしょうが(笑)、他の階段は両方に手すりがあるだけに、なぜにここだけこうなっているのかは気になるところです。

でその区画の様子。通路側からは顔が全く見えず、写真左は機器室の関係で完全な「壁」があるという、プライバシー性の高さは下手したらB寝台に劣らないのではというほどの区画でした。そのため、「はまなす」の中ではプラチナチケット中のプラチナチケットとして常に人気がありましたが、メインで人気だったのは男女共用の28番だけだったようで、女性専用の21番は私が廃止間近に乗車した時も終点まで空席でした。勿体無い…(苦笑)。
写真は女性専用区画となる21番。一応、撮影にあたっては発車前に通りかかった車掌の方に許可&立ち会いをいただいています。念のため。

2階席への階段

2階席への階段はこんな感じ。手すりのようなものがついてはいますが、かなり高い位置にあるためどうも使いにくいです。視覚的な区切りの意味合いが大きそうですねぇ。

足元にはフットライトが備わります。こちらは車内の減灯中も点灯しています。

4号車 カーペットカー(指定席) 車内設備

天井の様子。カーペットカーへの改装に伴って、照明器具が一部移設されているものの、飾り気のない「国鉄型車両らしさ」は健在でした。

天井にはなぜか空気清浄器のようなものが設けられています。このカーペットカー、当然ですが靴を脱いで利用します。そのため、特に夏場に一日中活動して疲れた足を投げ出す人が多い時は、車内に「足の臭い」が漂うことがたまにあるそうで、そのための対策だったと伝え聞いたことがあるのですが、実際のところはどうなのでしょうか(笑)。ちなみに、私が取材した冬場も稼働していました。

通路の様子。左手にある銀色のカバーはヒーターです。

4号車 更衣室

カーペットカーのデッキ部分にはドアで区切られた更衣室が設けられており、利用者は自由に使えます。鍵がかかるほか、写真にはないものの姿見用の鏡も設けられています。

項目

  • カーペットカー
  • B寝台
  • ドリームカー・自由席

撮影日時・場所

撮影日:2016年2月18日
撮影場所:「はまなす」 車内

「はまなす」概説

札幌〜青森を結ぶ夜行急行。B寝台、カーペットカー、普通席と、多数の設備を連結しているのが特徴。
札幌〜青森は8時間程度で結ばれている。ダイヤは各方面への乗り継ぎも考慮されたダイヤとなっているほか、競合となる交通機関がほぼなかったことから利用率が非常に高かったが、北海道新幹線の開業に伴い2016年3月ダイヤ改正で廃止となった。

車両概説

デビュー年:1988年(列車)

波動輸送用として1970年代に登場。編成の組成を柔軟にするため、床下電源方式といって、電源装置を何両かに分散して配置するタイプを採用した。わずか2年の間に300両あまりが製造された。

最後の定期運用はJR北海道の「はまなす」のみだったが、それも2016年で廃止となった。現在はJR北海道のほかJR西日本(サロンカーなにわ)とJR四国(休車中)に僅かに残るのみとなっている。

おまけ

カーペットカー2階席からの夜明けの風景。窓の外がビル街になってくると、まもなく終点札幌駅に到着です。

>>続いてB寝台を見ていきます。

項目

  • カーペットカー
  • B寝台
  • ドリームカー・自由席
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