24系「岩泉CYMBALS ブルートレイン日本海」 B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備 編

目次

A寝台
A寝台 洗面台・トイレ・車内設備
B寝台
B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備
館内設備
「ブルートレイン日本海」へのアクセス

24系「岩泉CYMBALS ブルートレイン日本海」 B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備 編

※ 旧「ふれあいらんど岩泉」

夕暮れの時間帯のカット。

後部標識(尾灯)は、夕方になると自動的に点灯するようです。ぼんやり光る室内灯といい、窓からのぞく寝台といい、やはりブルートレインは夕方~夜が“絵になる”ように感じます。

モケット

(左)洗面台 床 (中)洗面台カーテン (右)車掌室モケット

撮影日時・場所

撮影日:2025年7月3~4日

撮影場所:岩泉CYMBALS 「ブルートレイン日本海」 車内

備考

特にありません。

B寝台 – デッキ

このページでは、B寝台の寝台以外の設備を見ていきます。まずはデッキの全景を2アングルから。

こちらも例によって「玄関」的なスペースに改装されており、元ゴミ箱と反対側のドア前には下駄箱スノコが設置されています。(左/上)。

ドア脇の表記類(左/上)と、デッキ・客室の仕切扉をデッキ側から見た様子(右/下)。

窓の「自動ドア」の表記が時代を感じます。これは24系のデビュー当時、まだ手動開閉式ドアの客車がまとまって残っていたころの名残です(→「備考」も参照)

【備考:国鉄型客車の自動ドア事情】

国鉄型の客車では12系(1969年デビュー)から自動ドアが導入されています。

それ以前の客車はすべて手動ドアであり、「走るホテル」と評された20系も(閉まった状態に限り、遠隔でロックをかけられる機構はあったものの)手動でした。

配電盤のランプ類(左/上)と、室内灯のスイッチ(右/下)。

室内灯のスイッチは利用者で設定でき、「就寝」が減光、「切」が全消灯、「ON」が全点灯となります。

車掌室(メイン)

続いて車掌室を見ていきます。車掌室のある客車最後尾を2アングルから。

車掌室は左右に1部屋ずつあります。

車掌室の全景(左/上)と、天井部分の様子(右/下)。

放送装置やオルゴールは保存に伴って撤去されており、現在は非常用の電話やWi-FI機器など設置されています。

【備考:「車掌室」の呼称について】

車掌室は左右で2部屋ありますが、当サイトでは便宜上、案内放送用のマイクや行先設定器がある側(上写真)「車掌室(メイン)」、ない側を「車掌室(サブ)」と表記します。

各種スイッチ・NFB(ノーヒューズブレーカー)類(左/上)と行先表示対照表(右/下)の様子。

行先表示の対照表は、この車両の最末期の運用に必要だった「日本海」「あけぼの」を除き、表上は全て空欄となっています。

しかし、現役時代に見た幕回しでは「はくつる」などの幕も確認できただけに、実際のところはどんな幕が入っているのか興味深いところです。

車掌室(サブ)

続いて、もう一方の車掌室(緩急車側に向かって右側)の全景(左/上)と、窓・テーブルを展開した様子(右/下)。

先に紹介した部屋に比べると、ドア操作用のスイッチがある程度の簡素な作りになっています。こちらは「サブ」のような位置付けなのでしょう。

車掌用の非常ブレーキ(左/上)と、ドアスイッチまわりの様子(右/下)。

「他」「これ」の表記だけでは分かりにくかったからか、下に「全車」「自車」とテプラで追記されているのが面白いところです。

【私の思い出話:珍しいドアスイッチ?】

私の宿泊時、興味深げにこの「ブルートレイン日本海」を眺めていた親子がいたので私の泊まっていた車両を案内したところ、子どもさんが「このドアスイッチは珍しい」と言ってしきりに写真を撮っていました。

私は「内装」が好きとはいえ、ドアスイッチに関してはさっぱりなのですが、これは珍しいものなのでしょうか(笑)。どなたかご存知の方、ぜひご教示いただければと思います。

洗面台

続いて、B寝台の洗面台・トイレを見ていきます。デッキ部分の全景(左/上)と天井(右/下)。

こちらも現役時代と比較して、消火器が床置きになっていること、天井部分に火災探知機や防犯カメラが設けられている程度の違いしかありません。トイレはやはり使用不可となっていました。

洗面台の全景(左/上)と、シンク部分のアップ(右/下)。

洗面台は基本的にはそのままですが、水道の蛇口部分が移設に伴って交換されました。現役時代は温度調節機能つきで温水にも対応していたのですが、現在は冷水のみになっています。

蛇口のアップ(左/上)と、水量計の様子(右/下)。

トイレ

トイレを通路側から見た様子(左/上)と、引き戸ドアのトイレ内部(右/下)。

トイレは2か所ありますが、ドアは引き戸・折り戸の2パターンが存在。スペースの関係によるものと思われ、便器そのものも引き戸のほうはレールに平行・折り戸の方はレールと垂直と、向きが異なっています。

折り戸ドアのトイレ内部(左/上)と、使い方の表記類(右/下)。

その他

車内の「清掃済票」(左/上)と貫通扉(右/下)の様子。

「清掃済票」によると、2013年2月14日にエクスミン乳剤なるものにより清掃を行ったようです。同車はそれから1か月後の2013年3月19日に、鉄道車両としては廃車されました。

(おまけ)ゴロンとシートのロゴ類

先頭の車両(オハネフ25 121)はかつて「ゴロンとシート」として使用されていた車両だったため、車体・仕切り扉部分にロゴが貼られています。

「日本海」にゴロンとシートの設定はなかったため、現役時代は「あけぼの」で使用されていた車両なのでしょう。「ゴロンとシート」のシール・表記類は、この「ふれあいらんど岩泉」が唯一の生き残りです。

【備考:「ゴロンとシート」とは】

そもそも「ゴロンとシート」のデビューは、東北方面へのブルートレインへのテコ入れとして2002年に「あけぼの」に期間限定で設定された時にさかのぼります。

あわせて「ゴロンとシート東京往復きっぷ」などといった企画乗車券も発売し、高速バスや新幹線に押されがちだったブルートレインの売り込みを図ったものでした。

結果、開始から満席続きと大ヒットし、そのまま定期化。若い人の利用も多く、私が実際に「あけぼの」に乗車した時も「ゴロンとシート」だけ妙ににぎやかだった記憶があります。

ちなみに、あとに設定された女性専用の「レディースゴロンとシート」も好調な利用率だったとのこと。当時から衰退著しかったブルートレインで久々の、そして最後の“明るい話題”でした。

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A寝台
A寝台 洗面台・トイレ・車内設備
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B寝台 デッキ・車掌室・その他車内設備
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「ブルートレイン日本海」へのアクセス

概説

デビュー年:2014年8月(ふれあいらんど岩泉での営業開始)

「ブルートレイン日本海」とは、岩手県内・岩泉に存在する「岩泉CYMBALS」の宿泊施設の一つ。元々「日本海」「あけぼの」などで使用されていた寝台車3両を譲り受け、2014年8月から「ふれあいらんど岩泉」の一施設として営業を開始。改装工事を経て2025年から「岩泉CYMBALS(シンバルズ)」の一施設となっている。

編成は3両で、開放型B寝台2両と開放型A寝台1両で構成。宿泊に使用される車両の設備は現役当時からほぼ変わっておらず、洗面台も一部を除きそのまま利用可能。毛布、シーツは宿泊料金に含まれている。

宿泊時は、岩泉CYMBALS敷地内のレストラン「りゅうのこ」にてディナー・ランチが利用可能(ディナーは8,000円~)。但しディナーは3日前までに事前予約が必要。

宿泊予約の受付は電話のみで、A寝台は1ベッドまたは1両貸切、B寝台は1両貸切での予約となる。A寝台は1ベッド3,500~4,500円・1両貸切が35,000~38,000円、B寝台は1両貸切が10名まで21,000~22,000円・11~28名まで42,000~44,000円。支払はクレジットカードや各種QR決済が使用可能。

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