113系「京都地区」
首都圏では引退して久しい113系ですが、JR西日本では現在も少数ながら現役で活躍しています。写真は主に京都地区で使用されている編成。かつては湘南色を纏っていましたが、2010年代の塗色変更により現在は緑一色のこざっぱりした塗色となっています。
主に湖西線や草津線などで長年活躍してきた同車ですが、この編成も先行きは決して明るくなさそうです。ダイヤ改正のたびに運用が減っており、最近では事実上休車状態の編成も少なくないとのこと。乗車や記録は早めにしておいたほうが良さそうです。
さて、写真は近江舞子駅で発車待ちの様子。さっそく車内を見ていきましょう。
モケット
(左)座席 (中)床 (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2017年6月14日
撮影場所:湖西線 近江今津駅 車内
備考
※ トイレは撮影した編成が故障中だったことから当サイトでは現在掲載しておりません。撮影でき次第の公開となります。
車内全景
JR西日本の113系で現在も残っている編成は、大半が何らかのリニューアル改造を受けており、多くの編成は223系に準じた転換クロスシートの内装となっています。しかし、昔ながらのクロスシートを残した編成もごく一部に残存しており、写真がその車内の様子です。
座席のモケット、貫通扉の交換、半自動ドアスイッチの設置こそ行われていますが、それ以外はデビュー当時から大きく変わったと思われる点はありません。塗装された荷物棚のポール、文字通りの“網棚”など、国鉄時代のテイストが随所に見受けられるのが面白いところです。
座席
座席の様子。セミクロスシート(左/上)とドア脇のロングシート(右/下)になります。
座席のモケットは焦茶色系に交換されていますが、内部の詰め物は昔のままらしく、腰掛けたときに「バフッ」と音が出るあの心地はそのままです(苦笑)。
細かいところですが、窓際の小テーブルが現在も残っています。車両によって窓枠が交換された菜にテーブルごと撤去されたと思われる例もあり、けっこう編成・車両による“個体差”が大きいようです。
車端部
車端部の様子。車端部のロングシートは3人がけとなっています。
ボックス席は他の区画と大きな違いはありませんが、貫通扉がある関係で車端側の座席は他のそれより、やや小ぶりになっているのが特徴です。
で、優先席区画の様子。優先席のピクトグラムが入った座席カバーがかかっているほかは一般席区画と大差はありません。
運転台直後の区画
運転台直後の区画の様子。運転台の張り出しがある関係で、写真左は2人がけ、右は3人がけになっているのが特徴です。
各種車内設備
天井の様子(左/上)と床面・通路の様子(右/下)。天井周りは大きく変わった点はなく、デビュー当時からこんな感じなのでしょう。反面、床材はブラウン系に交換されていますが、随所に補修された形跡が見受けられます。
網棚(左/上)とドア間の洋服かけ(右/下)の様子。網棚の周囲が白く塗装されていたり、コートかけが113系の初期車に見られる細いタイプなど、「国鉄テイスト」が色濃く残っています。
ドア
ドアの様子。ドアは半自動化されており、ドア脇に開閉ボタンも増設してあります。ただ、ドア本体にはなぜか手で開ける用と思われる「手かけ」が。これは「半自動(開閉はボタン)」と「半自動(開閉は手動)」どちらにも対応しているということなのでしょうか。
概説
デビュー年:1964年(車両)
80系と153系では対応しきれなくなった東海道本線の東京口の大混雑を緩和しようと開発された。当初は111系と呼ばれる車両が登場したが、あとに111系の出力増強型として113系が登場している。
湖西線用の700番台、横須賀線地下駅対応の1000番台、シートピッチ拡大車1500・2000・2700番台などと番台区分は多岐に渡る。