目次
・フリースペース・共用設備
117系7000番台「WEST EXPRESS銀河」フリースペース・共用設備


「WEST EXPRESS銀河」のヘッドマーク(左)と、京都駅での乗車口案内の様子(右/下)。
京都駅において、山陽・山陰コースの発車番線は31番線となっており、ホーム上にはこのような乗車口案内が貼られています。31番線は嵯峨野線のホームですが、山陰コースだけでなく山陽コースもこの31番線からの発車なので注意しましょう。
モケット



(左)座席面 (中)ベッド面 (右)カーペット
撮影日時・場所
撮影日:2024年12月
撮影場所:柳井駅・大阪駅 車内ほか
備考
取材時に乗車した列車が夜行便だったため、当ページでは夜行運転時の様子を紹介します。
4号車 ラウンジ「遊星」


当ページでは、フリースペースその他共用設備を一気に見ていきます。まずは4号車のフリースペース「遊星」から。
1両まるごとフリースペースとなっており、一部の「おもてなし」はこちらで行われています。ちなみに「遊星」の英語表記はズバリ「YOU SAY」。いや、発音は確かにそうですけども…(苦笑)。
4号車 ラウンジ「遊星」 車内

「遊星」の全景。
車内はカウンタースペースとボックス席4区画、ベンチを設けたラウンジ然とした空間です。取材したのが山陽コースのため、車内には柳井市の伝統工芸品である金魚ちょうちんが随所に飾られていました。
なお、この「遊星」は深夜帯も消灯されません。消灯後も眠れない方、話したい方、一晩中飲み明かしたい方などはこちらを利用すると良さそうです。


反対方向から見た様子(左/上)と天井の様子(右/下)。
ボックス席は大型のテーブルを併設しており、表面にはチェス・将棋・囲碁などのボードゲーム盤面が印字されています。天井は窓上から照らす間接照明とスポットライトを併用したもので、やはりラインデリア(天井を貫く2本の吹出口)を除いて改造前時代の面影はほとんどありません。
4号車 ラウンジ「遊星」 ボックス席


ボックス席(左/上)と、コンセントの様子(右/下)。
テーブルには将棋や囲碁・チェスなどに使えるボードゲーム盤面が印字されており、駒を持ち込めば車内で対戦できます。利用者同士のコミュニケーションのきっかけに、ということのようですが…私の取材時は、主に飲み明かしたい方々が単なる大型テーブルとして活用している光景しか見かけませんでした(苦笑)。
話が脱線しかけましたが、この手のフリースペースにしては珍しくコンセントがあるのが特徴です。


変わってベンチの様子。
丸型ベンチと丸座布団の組み合わせは、見た目にもおしゃれに感じます。座布団のないエリアはパンフレットなどの置き場となっているほか、時間帯によってはVR体験用のVR機器・記念撮影用のフォトフレームが置いてあることもありました(→「備考」も参照)。
【備考:「遊星」のベンチ事情】
ベンチ脇のパンフレット置き場はあとから設置されたもので、運行開始当初はこのスペースにも座布団が置いてありました。
このベンチは見ての通り、外側に向かって座ることを想定したものです。しかし、これは寡聞ではありますが
「中央の丸テーブルをかこんで座ってしまうグループ」
がちらほらいたらしく、一部をパンフレット置き場に転用・中央丸テーブルは特産品の展示スペースにした…という経緯があるようです。
確かに言われてみればそう見えないこともないスペースですが…(苦笑)。ともあれ、現在は写真のように「外側に向かって座ってね」が分かりやすくなっており、当初のような懸念はなくりました。
4号車 ラウンジ「遊星」 カウンター


カウンタースペースの全景(左/上)と、係員側のアップ(右/下)。
下り山陽コースの発車後は、担当車掌の方がここで記念撮影・乗客の案内に当たられていたほか、翌朝はVR体験イベントや特産品販売などがここで行われていました。奥はゴミ箱となっており、イベントのない時間帯は乗客も利用して良かったようです。
4号車 ラウンジ「遊星」 車内設備


間接照明のアップ(左/上)と、窓間にあしわられた金魚ちょうちんの様子(右/下)。
この金魚ちょうちんは柳井市の伝統工芸品で、「遊星」の随所にあしらわれていました。


ボックス席とベンチの境目部分(左/上)と、窓辺の丸テーブルに置かれた日本酒の展示(右/下)。
この日本酒は、萩市と阿武町にある6つの酒造がつくったもので、国の「地理的表示(GI)」にも指定されているとのこと。写真奥には萩焼も展示されているなど、車内のスペースを活用して沿線の特産品が多数PRされているのが特徴です。乗車時にはぜひ見てみてください。
3号車 フリースペース「明星」


変わって3号車にあるフリースペース「金星」を見ていきます。全景(右/下)と、テーブル周りのアップ(右/下)。
こちらは大型テーブルと7脚の丸椅子があり、休憩のほか食事スペースとしても活用できます。ここでも「金魚ちょうちん」推しが凄いですねぇ(苦笑)。


テーブル上のランタン(左/上)と、隣の展示スペースの様子(右/下)。
展示スペースには、山口リンドウにちなんでリンドウ色(実際は水色に近い)の金魚ちょうちんをあしらったハート形のフォトフレームが展示されていました。
6号車 フリースペース「彗星」


続いて6号車の運転台後ろにある「彗星」の様子。
丸座布団2つとテーブルがあるだけの簡素な空間ですが、こちらはWEST EXPRESS銀河の乗客であればだれでも立入可能です。なお、6号車は山陽・山陰・紀南いずれのコースにおいても、上り大阪・京都方面の先頭車になります。
2・5・6号車 フリースペース


2・5・6号車のドア脇には、写真のようなフリースペースが設置されています。全景(左/上)とベンチ部分のアップ(右/下)。
見ての通り定員は2名。デッキなので走行音は大きく、(特に冬場は)すき間風があり…と居住性は正直なところイマイチですが(苦笑)、フリースペースの充実はWEST EXPRESS銀河の長所と言えそうです。
2号車 女性用更衣室
※ 本区画は女性用エリアです。撮影にあたっては乗務員の方に事前に許可をいただき、終着駅到着後に撮影しています。


2号車には女性用更衣室が2部屋設けられています。全景(左/上)と、ハンガーの様子(右/下)。
更衣室というよりはパウダールームのような雰囲気で、一見では電車の中とは思えないほどおしゃれな空間に仕上がっているように感じます。


パウダールーム内の設備(左/上)と、丸椅子のアップ(右/下)。
鏡下のコンセントは最大出力が15Aになっており、ドライヤーにも対応可能です。2号車は運行開始当初「女性専用車」となっていたためか(→「備考」も参照)、このパウダールームなど女性向けの設備が多く導入されているのが特徴です。
【備考:WEST EXPRESS銀河の女性専用車事情】
WEST EXPRESS銀河の2号車(指定席)は運行開始当初、全席が女性専用でした。
ただ、あとに5A~7D席までは男性向けにも開放されるようになり、2025年2月現在は2号車の1A~4D席までが女性専用エリアとなっています。
1・2・4・6号車 洗面台


最後に、洗面台やトイレなど「水回り」を一気に見ていきます。まずは洗面台。全景(左/上)と、シンクのアップです(右/下)。
鏡の左右から白いライトで照らす清潔感のあるデザインで、洗顔などを想定してかシンクもかなり大きめに取られています。
1・2・4・6号車 トイレ


続いてトイレの様子。
トイレは全て洋式化され、便座にはウォームレットが導入されています。また、赤ちゃん用の椅子や着替え用の台(右/下)も設置されており、現代の長距離列車のトイレでよく見かける設備は一通り揃っています。もっとも、スペースはやや狭いですが…(苦笑)。
1・2・4・6号車 男子小用トイレ


男子小用トイレの全景(左/上)と、手洗い台のアップ(右/下)。
5号車 車いす対応トイレ


車いす対応のクシェットを備える5号車は、トイレ・洗面台も車いす対応になっています。トイレ外側(左/上)と、内側(右/下)のそれぞれ全景。
トイレを車両の片側に寄せて、通路幅を広くとるのは現代では見慣れたデザインです。


トイレ内部の様子(左/上)と、チェンジングボード・ベビーベッドなどの展開状態(右/下)。
このトイレには、WEST EXPRESS銀河のトイレとしては唯一ベビーベッドが設置されており、子連れでの利用にも対応しています。
5号車 車いす対応洗面台


車いす対応の洗面台(左/上)と、シンク周りのアップ(右/下)。
基本的な作りは同一ですが、車いすの取り回しを考慮して入口が幅広の設計になっています。
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目次
・ラウンジ共用設備
概説
デビュー年:2020年(WEST EXPRESS銀河としてのデビュー)
JR西日本が経営計画に掲げていた、「観光を通じた西日本エリアの活性化」の取り組みの一環として2020年にデビュー。
内装や仕様は「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、さまざまな座席や設備を備えた車両に(=多様性)、比較的低価格で気軽に乗車できる(=カジュアル)、快適性の高い内装を持つ列車(=くつろぎ)として開発された。
編成は6両。1号車のファーストシートと6号車のプレミアルームはグリーン車扱いとなっているが、その他は全て普通車。2・5号車にかつてのB寝台然としたクシェットを備えるが、こちらも普通車指定席(ノビノビ座席)扱いとなっている。
このため、一部のサイトや文献などでこのWEST EXPRESSが「寝台列車」として扱われる場合もあるが、あくまで発売区分は「座席」であり「寝台」ではない。
基本的には京都・大阪を起点に、下関方面(山陽コース)・出雲市方面(山陰コース)、新宮方面(紀南コース)が週2便ほど運行されている。コースは時期により異なるため、最新の運行状況は公式サイトにて要確認。このほか団体列車として、関西空港や四国の琴平へ乗り入れた実績もある。
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