目次
・ロイヤル・ツイン・シングルツイン
・B寝台「Bコンパートメント」
・食堂車・ロビーカー
・食堂車の食事
24系25形「トワイライトエクスプレス」
大阪~札幌までを結んでいた寝台特急「トワイライトエクスプレス」。日本国内では最長距離を結ぶ寝台列車で、乗車時間もほぼ丸一日の21~22時間でした。
「北斗星」運行開始の翌年となる1989年7月にデビューし、2015年3月12日までほぼ定期的に大阪~札幌で運行されていました。引退後は、京都鉄道博物館で保存された4両(あとに3両)を除いて全車が解体されています。
写真は早朝の長岡駅にたたずむトワイライトエクスプレス。本州内は、客車の塗色に合わせた専属のEF81型機関車が牽引しました。
撮影日時・場所
撮影日:2014年1月
撮影場所:「トワイライトエクスプレス」 車内
備考
当ページは、旧「抜け蔵」で公開していた車内写真ページのリメイク版となります。写真の質についてはご容赦ください。
1~2号車 A寝台「ロイヤル」通路


まずは、A寝台の1~2号車から。通路(左/上)とドアの表記類(右/下)。
同車は開放式B寝台からの改造ですが、見ての通り車内は抜本的にリニューアルされており、通路の窓にわずかに“面影”を感じるのみとなっています。
1~2号車 A寝台「ロイヤル」

「ロイヤル」の室内。
基本的な見付は>>「北斗星」のロイヤル(※ユメノバ保存車の項参照)に近いですが、車内の調度品や配置がやや異なるほか、補助ベッドは背もたれを手前にスライドさせるタイプなどの違いがありました。
【おことわり:「ロイヤル」の写真について】
当ページで掲載する写真は、私が記念撮影をお手伝いした方が「お礼代わりに(ロイヤルの撮影)どうですか」とご厚意で撮影させてくださったものです。
私が実際に乗車していない以上、解説はややあっさり目ですがご了承ください。


ベッドの全景(左/上)と、リビングスペースのアップ(右/下)。
北斗星の「ロイヤル」では位置固定の回転ソファですが、こちらは単なる「椅子」です。


テーブル部分(左/上)と、ベッドサイドのコントロールパネル(右/下)。
「ロイヤル」は全席喫煙となっていたため、テーブルにはガラス製の灰皿が設置してありました。


窓まわり(左/上)と、利用者用の紙製スリッパ(右/下)。
スリッパも「Twilight」のロゴが入った専用品が配布されていました。


「ロイヤル」室内の設備類(左/上)とシャワールームの様子(右/下)。
テレビ・オーディオ装置・ドライヤーなどがコンパクトに収まっています。シャワーは20分給湯可能で、共用シャワーの給湯時間が6分だったのを思えば、これも「ロイヤルのステータス」だったのかもしれません。


シャワールーム内の一角はトイレ・洗面台を兼ねています。収納状態(左/上)と展開状態(右/下)。
実際に使う場合は、必要なものを適宜あけて使う形でした。
5~7号車 B寝台 個室 通路


変わって5~7号車に連結されているB寝台個室の廊下です。
こちらも開放型B寝台からの改造ですが、照明や天井部分には改造前の面影がよく残っていました。
5~7号車 B寝台 「シングル」

というわけで「ツイン」の室内の様子。
下段のリビングスペースは、就寝時は背もたれを倒すことでベッドとして使用します。


下段のリビングスペース(左/上)と、上段ベッド(右/下)。
写真内の上段ベッドは格納状態で、使用時は室内のボタン(後述)を押すと50cmほど昇降できる仕組みでした。各部のデザインから、開放型B寝台の昇降装置を流用したものと思われます。


テーブル脇のコントロールパネル・照明類(左/上)と、上段寝台の昇降スイッチ(右/下)。
昇降スイッチは、開放型B寝台時代に通路側にあったものを移設してきたようです。昇降の装置自体が寝台をセットする係員用だったため、「ツイン」のこれは乗客側で操作できる貴重な昇降スイッチでした(→「備考」も参照)。
【備考:寝台昇降装置って?】
B寝台の「自動昇降装置」は、寝台のセットを行う作業員の負担軽減を図って導入されたものです。3段式B寝台の14系14形で初導入され、その後24系24形(3段式)~24系25形(2段式)0番台に水平展開されました。
トワイライトエクスプレスの「ツイン」は全車がこのオハネフ25形0番台からの改造(オハネ25 40・51・67→オハネ125 511~513)であり、改造時に種車の部品を活用したものと思われます。
5~6号車 B寝台 「シングルツイン」

変わって5~6号車の「シングルツイン」の全景。
「シングル」と「ツイン」という相反する単語が並んでいますが、読んで字のごとく「1人でも2人でも使用できる個室」です。
車内は線路と平行にベッドが並んでおり、分かりやすく言うと先ほどの「ツイン」をかなり狭くして配置を変えた感じでしょうか。なお、後年の>>サンライズ出雲・瀬戸の「シングルツイン」も、基本的な構造はトワイライトエクスプレスのそれを継承しています。


下段のソファ(左/上)と、上段ベッド(右/下)。
ソファは昼間はリビングスペースとして使用する関係で、寝具は上段寝台に2人分セットされていました。


照明類・読書灯(左/上)や、鏡・フック類など(右/下)。
7号車 ミニサロン


7号車の大阪寄りにはソファが2脚置かれた「ミニサロン」となっていました。大阪寄り(左/上)と、札幌寄り(右/下)を向いてそれぞれ撮影した様子。
飲料の自動販売機もありましたが、お値段はややお高めだったように記憶しています。


ソファのアップ(左/上)と、マガジンラックなどの様子(右/下)。
マガジンラック脇には、かつて公衆電話があったと思しきテーブルも備わります。
このページは4ページ構成です。次は>>B寝台「Bコンパートメント」 編 です。
目次
・ロイヤル・ツイン・シングルツイン
・B寝台「Bコンパートメント」
・食堂車・ロビーカー
・食堂車の食事
概説
デビュー年:1972年(車両)
寝台列車の主力車両。当初B寝台は3段式で登場したが、その後寝台列車の需要減少や設備改善のために、現在は全てが2段式になっている。
車体構造はその前に登場した14系とほぼ同様だが、1972年11月の北陸トンネル火災事故の教訓をきっかけに、防火対策を強化したほか、電源は集中電源式が使用されている。
24系の中には、サシ481、489などから改造されて食堂車となったもの(北斗星などで使用)、また20系の電源車カヤ21から改造され、24系の電源車となったものもあるが、後者は全車廃車済み。
このページは4ページ構成です。次は>>B寝台「Bコンパートメント」 編 です。


