目次
・スイート(展望席)
・スイート(メゾネット)・デラックス
・ツイン
・コンパート
・ロビーカー・共用設備
・食堂車・食事の写真・その他
E26系「カシオペア」 – 食堂車・食事の写真・その他
このページでは、3号車に連結されている「食堂車」の車内を見ていきます。
撮影日時・場所
撮影日:2013年12月
撮影場所:上野駅 「カシオペア」号 車内
備考
取材した列車で空席だったため、乗務員の許諾・立会をいただいたうえで撮影した写真となります。
3号車 ダイニングカー
食堂へのエントランス部分。
食堂とは何も関係ありませんが、「カシオペアツイン」「共用シャワー」の項で紹介したシャワーカードもこちらで購入できます。そのため、「カシオペア」が始発となる上野駅や札幌駅では、シャワーカードを求める利用者で1階の通路まで長々と列ができていました。
食堂車の車内に入ります。
車内は白・紫・木目調をメインとした色調で、色使いだけを見れば(どちらかと言うと)「ポップ」な印象すら感じるのですが、照明を減らして車内全体を暗くすることでラグジュアリーな雰囲気も同時に演出。「ポップ」「ラグジュアリー」という、二つの相反する概念を両立した車内がそこにあります。
天井部分は「ドーム」のようにも見え、2階建て車両特有の窮屈さは全く感じません。
食堂車の各テーブルは、片側(山側)が一段高い位置に配されています(左/上)。これは、「函館本線内で望める大沼湖を、全ての利用者がゆったり眺められるように」との配慮から導入されたものです。
大沼湖側ではない方のテーブルを一段上げることで、大沼湖と反対側のテーブルに座った人も湖の眺望が楽しめるようになっています。「一段」とは言ってもそれなりに段差があり、実際に着座してみた限りでも「大沼湖」側の利用者の存在はほとんど気になりませんでした。
もっとも「上り上野行き」が大沼湖沿いを走るのは深夜。ゆえに、この構造が本領を発揮するのは、函館本線を朝に走る(=大沼湖が望める)「下り札幌行き」の場合のみでした。
夕食のコース料理 – 和食「懐石御膳」
(左/上)先付け「珍味3点盛り」
(右/下)懐石御膳(→内容は下記参照)
「カシオペア」のディナーは事前予約制となっており、「和食 懐石御膳」「フランス料理フルコース」から選べますが、まずは「和食 懐石御膳」から見ていきます。いずれも2013年12月時点でのメニューとなります。
懐石御膳の“メイン”は(右/下)となっており、これだけの品目がコンパクトに2つにまとめられています。よく見ると昆布が北海道の形をしており、芸の細かさを感じます。
【参考:懐石御膳の内容】
メニュー | 内容 |
---|---|
ご飯 北海道昆布 | 「ホタテの炊き込みご飯」 (北海道の形をした昆布) |
口変わり | 「サーモン味噌漬け焼き」 「いかと鮭の麹和え」 「じゃが芋餅照り焼き」 「有頭海老」 「黒豚味噌漬け焼き」 「手毬サーモン」 「つぶ貝」 「蓮根」 |
組み肴 | 「鳥賊ステーキ」 「帆立醤油焼き」 「市松砧」 |
煮物 | 「槍烏賊」 「蒟蒻(こんにゃく)」 「筍(たけのこ)」 「人参」 「牛蒡(ごぼう)」 「蓮根」 |
蒸し物 | 「華烏賊焼売」 |
メニュー | 内容 |
(左/上)お吸い物・揚げ物 ずわい蟹蓑(みの)揚げ・海老天ぷら・アスパラガス天ぷら
(右/下)デザート・菓子
天ぷらは車内で揚げているのかは知りませんが、シケった感じはなくカリッとした食感でした。
夕食のコース料理 – フランス料理
(左/上)オードブル「帆立貝柱とサーモンのマリネ 紅白仕立て」
(右/下)魚料理「牡丹海老と白身魚のワイン蒸し 赤ワイン風味のクリームソース」
続いてフランス料理を見ていきます。フランス料理の最初は(左/上)のオードブルから。中央に帆立とサーモンを配し、周囲にイクラなどをちりばめた凝ったものになっていました。
(左/上)パン
(右/下)肉料理「牛フィレ肉のソテー 大地の野菜添えマスタードソース」
メインとなる牛フィレ肉はかなり分厚かったですが、中までしっかり火が通っていました。他方、パンはやや冷えた状態で出てきたのがやや残念なところです。
(写真)デザート「スペシャルガトーとグラスの盛り合わせ」
スペシャルガトー上には、やはり「北海道」の地形があしらわれているのが特徴です。
朝食メニュー
(左/上)和定食
(右/下)洋定食
変わってこちらが朝定食。朝定食は予約制ではありません。朝食は朝6:30~8:30の営業(ラストオーダーは8:00)となり、料金は洋食・和食ともに1600円でした。
朝定食時にはコーヒーまたは紅茶がサービスされていました(左/上)。
(右/下)は朝定食のメニューとなります。
食堂車 その他
食堂車では「カシオペア」のロゴが入った専用の食器が使われていました(左/上)。この皿で食べる(列車内ではすっかり珍しくなった)「温かい料理」というのも、また格別だったと記憶しています。
おまけ:展望スイートから見える風景
最後におまけとして、私が取材時に乗車した「上り上野行き」の「カシオペアスイート(展望室)」から見えた風景を少し紹介していきます。
写真は函館駅での様子。札幌~函館を牽引してきたDD51が切り離され、進行方向が変わって青森方面へ出発します。
青函トンネルを通過中(左/上)と、青森駅での機関車交換時のカット(右/下)。
冬場は青函トンネル内の湿度が高いためか窓の内側が結露してしまい、外の景色が全く見えません。上り列車では、目の前に機関車が来ない“貴重な時間”ですが、思った以上に景色は望めませんでした。
展望スイートから見る朝焼け(左/上)と、宇都宮駅到着時の様子(右/下)。
外の「日常」と、中の「非日常」が重なります。ここまでくれば、終点上野まではあと少しです。
目次
・スイート(展望席)
・スイート(メゾネット)・デラックス
・ツイン
・コンパート
・ロビーカー・共用設備
・食堂車・食事の写真・その他
概説
デビュー年:1997年3月
上野~札幌間で運行されていた「北斗星」の近代化を図って1997年にデビュー。「快適空間を実現した寝台列車」をコンセプトに開発された。全車両がA寝台個室で構成されている。編成は12両。
長らく上野~札幌の「カシオペア」で運行されていたが、北海道新幹線の開業準備工事に伴って2016年3月で「カシオペア」の運行は終了した。現在は旅行会社のツアー「カシオペアクルーズ」で使用されている。