E26系「カシオペア」 カシオペアスイート(メゾネット)・カシオペアデラックス

目次

スイート(展望席)
・スイート(メゾネット)・デラックス
ツイン
コンパート
ロビーカー・共用設備
食堂車・食事の写真・その他

E26系「カシオペア」 – カシオペアスイート(メゾネット)・カシオペアデラックス

札幌~函館間を牽引したDD51形機関車(左)と、1号車の車両番号表記(右)。

E26系は1・2・6・10号車が富士重工製となっており、車内には「FUJI HEAVY INDUSTRIES LTD.」のシール(銘板)も貼られていました。富士重工製の車両の製造銘板は、一般に「富士重工」と漢字書きであることが多いのですが、このE26系では珍しく英語表記のものが使われています。

撮影日時・場所

撮影日:2013年12月

撮影場所:上野駅 「カシオペア」号 車内

備考

・特にありません。

1・2号車 カシオペアスイート 通路

このページでは、1・2号車の「カシオペアスイート(メゾネット)」を見ていきましょう。カシオペアスイートの廊下部分は平屋建てとなっており、各個室内が2階建て構造となっています。

1・2号車 カシオペアスイート(メゾネット)入口

カシオペアスイート(メゾネット)の入口の様子(左/上)。2階がリビング、1階がベッドルームとなっており、個室のドアを開けるとすぐに階段の“踊り場”となります。

リビング(2階)・ベッドルーム(1階)への階段は、いずれもらせん階段となっています。限られた横幅スペースの有効活用を狙って採用されたものと思われますが、これによってリビング・ベッドルームから個室の入口が見えにくくなるという副次的な効果も生んでいるように感じます。

1・2号車 カシオペアスイート(メゾネット)リビング

ではカシオペアスイート(メゾネット)の2階リビング。リビングは2人が向かい合って座れるようになっています。構造上は「ボックス席」(と言ってしまうと身も蓋もありませんが…笑)ですが、前後幅が大きいためか、大人2人で向かい合って座っても圧迫感はほとんど感じませんでした。この“ゆとり”は、さすが「カシオペア」の最上級クラス「カシオペアスイート」ならでは、と言えそうです。

なお、このソファは背もたれ・座面をスライドさせることで補助ベッドとしても使用でき、最大3名で利用することが可能でした。

リビングをより広角で(左/上)。ソファ脇にはテレビ(現在は撤去済)、ゴミ箱のほか洗面台・トイレとシャワーが一体になったブースが備わります。

(右/下)は、その洗面台・トイレ・シャワーブースへの扉を開けた状態。扉は折りたたみ式となっており、開けた状態でもリビングスペースにはそこまで干渉しません。薄い扉なので、中の音は筒抜けですが…(苦笑)。

リビングから入口を見た様子(左/上)と、ソファ間のテーブル(右/下)。テーブルは「カシオペアツイン」の小型テーブル×2枚に対し、こちらは大型テーブル×1枚となっています。

食堂車直通の電話・マガジンラック(左/上)と、ソファ上に備わる読書灯(右/下)の様子。「カシオペアスイート」(と「カシオペアデラックス」)の利用者は、夕食(但し「懐石御膳」限定)・パブタイム・朝食は食堂車からのルームサービスが利用できました。

ルームサービスの流れは(左/上)の電話で食堂車を呼び出す」→「係員がメニューを持って部屋に来る(注文したいものが決まっていれば省略可)」→「食事が運ばれてくる&料金支払」→「食器の片付を依頼という、ホテルのそれにも劣らないものです。混雑時間帯は、頼んでから来るまでかなり待つこともありましたが、そこはまあお互い様の範疇ですね。

窓下の読書灯スイッチ(左/上)とアメニティ類(右/下)。私の取材時は「2名利用」で予約していましたが、先述の通り3名でも利用できることからか、アメニティは3名分セットされていました。

トイレ・洗面台

テレビ、ゴミ箱とトイレ・洗面台・シャワーブースの様子(左/上)と、トイレ内のアップ(右/下)。テレビは現在撤去されており、跡地はマガジンラック然としたスペースになっているそうです。

1・2号車 カシオペアスイート(メゾネット)ベッドルーム

代わって1階のベッドルームに入ります。1階はベッドとクローゼット(後述)のみのシンプルな空間となります。

車体の「スソ」部分に位置することから、「ベッド位置から天井に向かってどんどん左右幅が広がっていく構造」であり、一見ではやや窮屈に見えるこの寝室。しかし、それゆえに仰向けに寝転がって天井を見上げると、視覚的には妙に広く感じます。また、ベッド部分が一番左右幅が狭いことも相まって、(特に窓側で)横になるとちょっとした「包み込まれるような雰囲気」も感じる不思議なベッドルームに感じました。

これが狙って作られたものなのか、単に2階建ての1階部分だからなのかは知りませんが…要するに何が言いたいかというと「写真で見る以上に快適な睡眠環境がそこにある」ということです(笑)。

ベッド周りの様子。ベッド・ベッド間のパネルなどの設備は>>E26系「カシオペアスイート(展望室)」のそれと同一です。

窓のアップ(左/上)と天井の様子(右/下)。ベッドをギリギリまで低い位置に配したためか、1階席特有の圧迫感は全く感じません。

ベッドルームのクローゼット(左/上)と、ベッドルームへ降りる階段(右/下)の様子。クローゼットは、展望室のそれと同じくコート一枚程度が限界でした(苦笑)。

2号車 カシオペアデラックス

続いて2号車に設置されている「カシオペアデラックス」の車内を見ていきます。こちらは2階建てではなく平屋構造となっており、個室内の開放感は「カシオペア」の中でズバ抜けたものとなっています。

室内は2人用のベッドとリビングスペースが。2人用個室として販売されていますが、リビングスペース(右/下)のソファを展開することで3人でも利用できるようです。

このページは6ページ構成です。次は>>ツイン 編です。

目次

スイート(展望席)
・スイート(メゾネット)・デラックス
ツイン
コンパート
ロビーカー・共用設備
食堂車・食事の写真・その他

概説

デビュー年:1997年3月

上野~札幌間で運行されていた「北斗星」の近代化を図って1997年にデビュー。「快適空間を実現した寝台列車」をコンセプトに開発された。全車両がA寝台個室で構成されている。編成は12両。

長らく上野~札幌の「カシオペア」で運行されていたが、北海道新幹線の開業準備工事に伴って2016年3月で「カシオペア」の運行は終了した。現在は旅行会社のツアー「カシオペアクルーズ」で使用されている。

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