14系・24系「はまなす」 B寝台

14系・24系「はまなす」カーペットカー/B寝台/普通車

「はまなす」のB寝台車は原則2両(1・2号車)でしたが、1号車は14系(スハネフ14形550番台)2号車・増21号車は24系(オハネ/オハネフ24形or25形)と、異形式の連結となっていました。

1号車のスハネフ14形550番台(写真)は、24系の床下に14系の電源装置を設置して14系化した車両で、1991年に2両が登場。「北斗星」編成の個室寝台車を増やした際、編成から押し出される形で余剰となっていた開放型B寝台車(オハネフ25形200番台)改造したものです。

改造に伴って外観にも変化があり、目につくところでも「車体側面の帯色を(「北斗星」時代の)金色から白に」「車体側面には“SLEEPING CAR HAMANASU”のエンブレムを配置」などが挙げられます。随所に「はまなす仕様」の特徴が見られる、珍しい車両でした。

【コラム:なぜ24系と14系が混結できたのか?】

客車のサービス電源方式には、24系の「集中電源方式」(電源車から各車に一括給電)14系の「分散電源方式」(数両おきに客車床下に発電機を設けて各車へ給電)があり、これが異なる24系と14系は通常、混結して使用できません。

そのため「はまなす」の2号車(+増21号車)には、24系14系どちらからでも給電を受けられる改造が施された24系(オハネ/オハネフ24形or25形)が、専属で使用されていました。

(さらに余談)
この「はまなす」2号車の24系は建前上「北斗星」と「はまなす」の“兼用車”という扱いであり、帯色は「北斗星」に合わせて金色のままとなっています。もっとも、運行開始早々に完全個室化が推進された「北斗星」にこの車両が入ることは当初から少なく、「ソロ」「デュエット」の代車として極めてまれに入ったほかは事実上の「はまなす」専用車状態が長らく続きました。

しかし2011年の「北斗星」1往復化の際、2号車の開放型B寝台をJR北海道が受け持つことに。以後、この“兼用車”が「はまなす」と「北斗星」2号車を担当するようになり、名実ともに“兼用車”となりました。「北斗星」の廃止後は再び「はまなす」専用に戻り、同列車の廃止まで活躍しています。

撮影日時・場所

撮影日:2006年3月

撮影場所:青森駅 「はまなす」号 車内

備考

本項で紹介する写真は、いずれも2006年3月に撮影したものです。当時はまだ車内を詳細に撮影する習慣がなかったため、掲載枚数は少ないですが資料としてご覧いただければと思います。

B寝台①(オハネ25 11)※スハネフ14形550番台も同一の内装

「はまなす」B寝台の内装には座席モケットのカラー、カーテンの柄など、何パターンかバラエティがあるのですが、もっとも“メジャー”だった内装を紹介します。

車内は通路のカーペット化、カーテンの交換が施された程度で、それ以外は新製当時から大きく変わった点はなさそうです(→「備考も参照)

【備考:オハネ25 11の内装について】

写真は2005年に撮影していますが、2011年に再びこの車両に乗った時は明るいベージュのモケットに変更されていました。ネット上で個人が書いた「乗車紀」などを一通り調べた限り、2009~2010年ごろに交換されたものと思われます。

なお、スハネフ14形550番台(1号車)の寝台は引退まで茶色いモケット(写真)を残していました。

下段寝台(左/上)と上段寝台(右/下)の様子。

末期は座席内部の詰め物がヘタっていたり、ベッドが波打っていたりなど、あまり状態はよくなかった記憶があります。

「はまなす」の寝台車は基本的に2両が連結されていますが、多客期は1号車と2号車の間にB寝台1両が増結される場合があります。増結車の号車番号はご覧のように「増21号車」ですが、車内放送などでは「増結の21号車」という表現で案内されていました。

ちなみに21なのは「1号車と2号車の間にあるから21号車」とのこと。この付番方法はJR北海道ならではで、現在も特急「オホーツク」などで時折見られます。

B寝台②(オハネ24 501)

続いて別の例。当時の記録ではオハネ24 501で撮影したようです。

車内は例によってモケットの換装・通路にカーペットが敷かれている程度の改装ですが、デッキと客室の仕切扉脇の号車表示はデジタル化(右/下)されていました。

下段寝台(左/上)と上段寝台(右/下)の様子。

寝台のモケットはベージュ、カーテンはピンク色と、国鉄型B寝台特有の「沈んだ雰囲気」は幾分軽減できているように感じます。

2号車(又は増21号車) 婦人用化粧室

2号車または増21号車に連結されることがあったオハネ24形500番台には、「婦人用化粧室」なる女性専用の化粧室が設けられていました。

一般に、化粧室といえばお手洗いのことを指しますがこちらは読んで字のごとく「化粧」室です。今風に言うなら「パウダールーム」でしょうか(→「おことわり」も参照)

【おことわり:婦人用化粧室の写真撮影について】

なお、こちらの区画は女性専用のため、撮影にあたっては車掌の方の許可ならびに立ち会いを頂いて撮影しています。快諾してくださった車掌の方には、この場を借りてお礼申し上げます。

トイレ・洗面台

最後にトイレ・洗面台の様子を一挙に。

デッキの冷水器は撤去されており、代わりにゴミ箱が置かれていました。

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概説

デビュー年:1972年(車両)

寝台列車の主力車両。当初B寝台は3段式で登場したが、その後寝台列車の需要減少や設備改善のために、現在は全てが2段式になっている。

車体構造はその前に登場した14系とほぼ同様だが、1972年11月の北陸トンネル火災事故の教訓をきっかけに防火対策を強化したほか、電源は集中電源式が使用されている。

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