24系「日本海」(旧1・4号)
大阪〜青森を結んでいた寝台特急「日本海」が廃止されて久しいですが、2008年3月改正まではJR東日本所属編成とJR西日本所属編成により2往復が運行されていました。JR西日本所属編成は日本海1・4号、JR東日本のそれは>>日本海2・3号です。
このうち1・4号は青森から函館まで直通運転しており、当時は「スーパー白鳥」で使用されていた789系とよく並んだものです。JR西日本の編成はA寝台に個室の「シングルデラックス」を連結しており、「日本海」では唯一の個室寝台でした。
前置きが長くなりましたが、このページではそんなJR西日本編成の「日本海」をご紹介します。当時はまだ車内を詳細に撮影するという発想がなく、枚数は非常に少いですが、資料としてご覧いただければ幸いです。
撮影日時・場所
撮影日:2006年3月11日
撮影場所:「日本海」4号 函館駅 車内
A寝台
1号車に連結されていた、A寝台車「シングルデラックス」から見ていきます。入口(左/上)と通路の様子(右/下)。
元々は「瀬戸」用に改造された車両で、同列車のサンライズ化に伴って「日本海」に転用されたものです。照明は電球色、通路の手すりやカーテンレールは金色に交換されるなど、豪華な内装が印象的な車両でした。
個室内の様子。
室内もリニューアルされており、「カーペットや化粧板の交換」「カーテンレールや各種手すりなどの金色化」「テレビとVHSビデオデッキの新設」などが施されています。
ブラウン管式のテレビはともかく、VHSビデオデッキは珍しい設備でした。
ビデオユニット(左/上)と説明の様子(右/下)。
末期はチャンネル1でビデオ、チャンネル6~9で音楽が流れていました。記載の「ヒット・ソング」とは名ばかりで、適当な打ち込みのイージーリスニングだったように記憶しています。
また、かつては利用者が持ち込んだVHSビデオテープの再生も可能だったようですが、私が訪れた際はふさがれていました。
個室内の洗面台(左/上)と室内灯やアラームの操作パネル(右/下)。
シンクはピンク色のものに換装されていました。
B寝台
編成中の大半を占めていた開放型B寝台の様子。
こちらも、「瀬戸」時代にリニューアル改造を施されたB寝台車です。リニューアル改造で通路のカーペット化や寝台モケットの交換が行われたものの、それ以外は引退までデビュー当時の雰囲気をよく残していました。
下段寝台(左/上)と上段寝台(右/下)の様子。
寝具は、なぜか上段に2セット用意されています。これは「日本海」の一部号車・一部区間(下り青森行きの東能代~青森間は立席特急券、上り大阪行きの青森~秋田間は指定席特急券)で、B寝台を座席として利用できる措置が取られていたことによるもの。上り大阪行きにおいて、始発駅ではこの状態でセットされていました。
概説
デビュー年:1972年(車両)
寝台列車の主力車両。当初B寝台は3段式で登場したが、その後寝台列車の需要減少や設備改善のために、現在は全てが2段式になっている。
車体構造はその前に登場した14系とほぼ同様だが、1972年11月の北陸トンネル火災事故の教訓をきっかけに防火対策を強化したほか、電源は集中電源式が使用されている。