キハ40系列「新潟地区 ロングシート車」


新潟地区の非電化路線で、2020年まで活躍していたキハ40系列。新潟におけるキハ40系列の歴史は長く、内装にもいろいろなパターンがありました。当ページでは、このうちロングシートに換装された車両の内装を扱います。
分割民営化後、同地区のキハ40系列は通勤輸送を見据えて、一部の車両がロングシートに換装されました。運用はクロスシート車と特に区別されず、どちらが来るかは「当日のお楽しみ」でした。
モケット


(左)座席 (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2019年12月12日
撮影場所:磐越西線 新潟駅 車内
備考
説明の簡略化のため、運転台やドアの形状に違いがありますが基本構造は同一であることから「キハ40・47・48形」を総称して「キハ40系列」と呼称する場合があります。
車内全景

では車内へ。ご覧の通り、ロングシートがデンッと並ぶだけ。非常にシンプルな空間です。
同じロングシートのキハ40系列でも、南東北や秋田地区では座席モケットが交換されていた例も多いのですが、新潟地区の本系列は最後までこの「濃紺モケット」を残していました。
座席


ロングシートの全景(左/上)と、座面のアップ(右/下)。
文字通り「ロング」なシートです(笑)。何人がけなのかはパッと見では全く分かりませんが、座面のクッションをよく見てみると手前から、それぞれ「3-3-2-2-2-2-2-2-3-3(人がけ)」となっており、24人がけのようでした。
もっとも着座位置が明確なわけではないため、何度か乗車した限りでも実質18~19人がけ程度で使用されていた印象でした。


座席下(左/上)と窓(右/下)の様子。
座席下はヒーターなどは特段なく、単なる空間になっていました。
優先席


車端部の優先席区画。全景(左/上)と、優先席のアップ(右/下)です。
トイレ側の3人がけは優先席となっており、JR東日本の優先席共通モケットが張られていました。
フリースペース兼ジャンプシート


トイレと反対側のドア脇は、片側がフリースペース兼座席となっています。展開時(左/上)と収納時(右/下)の様子。
非常通報器などのスペースの関係か、この部分の座席は2人がけとなっています。


跳ね上げた状態のアップ(左/上)と非常通報器(右/下)の様子。
近年一気に広がった「ベビーカーマーク」もしっかり貼り付けられていました。
その他の車内設備


天井(左/上)と荷物棚(右/下)の様子。
空調装置は左右に分散して配置されているため、天井真上は非常にすっきりとしています。


窓間に残る座席番号のプレート(左/上)とドア脇のごみ箱のアップ(右/下)。
座席番号はクロスシート時代からそのまま残っており、存在しないはずの「通路側」の座席番号が表記されているのは愛嬌です(笑)。


天井の通風孔(左/上)と荷物棚上の非常用設備(右/下)の様子。
非常用のハシゴなどが入っているものと思われます。
乗降用ドアとトイレ


ドアの様子(左/上)とトイレの様子(右/下)。
トイレは床や足置きの部分がベージュ系の素材に交換されているものの、それ以外は昔ながらの“列車便所”の風合いをよく残しています。
概説
デビュー年:1977年(車両)
1950年代に製造されたキハ10系を初めとする通勤用気動車の後継として1977年にデビュー。1982年までに888両が製造され、日本全国の非電化区間で主に普通列車として用いられた。
基本は両運転台のキハ40系列、片運転台のキハ48形、両開きの乗降ドアを備えたキハ47系に大別されるが、製造後、各地へ転配されたことから必要に応じた改造を受ける車両も多く、番台区分は多岐に渡る。