113系「京都地区」


JR西日本の京都地区では、2020年代に入っても国鉄型車両が一定程度残っていました。当ページで取り上げるのは、このうち湖西線や草津線で活躍していた113系です。
吹田総合車両所・京都支所に所属しており、緑一色のこざっぱりしたカラーリングが特徴的でした。2023年4月のダイヤ改正で全車が運用を離脱しており、同年12月までに廃車が完了しています。
さて、写真は近江舞子駅で発車待ちの様子。さっそく車内を見ていきましょう。
モケット



(左)座席 (中)床 (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2017年6月14日
撮影場所:湖西線 近江今津駅 車内
備考
※ トイレは撮影した編成が故障中だったことから当サイトでは現在掲載しておりません。撮影でき次第の公開となります。
車内全景

車内の全景。
JR西日本の113系の多くは、223系に準じた転換クロスシートの内装となっています。しかし、昔ながらのクロスシートを残した編成もごく一部に残存しており、写真がその車内の様子です。
座席のモケット・貫通扉の交換・半自動ドアスイッチの設置こそ行われていますが、それ以外はデビュー当時から大きく変わったと思われる点はありません。塗装された荷物棚のポール、文字通りの“網棚”など、国鉄時代のテイストが随所に見受けられるのが面白いところです。
座席


座席の様子。セミクロスシート(左/上)とドア脇のロングシート(右/下)です。
座席のモケットは焦茶色系に交換されていますが、内部の詰め物は昔のままのようでした。
車端部


優先席区画の全景(左/上)と座席(右/下)。
ボックス席は他の区画と大差ありませんが、貫通扉の関係で車端側の座席がやや小ぶりになっているのが特徴です。


優先席区画の全景(左/上)と座席(右/下)。
優先席のピクトグラム入り座席カバーがかかっているほかは、一般席区画と同一仕様のようです。
運転台直後の区画


運転台直後の区画の様子。
運転台の張り出しがある関係で、写真左は2人がけ・右は3人がけになっているのが特徴です。
各種車内設備


天井の様子(左/上)と床面・通路の様子(右/下)。
天井周りは大きく変わった点はなく、デビュー当時からこんな感じなのでしょう。反面、床材はブラウン系に交換されていますが、随所に補修された形跡が見受けられます。


網棚(左/上)とドア間の洋服かけ(右/下)の様子。
網棚の周囲が白く塗装されていたり、コートかけが113系の初期車に見られる細いタイプなど、「国鉄テイスト」が色濃く残っています。
ドア


ドアの様子。
ドアの半自動化に伴い、ドアわきには開閉ボタンが新設されています。「開ける」「閉じる」が横向きに並ぶ、221系や223系などと共通のデザインでした。
概説
デビュー年:1964年(車両)
80系と153系では対応しきれなくなった東海道本線の東京口の大混雑を緩和しようと開発された。当初は111系と呼ばれる車両が登場したが、あとに111系の出力増強型として113系が登場している。
湖西線用の700番台、横須賀線地下駅対応の1000番台、シートピッチ拡大車1500・2000・2700番台などと番台区分は多岐に渡る。