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西武40000系「S-TRAIN」
2010年代に入って、首都圏の私鉄各社では「有料の着席サービスを提供するライナー列車」が雨後の筍のように登場している気がする今日この頃です。そんな流れに乗ったのか、首都圏の大手私鉄の一社である西武鉄道が「座れる、直通、S-TRAIN」のキャッチフレーズで2017年3月に華々しく送り出したのがこの「S-TRAIN」こと西武40000系。平日は所沢から東京メトロ有楽町線の豊洲まで、土休日はみなとみらい線の元町・中華街駅から、東急線・東京メトロ副都心線を経由して西武秩父までを結んでいます。
行先表示の様子。フルカラーLEDが導入されており、「S-TRAIN」のロゴもきれいに表示されます。 普通車 車内
車内に入ります。この40000系、座席をクロスシートとロングシートの双方に切り替えられる、いわゆる「デュアルシート」機構を導入しているのが最大の特徴です。「S-TRAIN」運用時にはクロスシートですが、間合いでの各駅停車運用では座席を90度回してロングシート状態で運行されます。
車内を反対から見渡すとこんな感じ。ドア脇の部分の仕切は、大型の座席に合わせて通勤型電車にしてはかなり大きめのものが採用されています。こちらの仕切、よく見ると市松模様のような柄があしらわれており、曲線を多用したデザインも相まってさりげなくおしゃれな感じです。このあたりは芸が細かいですねぇ。
座席の様子。座ってみて驚きです。不必要に柔らかい座面と、石のように固い背もたれをダイレクトに身体に感じてしまい、着座した時の第一印象は「うぉぉなんだこれは」です(苦笑)。また、背もたれはやや斜めになっているものの、実際に座ると直立に近い感覚で、深く腰掛けると身体が妙に起き上がった姿勢となり、違和感しかありません。
ドア脇の座席はこんな感じです。ロングシート時に仕切となる仕切が目の前にある関係で、特に窓側席の足元はものすごく狭いことになっています(苦笑)。
座席背面をアップで。背面にはカップホルダーとコートかけが設けられており、(いろいろ酷評してしまいましたが)この設備だけを見れば「TJライナー」より一歩先を行く印象です。私が乗車した時も、このコートかけにスーツの上着をかけ、カップホルダーに缶ビールを入れてくつろぐサラリーマンを何人か見かけました。窓枠部分にはモノが置けないだけに、このカップホルダーはありがたい設備ですねぇ。
「S-TRAIN」運用時は、座席の回転は利用者サイドで行うことができます。せっかくなので、座席を回転した時の様子もご紹介。シートピッチが狭いのはまぁ仕方ないとしても、コンセントは一つだけ(無理すれば後ろのコンセントも使えなくはありませんが)、回転した場合はカップホルダーもテーブルの類もありません。
座席の肩部には握り手が設けられています。もっとも、背の高い人だとちょうど肩や首に来る位置ですが…(苦笑)。
車端部 / 優先席区画 車端部区画は見ての通り3人がけ席となっています。こちらの座席は固定式となっており、常時ロングシート状態で使用することになります。
また車端部ですが、よく見るとつり革の色が異なっています。こちらは優先席として使用されている区画の写真で、つり革と窓部分の「優先席シール」を除けば差はありません。座席モケットも全く同一なので、特に各駅停車の運用時は、注意して見ていないと優先席と気づかないまま座ってしまいそうです。
その座席の様子。クロスシート・ロングシート共用部分では、座面が一席ごとに独立したものが採用されていましたが、こちらは3席で1つの座面となっています。もっとも、このアングルから見ても分かる通り、座面は着座位置に合わせて成型されていること、ひじ掛けがあることから、一人一人のテリトリーはこちらもしっかり確保されている印象を受けます。
撮影のためのカーテンを閉めようとしてビックリ。なんと、背もたれ部分にカーテンが干渉して下まで下がりきりません(笑)。一応、何段かで固定できるようにはなっているのですが、背もたれのすぐ上では固定することができず、窓の上半分くらいで固定するような形になります。
座面の様子。ひじ掛け下には目立ちにくいですがコンセントが設けられいます。特に間合いの各駅停車運用で乗車した場合はちょっとしたお買い時席となりそうです(笑)。
優先席の場合、つり革は黄色いものが用いられています。
2・9号車 フリースペース 2・9号車には車いすやベビーカー連れのフリースペースが設けられています。一般席区画の向かい側に備わっており、つり革などは一般席と同じ薄紫のものが使われています。
フリースペースの様子。非常通報機、車いす固定用のベルトなどが設けられています。窓がないのは、車端部に機器室が設けられているためでしょうか。 1号車 フリースペース 飯能寄りの1号車にもフリースペースが設けられていますが、こちらは座席を2列分潰したタイプです。
で、そのフリースペースのアップ。さすがに座席2列分だけあり、幅はかなりゆったりしている印象を受けます。 座席番号のプレート 荷物棚部分には見ての通り座席番号が記されたプレートが取り付けられています。
この座席番号はロングシートとなる車端部にも割り振られています。先行の東武鉄道「TJライナー」車両も、同じように車端部区画にも座席番号があるものの、こちらはライナー運用時には発売されません。
車内設備 天井の様子。天井にはドア間ごとに大型のモニターが設置されており、ニュース・気象情報・西武沿線のPR映像などが放映されています。クロスシート状態だとドア上の表示が見づらくなるため、出発直後・直前だけでもいいので、乗換案内などがあるとさらに良いかなという印象です。
荷物棚の様子。棚部分には強化ガラスが使われているようです。
つり革は30000系から引き続いて丸みを帯びたものが使われています。このつり革のカラー、全て同じに見えて実は3種類ほどバリエーションがあるのですが、それについては次のページで詳説します。
各車両の車内はプラズマクラスター発生装置、平たく言えば空気清浄機が設置されています。これにより、車内の空気が常にきれいな状態に保たれる…ということなのでしょうが、実際のところの効果はどの程度なのでしょうか(苦笑)。どちらかというと、混雑する間合いの各駅停車運用の方が本領を発揮しそうな気もします。
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項目 撮影日時・場所 撮影場所:東京メトロ有楽町線 豊洲駅 車内 モケット (↑) 普通席モケット
(↑) カーテン
(↑) 床材 車両概説 30000系に続く西武の新型車両として2017年3月にデビュー。 先代となった30000系をベースとしているが、内装面では座席をクロスシート・ロングシートの両方に切り替えできる構造が取られており、座席指定列車、通常の列車双方に充当できるのが特徴。 西武鉄道の運行する座席指定列車「S-TRAIN」に充当されるほか、折り返しの普通列車などでも運用されている。 |
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