鉄道・高速バス 車内・座席写真のサイト |
||
|
長野電鉄1000系「ゆけむり」 - 展望席編
元々小田急のロマンスカー「HiSE」だった車両を長野電鉄が引き取ったのがこの1000系「ゆけむり」です。この「HiSE」、もともとは小田急の開業60周年記念という名目で華々しくデビューしましたが、バリアフリーの関係から、先に登場していたLSEよりも先の引退と、活躍期間はあっけないほど短いものでした。それだけに、「転職先」の長野電鉄でのデビュー時はかなり話題になったような気がします。
先頭車の展望席脇には行先字幕があります。 車内
というわけで「ゆけむり」の最大のウリであり、また一番人気のスポットである展望席からご覧いただきます。小田急時代は全席指定席となっていましたが、長野電鉄では全席自由席。つまり「早いもの勝ち」なので、座りたい場合は早めに並んでおくといいでしょう。基本的には小田急時代のまま使用されており、大きな変化はありません。座席は前に行くにつれて次第に床が低くなっており、映画館などで見られるような構造となっています。
前から見るとこんな感じ。座席カバーは長野電鉄に移行してから、ビニール製の常備品のものに交換されました。
最前列の座席の様子。モケットなどは特段交換されておらず、小田急時代のものをそのまま使っています。窓際には引出式のテーブルがありますが、経年のためか展開にはやや力が必要です。ちなみに全ての座席に共通する話ですが、座席にはリクライニングの機構などは特段ありません。この車両がデビューしたのは1987年なので、全国的に見ても「特急=回転リクライニングシート」はかなり定着していたと思われますが、あえてリクライニングをつけなかったのはメンテナンスや重量の関係などがあったのでしょうか。
展望席部分の2列目以降はこんな感じ。小田急時代は座席背面の通路側もテーブルがありましたが、長野電鉄への移籍に伴って撤去されています。もっとも、長野電鉄では全区間乗りとおしてもせいぜい40分程度ですし、テーブルがなくてもさほど気になるものではありません。 車内設備 展望席部分の天井の様子。照明は蛍光灯ですが、デザインはどことなく一昔前のもの、ともすると一種の「ノスタルジー」を感じるような仕上がりです。
ドア脇には見ての通り電球のシャンデリアのようなものが備わります。このデザインもなかなか古めかしさを感じるように思います。
HiSEは1988年に鉄道友の会が選定する「ブルーリボン賞」を受賞ています。その受賞を記念したエンブレムは展望席部分の壁についています。長野電鉄への移籍後もこのエンブレムはそのまま残されているため、乗車した時は注意して見てみると面白いのではないかと思います。
あまり知られていませんが、この展望席、3列目以降は実は回転することができます。写真がその座席を回転して向い合せ状態にした様子。前面(または後方)展望が売りの「展望」席で、あえてそれとは逆向きに向けられるようにしたのはどういった意図からなのか気になって仕方がない今日この頃です(笑)。
ハイデッカーが売りのHiSEは、バリアフリーの観点から、逆にその構造が仇となって早期に引退してしまった経歴があります。長野電鉄への移籍後は、唯一ドア部分にステップのない展望席の後ろ部分が、実質的な車いすなどのフリースペースとして使われるようになりました。この部分には展開式のジャンプシートも設けられており、介助者や付添の人の利用を想定したものと思われます。
そのシートを展開した様子。
乗降用ドアは全て折り戸式となっています。 |
項目 |
|
|
項目 |
|
|
||
copyright(c)2002- Nukezo, All Right Reserved. |