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HOME > 鉄道・バス車内写真 > ジョイフルトレイン・波動用車両 > キハ58系「Kenji」

キハ58系「Kenji」 - 座席 / トイレ・洗面台

国鉄民営化前後に、余剰のキハ58系を改造したジョイフルトレインが、雨後の筍のように大量にデビューした時期がありました。この「Kenji」もその流れで登場しており、元は「サロンエクスプレスアルカディア」として1987年にデビューしています。もっとも、デビューから1年も経たないうちに1両が営業運用中に全焼。幸い死者・けが人はなかったものの、4年後に新たに改造された1両を加えて「Kenji」として再デビューするという、なかなかに波乱万丈な経歴なのが特筆されます。
キハ58系に出自を持つジョイフルトレインは21世紀になってからもそこそこ残存していたのですが、2010年代に入ってあれよあれよという間に数を減らし、気づけばこの「Kenji」が全国のJR線上で運用される、最後の“生きたキハ58系”となりました。現在も東北地区で活躍していますが、最近は故障が相次いでいるようです。私が気仙沼〜仙台間の快速列車に乗車した時も、回送途中に故障を起こして遅れたりなど、状態はかなり良くない模様。まぁ、種車の時代から含めて50年選手の車両もいたりするので仕方ないのでしょうが…。
閑話休題。このページでは、そんな最後のキハ58系こと「Kenji」の車内を見ていくことにします。

モケット

(↑)普通席
(↑)普通席
(↑)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2017年11月10日
撮影場所:気仙沼〜仙台 臨時快速 仙台駅 車内

備考

※ 取材列車がかなり混雑していたため、車内全景の写真を中心にやや撮り方がアレな写真が散見されますがご了承下さい。

車内全景(一般席)

さて車内に入ります。前身の「サロンエクスプレスアルカディア」では全車両がグリーン車扱いとなっていましたが、「Kenji」への再改造時に普通席へと改められています。
車内は抜本的に改造されており、ボックス席が並ぶ種車時代の面影は全くありません。そこそこ座席定員があることから、団体列車だけでなく「ふるさと宮古」など臨時快速列車としての運用も多いのが「Kenji」の特徴と言えるでしょう。また、震災前は盛岡から三陸海岸を一周して戻ってくる「ぐるっと三陸トレイン」で、“半”定期的に運用されていました。私のように2000年代後半を学生として過ごした人間からすると、「kenji」と言えば今でも「ぐるっとさんりくトレイン」の印象が強かったりします(笑)。
…初っ端から車内と全く関係ない話題ですみません。以後、座席を見ていくことにしましょう。

車内を後ろから見た様子(左)と天井(右)の様子。この座席背面テーブルのデザインに見覚えがある方も多いのではないでしょうか。このテーブル、かつては183系列の改造車(グリーン車)や>>165系の「ムーンライト」仕様で見られた「後から座席にテーブルを付けたタイプ」によく見られるテーブルです…と書きかけましたが、私の歳がバレる気しかしないのでこの辺までにしておきます(苦笑)。
天井は空調、照明ともルーバーがかけられており、元々のごつごつした雰囲気とは一線を画すデザインです。ジョイフルトレインらしく、スピーカーが多めに設置されているのが特徴です。網棚がところどころ設けられていないのは仕様でしょうか。

座席

座席の様子。仙台を起点に、盛岡寄り進行方向左が青系、右が紫系のモケットが使われていますが、座席そのものは共通です。
テーブルが「元々あった座席に後付け」した座席によく見られるタイプだったので、別の座席からの転用か何かかと思いましたが、いろいろ資料や手持ちを漁ってみた限りでも、この「Kenji」だけに見られる独自の座席のようです。妙に分厚い背もたれと、お世辞にも広いとは言えないシートピッチ(手持ちのメジャーで適当に測ったところ実測940〜970mm前後)ということもあって、実際の居住性は「快速列車なら及第点」といったところでしょうか。
灰皿はひじ掛け先端についている金属製の金具を展開するタイプですが、普通に腕を置くとちょうど手のくる場所に金属がきてしまい、手がやや冷たいです(笑)。勿論、快速列車としての運用時は全車禁煙です。

2号車 サロン席

2号車の車両半分は、見ての通り摩訶不思議な区画になっています。この区画には特に名前がついていないようですが、便宜上当サイトでは「サロン席」として扱います(正式な名称ではありませんのでご了承ください)。
こちらは通路を片側に寄せて12席が配されており、2+1区画が互い違いに配されています。座席そのものは一般席と同じサイズなので、2+1なので特に広い、というわけではありません。

サロン席区画を後ろから見たところ(左)と、サロン席部分の天井(右)の様子。この区画の天井ルーバーは、他の区画とは違ってなぜか真っ青なものが採用されています。サロン席の座席モケットは青系だけですし、全体的に統一感を出すためなのかは知りませんが、実際にこの区画に座って天井を見上げると、思った以上に「青々」としていますので、乗車する機会があればぜひ確認してみてください(笑)。

サロン席 座席

座席本体の様子(左)と座席下の台座(右)の様子。先述の通り、座席自体は一般席と同じなのですが、座席の台座はよく見られる四角形のものではなく、一本の支柱のようなものが使われています。これは、この区画ならではの「機能」を実現させるためのものと思われます。詳しくは次の写真をご覧ください。

というわけでタネ明かし。このサロン席区画のみ、座席を45度単位で回転させることができます。これにより宴会する時に便が良かったり、景色の良い区間で首をひねらずに外の景色が見られる、というわけです。もっともテーブルは使えませんし、足元のスペースはいろいろ絶望的なことになりますが…(苦笑)。
(写真右)はサロン席区画の入り口の様子。かつてはドア脇にカラオケ設備が設置されていましたが、現在は撤去され単に黒いプレートがはめ込まれているだけになっています。

展望席

最後に「Kenji」の目玉でもある展望席を紹介します。両端の先頭車に4列が配置されており、映画館のように階段状に配されているのが特徴です。
また、この区画のみの設備として通常の窓の上に、小さいながらも天窓が設けられています。そのせいもあってか、特に昼間の運用時はかなり眩しいです(苦笑)。即窓には一応、カーテンもついていますが、天窓部分はノーガードなので、あまり眩しいのがお好みでない方は一般席を利用するとよいでしょう。もっとも、JR線上では貴重な展望席ということもあって、各種臨時列車では始発駅から席が埋まることが多いようです。特に自由席としての運用時は早めに確保したいところです。

展望席を後ろから見た様子(左)と、天窓のアップ(右)。空調設備は、設置スペースの関係からか、一昔前の観光バスで見られたスポット式のものが採用されています。スポット部分が(近年では)ややレトロなデザインなのが目を引きますねぇ。

展望席 座席

展望席の座席はこんな感じ。モケットこそ一般席と共通ですが、座席のフレームはこの区画独自のものが採用されています。JR時代に入ってからの国鉄型特急車両の座席で、もはや定番だったR55系列にも見えますが、どこか違って見えるのは背もたれが妙に厚ぼったいからでしょうか。
足元のスペースは望むらくもありませんし、前の座席は低い位置に設置されているので、座った状態でテーブルを展開するとかなり低い位置に来てしまい、どうにも使いづらいです。また、シートバックテーブルはどの個体もかなりガタガタで、写真で見ていただいてもお分かりの通り、完全に水平になりません。このあたりはメンテナンスの影響もあるのでしょうが、既に「Kenji」としてのデビューからも25年を経て、内装面でも確実に「疲れ」が出始めているようです。

一般席・展望席 灰皿の違い

臨時快速での運用時には全面禁煙ですが、「Kenji」では全席に灰皿が設置されています。左が一般席、右が展望席のもの。右側はR55系列でよく見られたタイプですねぇ。

各種車内設備

窓間のコートかけ(左)。他では見ない独特のデザインをしています。(写真右)は、ジョイフルトレインではよく見られるマイクジャック。カラオケ設備は撤去されていますが、現在も車内放送などで稼働できるのかは気になるところです。

デッキと客室の仕切扉(写真左)と通路の様子(写真右)。各車両、近年になってカラオケが撤去され、黒いプレートがはめられています。いかにも「かつてはここに何かありました」という感じのスタイルです(笑)。
また、「Kenji」はサロン席を除いて全ての区画が、通路より座席が一番高いハイデッキ構造となっています。ハイデッキ部分と通路部分で床材の柄が異なっており、このあたりは芸が細かいなと感じます。

この項目は2ページ構成です。次は>>トイレ・洗面台です。

概説

デビュー年:1992年(Kenjiとしてのデビュー)

キハ28形・58形を改造してデビューしたジョイフルトレインで盛岡支社に所属する。3両編成。

元は「サロンエクスプレスアルカディア」として1987年4月にデビューし、新潟を中心に運用されていたが、翌年1988年3月に3両編成のうち1号車(キロ59 508)が、営業運行中に火災事故を起こして全燃。火災を免れた2両は長らく休車となっていたが、1992年に1両を追加改造し、盛岡へ転属したうえで「Kenji」として再デビューしたという経緯がある。

3両編成のうち、中間のキハ29 505の種車であるキハ28 2010は1961年に製造されており、既に50年以上の運用実績を持つ点が特筆される。

盛岡地区を中心に、東北全体で団体列車・臨時列車などに運用されているが、近年は運用される機会が減りつつある。
2017年現在、全国のJR線上で営業運転に使用される唯一のキハ58系列となった。

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