キハ58系「Kenji」 - 座席 / トイレ・洗面台
国鉄民営化前後に、余剰のキハ58系を改造したジョイフルトレインが、雨後の筍のように大量にデビューした時期がありました。この「Kenji」もその流れで登場しており、元は「サロンエクスプレスアルカディア」として1987年にデビューしています。もっとも、デビューから1年も経たないうちに1両が営業運用中に全焼。幸い死者・けが人はなかったものの、4年後に新たに改造された1両を加えて「Kenji」として再デビューするという、なかなかに波乱万丈な経歴なのが特筆されます。
キハ58系に出自を持つジョイフルトレインは21世紀になってからもそこそこ残存していたのですが、2010年代に入ってあれよあれよという間に数を減らし、気づけばこの「Kenji」が全国のJR線上で運用される、最後の“生きたキハ58系”となりました。現在も東北地区で活躍していますが、最近は故障が相次いでいるようです。私が気仙沼〜仙台間の快速列車に乗車した時も、回送途中に故障を起こして遅れたりなど、状態はかなり良くない模様。まぁ、種車の時代から含めて50年選手の車両もいたりするので仕方ないのでしょうが…。
閑話休題。このページでは、そんな最後のキハ58系こと「Kenji」の車内を見ていくことにします。