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HOME > 鉄道・バス車内写真 > JR東日本の在来線 > キハ40形「只見線(会津若松口)・磐越西線」

キハ40形「只見線(会津若松口)・磐越西線」

福島県の会津若松から新潟県の小出までを結んでいるのが只見線ですが、会津川口〜只見間は2011年の新潟・福島豪雨により現在も不通となっています。今回取り上げるのは、このうち会津若松〜会津川口間で運用されていたキハ40形。会津若松を拠点に只見線のほか、間合い運用で磐越西線の一部区間にも顔を出していました。
塗色は、石巻線や大船渡線など、かつて南東北エリアでよく見られたいわゆる「東北地域本社色」です。“本家”であった小牛田所属車が全て転出した後は、この会津若松地域が最後の“生き残り”だったのですが、2020年3月のダイヤ改正で引退。これにより、JR移行後から見られたこのカラーは完全に過去帳入りしてしまいました。
写真は夕方の会津川口駅で発車待ちの様子。メンテナンスがしっかりされていたためか、車体は最末期まで、非常にきれいな状態を保っていたように感じます。さっそく車内を見ていきましょう。

モケット

(↑)普通席
(↑)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2019年12月12日
撮影場所:磐越西線 新潟駅 車内

備考

説明の簡略化のため、「只見線の会津若松〜会津川口間」を「只見線会津口」と略す場合があります。

車内全景

というわけで車内の様子。比較的メジャーな「セミクロスシート」「2+2配置」「茶モケット」「冷房車」の車内を紹介します。
只見線会津口で使用されていたキハ40形には、2010年代に入っても非冷房車がゴロゴロ残っていました。しかし、後継車の導入で新津や仙台でキハ40形が余り始めたことから、2015年に冷房車の車両が会津若松へ転属して非冷房車を置換え。同年度中に只見線会津口は完全冷房化を達成しています。
この転属では、内装は特に統一されておらず、車両によってはロングシート(>>参考)だったり、モケットが紫(仙台エリア所属時代のまま)だったりと、バラエティに富んでいたようです。当ページで紹介する内装も、あくまでその中の一類型に過ぎないことをご了承ください。本当は全部撮ってみたかったのですが、私が乗車した時は必ずこの車内であり、ついに他の内装を撮影するチャンスには恵まれませんでした。
なお、参考までにこの写真はキハ40 534で撮影しています。同車は1979年製で新製配置は弘前でした。秋田、函館を経て1995年から新津に配置。新潟地区を中心に活躍し、2016年に会津若松へ移籍してきた車両になります。

またしても車内の様子ですが、こちらはキハ40 2141のもの。同車は1982年製で新製配置は水戸。その後、新庄と仙台を経て2007年に会津若松へ移籍してきた車両です。仙台在籍時に床材の変更などがなされているものの、同車は冷房化改造が1987年と初期に行われたこともあって扇風機も残存しています。その他、化粧板の色、空調、つり革の形状など、さまざまな違いが見られるのが面白いところ。ぜひ上のキハ40 534の写真と見比べてみてください。

ボックスシート

ではボックスシートの様子を。写真(左)がキハ40 534、(右)がキハ40 2141です。目に付くところでも、窓の形状、座席番号プレートの場所、(右)の塗装が全体的に塗装が擦れているなどの違いが見られます。なお、座席フレーム本体の色が微妙に違って見えるのは、単なる写真の都合です(笑)。
国鉄型のディーゼルカー特有の構造として、窓側の足元にダクトのようなものが設けられています。そのため、窓側は足元スペースがかなり狭く、居住性はお世辞にも良いものとは言えません。実際に見ていた限りでも、地元民と思われる利用者は、最初から通路側に座っている人が多かった気がします。

座席を正面から見た様子(左)と斜めから見た様子(右)。こちらはいずれもキハ40 534での写真となります。座席下は単なる空間となっており、座席の細い脚もキハ40系列“らしさ”の一つでした。荷物などを奥にはやや上下幅が足りないのですが、ボックス席を一人で占拠する分には脚を思いきり伸ばせます。一人で使う分には、の話ですが…(苦笑)。

車端部 - 片面クロスシート

ロングシートとボックスシートの境目には、スペースの関係からか片面のみのクロスシートが存在します。2人がけということで、1〜2人での利用ならプライバシーもある程度確保されてよさげな空間に見えなくもないのですが、隣の座席が目前にまで来ている点に注目。着座してみると視覚上の圧迫感は相当のものです。
さらに窓際は(先述した)ダクトの関係で足元が狭く、実のところの居住性は言われているほど良くもないのでは…と感じずにはいられません。空いているのなら4人がけの普通のボックス席を占拠した方が良さそうに感じます。

ドア脇 - ロングシート

ドア脇はロングシートが配されており、3人がけの座席を二つ並べた6人がけとなっています。写真(右)は座面の様子ですが、見ていただいてもお分かりの通り、座面表面は擦り切れも波うちもなくきれいに維持されていました。

ドア脇 - フリースペース兼ジャンプシート

んで、その反対側は車いすやベビーカーを用いる利用者向けのフリースペースを兼ねています。手前の2人がけがそれで、実際にフリースペースとして使用する際には座席を跳ね上げて使用します。
経年のためかは知りませんが、ジャンプシートの可動部分はかなり立て付けが悪くなっており、実際に収納〜展開するのには思った以上に手間取りました。本当に必要な方のために、下手にいじらない方が良さそうです(自戒)。

トイレ側 - 優先席ロングシート

上述のジャンプシートと反対側の区画にはトイレが設けられており、その向かい側の座席は優先席となっています。この区画、車両によって作りがかなり違うのでご紹介。まず(左)はキハ40 534、(右)はキハ40 2141の様子。534は「ドア脇の3人がけ分は台座を残して座席が撤去」されているのに対し、2141はそのまま残っています。
この個体差は気になるところですが、会津若松に移籍してくる直前の所属が534は新潟、2141は仙台。新潟地区のキハ40形では、「トイレと面する座席は撤去」という例が他にもあり(>>参考。「優先席」の項)、この撤去は新潟時代に施されたと思われます。例えるならば「育った地の違い」による個体差と言えるでしょう。
座席とは何も関係ありませんが、2141(右)には仙台所属時代に使用していたと思われるワンマン機器(整理券発行機)の跡が残っています。他方、534はワンマン運転のない新潟から移籍してきたため、そもそもワンマン機器がありません。なお、2141のワンマン機器については後述します。

その他の車内設備

天井の様子。(左)がキハ40 534、(右)がキハ40 2141です。(左)は機関直結式の冷房(AU26J-A)を搭載しているのに対し、(右)は独立機関式(AU34)を搭載していることから、天井の形状が大きく異なっています。
キハ40 534は1995年以降の改造で冷房化されたグループで、室内熱交換器が荷物棚のすぐ上に設けられているのが特徴です。新津所属中に冷房化された車両は扇風機が撤去されており、天井回りはこのような荷物棚上が若干狭い構造となっているのが特徴です。
一方のキハ40 2141ですが、同車の生まれ故郷である水戸では、1980年代後半からキハ40系列への冷房化改造が始まり、同車も1987年頃に冷房化改造を受けています。この頃の冷房装置は独立機関式(冷房用のエンジンを別に設ける)であり、室内熱交換器は床下に配されていました。
上記のような経緯から、キハ40 534と比較して「天井は吹き出し口がある程度」「荷物棚回りもすっきりしている」「扇風機が残っている」のがポイントです。一般の人にとってはもはやどうでも良いことでしょうが、内装の違いという意味では避けて通れない話題なので長々語らせていただきました(笑)。
(参考:>>キハ40系列「新潟地区ロングシート車」、>>キハ47形「新潟地区クロスシート車」)

荷物棚の様子。また例によって(左)がキハ40 534、(右)がキハ40 2141です。534のタイプの網は、新津所属の車両でもちらほら見られ、新津時代に改造されたものと思われます。
(参考:>>キハ40系列「新潟地区ロングシート車」)

窓側のコートかけ(左)と通路(右)の様子。こちらはキハ40 534で撮影したものです。

キハ40 2141:扇風機

キハ40 2141に残っている扇風機のアップ(左)と、窓間のスイッチ(右)。扇風機にはJNRマークこそ残っていませんが、Jの分割民営化から30年を経て、「JR」のマークが入っている扇風機もすっかり貴重なシロモノになった気がします。

運転台直後と乗降用ドア

運転台直後の様子。ワンマン設備が搭載されていないキハ40 534(左)と、仙台での所属時代にワンマン改造されたキハ40 2141(右)となります。なお、最後の活躍場所であった只見線磐越西線では全列車ツーマンでの運行となっており、2141も整理券発行機は撤去、運賃箱は未使用となっていました。

乗降用ドアの様子。ドア周りぐらいはさすがに同じだろうと思っていたのですが、キハ40 534(左)とキハ40 2141(右)を見比べると、新津に所属歴のある534(左)は寒冷地対策からか、ドア脇に風よけのような仕切りが設けられています。これは新津所属のキハ40ではよく見られる仕様なので、やはり地域による違いなのでしょう。

トイレ

最後にトイレの様子。トイレの中身まで534と2141を比較するべきなのか迷いましたが(笑)、特に大差なかったので2141のそれをご紹介します。内部は化粧板が張り替えられて、ベージュを中心としたシックな雰囲気になっています。基本は昔ながらの「列車便所」ですが、金属の無機質一辺倒といった感じのそれとは、いい意味で一線を画す雰囲気に仕上がっているように感じます。

おまけ

夕暮の会津盆地を快走するキハ40形の車内から。(右)は例によって走行中の車内を撮影した動画となります。エンジン音、車体のきしみ音など、写真では伝わり切らないキハ40形の雰囲気をお楽しみください。

概説

デビュー年:1977年(車両)

1950年代に製造されたキハ10系を初めとする通勤用気動車の後継として1977年にデビュー。

1982年までに888両が製造され、日本全国の非電化区間で主に普通列車として用いられた。

基本は両運転台のキハ40系列、片運転台のキハ48形、両開きの乗降ドアを備えたキハ47系に大別されるが、製造後、各地へ転配されたことから必要に応じた改造を受ける車両も多く、番台区分は多岐に渡る。

現在もJR東海を除く旅客6社で使用されているが、近年は後継となる新型の気動車、ハイブリッド車の開発により、徐々に数を減らしつつある。

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