E26系「カシオペア」 ロビーカー・共用設備

目次

スイート(展望席)
スイート(メゾネット)・デラックス
ツイン
コンパート
・ロビーカー・共用設備
食堂車・食事の写真・その他

E26系「カシオペア」 – ロビーカー・共用設備

続いて12号車に連結されている「ラウンジカー」を見ていきます。

ラウンジカーも例によって2階建て構造ですが、1階は発電機などが配されて電源車としての役割も兼ねています(→「備考」も参照)

(左)はラウンジカーの全景、(右)はラウンジへ続く通路の様子。私が取材したのがクリスマス前だったためか、通路のドアノブにはご覧のようなクリスマスリースがかけられていました。

【備考】

ラウンジカーはカハフ27形となっており、全車A寝台のE26系の中で形式名に唯一「ハ」が入る(他の車両はA寝台のため、アッパークラスを意味する「ロ」)のが特徴です。

一般に“電源車”というと、発電用ディーゼルエンジンの音が非常にやかましい印象があるのですが、この「カシオペア」は防音がしっかりしているのか、車内は思いのほか静かでした。

撮影日時・場所

撮影日:2013年12月

撮影場所:上野駅 「カシオペア」号 車内

備考

・特にありません。

12号車 ラウンジカー

ラウンジカーの様子です。車内は左右にソファと椅子が並ぶスタイル。また、照明にも一工夫されており、主に足元から照らす方式にしてムードのある空間を作っているように感じます。

【コラム:「北斗星」と比べた所感】

同区間を走っていた「北斗星」のロビーカーと比較すると、「カシオペア」のラウンジカーの人影はずいぶんとまばらだったというのが印象です。

「北斗星」では出発してからしばらくすると、主に一人で旅行している人たちがお酒などを持って三々五々入ってきて、居合わせた人たちで深夜までパーティーを繰り広げるのが常でした。一人利用者が少ない「カシオペア」ゆえだったのかもしれません。

ラウンジカーを反対から見た様子(左/上)と天井のアップ(右/下)。比較用にラウンジカーの全景は、翌朝日が昇ってからの写真を掲載しています。

ソファ2種類をご紹介。ソファの配置や周辺のテーブルのデザインには曲線が多用されており、特徴的な照明も相まって映画館の待合室のような雰囲気すら感じます。

客車最後尾の展望スペース(左/上)と展望スペースのソファ(右/下)。

正面はテールマーク表示器がある関係でふさがっているものの、窓はソファ脇にまで回り込んでいます。実際にこのソファに着座してみたところ、眺望はしっかり180度確保されていました。

デッキとラウンジの仕切扉(左/上)とブルーリボン賞受賞のエンブレム(右/下)。エンブレム下には時刻表と、利用者が自由に記入できるノートが。中を見てみたところ、意外と海外旅行者のメッセージが多かったのが印象的でした。

ミニロビー・共用トイレ

5・9号車のミニロビー(左/上)と、2・7・11号車の共用トイレ(右/下)。

ミニロビーの座席モケットは、上で紹介したラウンジカーのそれと同一です。

6・10号車 共用シャワー

6・10号車には共用のシャワールームが2部屋ずつ設けられています。個室内にシャワーがない「カシオペアツイン」の利用者向けで、3号車の食堂車で事前にシャワーカードを購入(320円)して利用します。

シャワーブース内にはボディーソープ・シャンプーなどのアメニティは一切置いてないため、持ち合わせのない利用者向けにシャワーセット(430円)も販売されていました(→「備考」も参照)

【備考:「カシオペアツイン」のシャワー事情】

購入したシャワーカードには、利用できる号車と時間が記載されています。利用者は、その時間になったら指定された号車に行ってシャワーを浴びます。

利用時間の指定は、(夕方の)発車から23:00」「翌朝6:00~8:30」の中から30分刻み。しかし、編成全体で4つしかないシャワーブースで、79部屋ある「カシオペアツイン」の利用者全て(かつ多くの場合は各部屋に2人)を、この時間内で捌ききれるはずは到底ありません。

特に繁忙期は、早いと発車前の時点で売り切れとなるのが常態化していました。

上記の事情から、「カシオペア」が上野~札幌で定期的に運行されていた時は、「シャワーを浴びたければ、乗車と同時に食堂車へ直行せよ」という、いわば“攻略法”が知られていました。

シャワーブース内のドライヤー・鏡などの設備(左/上)とシャワーカード挿入口のアップ(右/下)。

このページは6ページ構成です。次は>>食堂車・食事の写真・その他 編です。

目次

スイート(展望席)
スイート(メゾネット)・デラックス
ツイン
コンパート
・ロビーカー・共用設備
食堂車・食事の写真・その他

概説

デビュー年:1997年3月

上野~札幌間で運行されていた「北斗星」の近代化を図って1997年にデビュー。「快適空間を実現した寝台列車」をコンセプトに開発された。全車両がA寝台個室で構成されている。編成は12両。

長らく上野~札幌の「カシオペア」で運行されていたが、北海道新幹線の開業準備工事に伴って2016年3月で「カシオペア」の運行は終了した。現在は旅行会社のツアー「カシオペアクルーズ」で使用されている。

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