目次
700系新幹線「C編成」 普通車
700系のロゴ(左)と駅の乗車口案内表示(右)の様子。
かつてN700系の充当便は「自由席(または指定席・グリーン車など)」「N700系」が交互に表示されており、対する700系の列車は座席種別のみの単一表示となっていました。
モケット

(左)座席 (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2019年8月26日
撮影場所:「こだま」696号 名古屋駅 車内
備考
当ページで掲載する写真は、内装のマイナーチェンジが図られたC25編成以降で撮影しています(一部を除く)。
普通車

変わって普通席の様子。写真はC25編成以降の禁煙車です。
グレー基調の内装に、青系モケットの座席とベージュの床材という組み合わせです。全体的にあっさりした(悪く言えば”殺風景”ですらある)車内において、床のベージュが視覚上の良いアクセントになっているように感じます。
車内を反対から見た様子(左)と、比較用に喫煙の普通車(右)の様子。
(右)の写真は、喫煙車の16号車で撮影しています。全体的に車内が黄色っぽく、床材のベージュがやけに濃い気がするのは、決して写真の都合ではなさそうです(笑)。
座席


禁煙車の座席(左/上)と、喫煙車の座席(右/下)のそれぞれ2人がけ。
シートピッチは100系以来の1,040mmで、足元スペースにはかなり余裕があります。また、座席モケットは滑りにくい素材を採用。座席の詰め物もかためで、普通車としての居住性は必要にして十分でした。


で、3人がけの禁煙席(左/上)と喫煙席(右/下)。
700系は、(各種文献などの記載によると)限界ギリギリまで壁際に寄せることで、通路幅を対300系比で拡大しています。そのぶん窓側の圧迫感はいかんともしがたいものがあり、座席単体の居住性としては良かっただけに勿体なさは拭えませんでした(→「備考」も参照)。
【備考:限界まで通路を広げた方法とその後】
壁を窪ませて、座席を限界まで”寄せる”方法は300系から導入された構造です。300系では窓周辺だけだった「窪み」は、700系では座席のひじ掛けあたりにまで拡大。これが通路幅の広げ方の“答え”です。
そのぶん、窓側に着座したときは写真で見る以上の圧迫感があったように記憶しています。それだけでなく、窓側のひじ掛けに腕を置くのはもはや困難でした。
座席 車端部


車端部の2人がけ。例によって、禁煙車(左/上)と喫煙車(右/下)です。
C25編成からは、大型のテーブルとコンセントが片側1口ずつ設けられていました(1車両合計4口)。
座席とは何も関係ないのですが、窓上の空調の吹き出し口が、禁煙車と喫煙車でかなり色が異なっています。長い間の活躍で、それだけヤニを拾ってきたということなのでしょう。


禁煙車(左/上)と喫煙車(右/下)の車端部3人がけ。
コンセントが座席定員分なかった理由は気になるところですが、どうやら「製造途中からコンセントをいわば”追加”したため、他の機器類や電力に干渉しない中では1車両4口が限界だった」というのが大方の説のようです(→「備考」も参照)。
【備考:利用者目線では厄介だった700系のコンセント事情】
コンセントのある編成とない編成が混在していた700系ですが、東海道・山陽新幹線では全編成が共通に運用されていました。
従って、コンセントがあるかどうかは当日行ってみないと分からず、運が悪いと「せっかく壁際の指定席を確保できたのに電源がない…」というのも日常茶飯事でした。
(さらに余談)
かつて「明日ののぞみ〇〇〇号(700系)にはコンセントがあるか?」と非鉄ヲタを装ってJR東海のコールセンターに電話したことがあるのですが、オペレーター氏は
「今のところコンセントのある編成が入る予定だが、急な変更でついてない編成がくることはある(意訳)」
と回答されていました。果たして当日はコンセントつき編成が来たので安堵しましたが、当時はコールセンターでもある程度運用を把握していたのかもしれません。
普通席 向かい合わせ状態


参考までに、3人掛け(左/上)と2人がけ(右/下)の座席を回転させた状態。
回転した時の足元のスペースはかなり狭く、定員ぴったり(4人または6人)での使用はやや窮屈に感じそうです。
普通席 正面


3人掛け(左/上)と2人がけ(右/下)の座席を、それぞれ正面から見た様子。
3人がけの中央(B席)は、ご覧のように左右幅を少し広めに確保。左右を人に挟まれた際の圧迫感を軽減する…という趣旨のようですが、実際にこのB席で新大阪~東京を乗り通したときはなんとも窮屈な2時間半だったのを覚えています(苦笑)。
11号車 車いす対応席(12A・12B)


11号車には車いす利用に対応した区画があり、この区画のみ2+2配置となっています。全景(左/上)と、車いす対応席の表記類(右/下)。
デッキと客室の仕切扉も中央に配されているほか、幅広のものが採用されているなどの違いが見られます。


車いす対応座席の全景(左/上)と展開状態(右/下)。
実際に車いすでの利用に対応しているのは12A・B席(前から2列目)のみです。車いす固定用のベルトが設けられているほか、通路側のひじ掛けも跳ね上げ可能になっています。一般席の11A・B席(壁際)と見比べてみてください(→「備考」も参照)。
【備考:テーブルのない3列目通路側の事情】
車いす対応席直後の3人がけ通路側(11C)は、上り東京方面行ではテーブルがありません。
このような場合、JR東日本の新幹線では該当の座席にインアームテーブルなどを付けて「代替のテーブル」を提供するのですが、700系も含めたJR東海の新幹線では、テーブルのない上り列車の11C席は「そもそも指定席として発売しない」そうです。
一般の方にとってはどうでも良い情報かもしれませんが、一応マメ知識として書いておきます(笑)。
禁煙車と喫煙車の違い:デッキと客室の仕切扉付近


デッキと客室の仕切扉の全景。禁煙車(左/上)と喫煙車(右/下)です。
グリーン車と同じく、喫煙車には電気集塵器が設置されているのが特徴です。
(参考)C1編成の普通車


参考として、名古屋の「リニア・鉄道館」に保存されているC1編成の車内をご紹介します。全景(左/上)と、車端部区画(右/下)。
これまで見てきた座席と比べて、座席肩部の握り手がない・車端部の区画にコンセントがない・社端部のテーブルが小型などの違いがあります。
なお、同館では座席への着座・リクライニングやカーテンの展開が禁止されているため、写真では特に何も動かさないまま撮影しています。
各種車内設備


天井を見上げた様子(左/上)と通路の様子(右/下)。
300系では天井にあった空調のダクトは、700系では荷物棚付近へ移動しました。そのためか、天井はゴツゴツした感じは一切なく、見た目にもすっきりしているように感じます。


荷物棚(左/上)と空調の吹き出し口(右/下)。
700系では、空調を荷物棚付近から吹き出す形状とし、300系で問題となった「空調の効きの悪さ」を改善しています(→空調について詳しくは>>700系「ひかりレールスター」の項で解説しています)。


壁際のテーブルのアップ(左/上)と、喫煙車にある荷物棚上の空気清浄機(右/下)。
2・6・12・15号車 公衆電話


2・6・12・15号車に設けられている公衆電話(左/上)と、テレホンカードの自販機・列車名の表示板など(右/下)。
公衆電話はドアで区切られた個室内にありました。列車名の表示は300系で導入されたもので、「今こだま〇〇号の中なんだけど~」と電話する人がどれだけいるのかは知りませんが、この700系まで受け継がれました。
余談ですが、N700系以降は仕切のない単なるブース状になっています。これも時代の流れでしょうか。
デッキ


デッキの様子。それぞれ禁煙車(左/上)、喫煙車(右/下:15・16号車)です。
喫煙車にはデッキにも灰皿が設けられており、主に禁煙車の乗客がタバコを吸うときに使われていたようです(→「備考」も参照)。
【備考:自由席の乗客は、タバコを吸いに往復〇百m歩いた?】
700系を使用する「のぞみ」「ひかり」において、自由席には喫煙車がありませんでした。
そのため、自由席の乗客がどうしても車内でタバコを吸いたくなった場合は、15・16号車のデッキまで歩いていくことになります。
しかし、もっとも近い7号車に乗っても15号車までは8両分(片道200m/往復400m)、1号車から15号車までは片道375m・往復750m(※1両25m×15両)の道のりであり、もはやちょっとした”散歩”でした。
※ 厳密には10号車も喫煙車ですが、こちらはグリーン車だったため普通車の乗客が喫煙目的で立ち入るのは厳禁とされていた記憶があります。


デッキのごみ箱(左/上)と、15・16号車のデッキにある灰皿のアップ(右/下)。
灰皿は塗装こそされているものの、基本のデザインは国鉄型の車両にありそうなものに感じます。
このページは3ページ構成です。次は>>トイレ・洗面台 編です。
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概説
デビュー年:1997年
コストパフォーマンスと快適性の両立を目指し、300・500系の次の世代を担う標準車両としてJR東海・西日本が共同開発。1997年に試作車が登場し、1999年より営業運行がスタートした。
車体は300系と同様のアルミ合金製だが、セミアクティブサスペンションなどの500系の技術も取り入れて乗り心地を改良している。16両の固定編成で、300系の3両1組のユニットをさらに見直し、4両1組としたのが特徴。編成は16両で、博多寄りが1号車。グリーン車は8・9・10号車に連結されている。
16両編成の700系のうち、JR東海が保有していた編成は「C編成」、JR西日本の保有編成は「B編成」と名付けられていたが、運用上の区分は基本的になく、共通運用されていた。2004年12月までに、C編成は61編成976両が投入されている。
後継となるN700系の登場以降、徐々に廃車が進行。2012年3月に定期「のぞみ」運用がなくなり、2017年3月で「ひかり」からも撤退。再末期は一部の「こだま」で運用されるのみとなっていた。
2020年3月改正で完全に引退。引退後、名古屋のリニア・鉄道館に量産先行車だったC1編成の先頭車(723-9001)が保存されたが、量産車は全車解体されて現存しない。
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