目次
・1号車 A寝台「ロイヤル」
・1号車 B寝台「デュエット」
・4号車 開放型B寝台
・2号車 食堂車
・3号車 ロビーカー/トイレ・シャワー棟
・EF81 138・保存車両
・ユメノバ 北斗星へのアクセス
24系25形「ユメノバ 北斗星」 EF81 138・保存車両 編
続いて、「北斗星」に連結されている電気機関車EF81 138号機を見ていきます。
ヘッドマークを掲げてホームにとまっている姿は、現役時代さながらです。後述しますが、車内は機器類が撤去され、車体側面にトビラが設けられて内部を見学できるようになりました(右/下)。
EF81 138は1979年製で、新製時は東新潟機関区に配属。その後、長岡運転所を経て1998年から青森に所属し、主にブルートレイン「あけぼの」「はくつる」などを牽引した機関車です(→「備考」も参照)。
【備考:EF81 138と「北斗星」】
一部サイトで「北斗星を牽引したEF81 138が〜」といった表記を見かけることがありますが、実は138号機が「北斗星」を牽引したことはほとんどありません。
「北斗星」は基本的に、側面に流星のマークがついた専属の機関車(いわゆるホシガマ)が牽引しており、これらはいずれも尾久の所属でした。
いっぽう138号機が所属した青森は、そもそも「北斗星」を牽く運用がない運転所です。
このように、EF81 138はこれと言って「北斗星」と縁があるわけではないものの、「茨城県ゆかりの鉄道車両を保存する」というユメノバのポリシーから保存に至ったようです。
※なお、ホシガマの急な故障時のピンチヒッターとして138が「北斗星」を牽引したことは何度かありました。
【補足:EF81 138 車歴】
| 日 時 | 内容 |
|---|---|
| 1979/04/17 | 日立で落成 東新潟機関区に配属 日本海縦貫線の貨物・客車列車で運用 |
| 1985/03 | 長岡運転所(当時)に転属 日本海縦貫線の貨物・客車列車で運用 |
| 1998/03 | 青森運転所(当時)に転属 「はくつる」「あけぼの」などで運用 |
| 2015/12/09 | 廃 車 |
| 2016/初 | 茨城県筑西市へ輸送 |
| 2024/04/ | テーマパーク「ユメノバ」 ザ・ヒロサワシティ内に開園 展示開始 |
| 2024/05/ | 宿泊受付開始 |
撮影日時・場所
撮影日:2025年10月15~16日
撮影場所:ユメノバ 「北斗星」 車内
備考
>>24系25形「北斗星」(現役時代の様子)、>>24系25形「北斗星スクエア」(同じ北斗星の客車を保存する宿泊施設)の項も併せてご覧ください。
EF81 138 車内 全景

EF81 138号機の車内全景。
びっしり搭載されていた走行用の機器はすべて撤去され、現在は見てのとおり「ブルートレインのヘッドマーク資料館」然とした空間になっています。ヘッドマークはいずれもレプリカですが、再現度はかなり高いように感じました。
※各ヘッドマークは、当ページ後半にて紹介します。
EF81 138 運転台

続いてEF81 138号機の運転台に入ります。
ユメノバの開館中は基本的に閉鎖されていますが、「北斗星」の宿泊者特典として(希望すれば)見学&写真撮影を楽しめます。2025年現在、一般人が体験できるEF81の運転台はこのユメノバが唯一です。


運転席まわりのアップ(左/上)と、運転席からの眺め(右/下)。
ブレーキ弁は実車で使われていたものを装着しているそうです。こちらも普段は盗難防止のために取り外してあるため、希望する場合はスタッフまで、とのことでした。


運転席の行路表(左/上)と、助手席側の様子(右/下)。
行路表とは、平たく言うと運転士用の時刻表のこと。取材時は、下り「北斗星」の上野~宇都宮間のそれがセットされていました。


記念撮影用の制帽・ブレーキ弁がおさまっている木箱(左/上)と、運転席後ろのブレーカー類(右/下)。
関東鉄道キハ102(旧キハ30-96)


続いて「北斗星」がたたずむホームの向かい側にいる保存車を見ていきます。
写真は関東鉄道のキハ102。元々は国鉄のキハ30-96として1966年7月23日にデビューし、1991年に関東鉄道に移籍してきた車両です。移籍当初はキハ3013を名乗っており、1997年のワンマン化改造でキハ102に改番、以後2017年まで運用されました。
ユメノバでは「鉄道図書館」となっており、開館時間中は車内も開放されています(ただし宿泊者のリクエストがあって、かつ状況や事情が許せば夜間の開放も検討可能とのこと)。


キハ102の車内全景(左/上)と、本棚のアップ(右/下)。
車内は基本的に引退当時のままですが、ロングシート間に本棚を設置して図書館としています。「鉄道ファン」をはじめとする鉄道雑誌の数々が収蔵されており、中には(右/下)のように1960年代のものまでありました。
※ キハ101も保存されていますが、車内は非公開であることから当サイトでの紹介は割愛します。
鹿島臨海鉄道7000形


続いて鹿島臨海鉄道7000形を見ていきます。
同車は1992年に登場。展望車・リクライニングシートをひっさげて鹿島臨海鉄道のフラッグシップになる…予定でしたが、メイン運用だった「マリンライナーはまなす」はわずか6年後の1998年に廃止。以降は臨時列車でたまに出てくるだけになり、あまり活躍することのないまま2015年に廃車されています。
鉄道車両としては不遇の人生だった7000形ですが、ユメノバではゲームコーナーとしての任を与えられました。キハ102と同じく、開館時間中は車内も開放されています(こちらも宿泊者のリクエストがあって、かつ状況や事情が許せば夜間の開放も検討できる模様)。


7000形の1号車(7001)の車内。
こちらは子供向けのゲーム筐体がおいてあり、利用者は自由に遊べます(無論、譲り合い前提)。いずれの筐体もかなり昔のものらしく、485系や0系など国鉄型車両が多いのが特徴です。


変わって2号車(7002)の車内。
こちらには昔のアーケード版「電車でGO!」シリーズが6台設置されており、すべて無料で遊ぶことができます。現役で稼働しているアーケード版「電車でGO!」自体が珍しい昨今では、貴重な空間と言えそうです(→「備考」も参照)。
【備考:ユメノバの「電車でGO!」事情】
7002の車内では、以下の電車でGO!が展示されています。
「電車でGO!」「電車でGO!EX」
「電車でGO!2 高速編」
「電車でGO!2 高速編 3000番台」
「電車でGO!3」
「でんしゃでゴー!!キッズ」
おまけ ヘッドマーク
さて、以降はEF81 138号機内に展示されているヘッドマークを見ていきます。
![]() | 「なは」 京都~西鹿児島 2008年廃止 「彗星」 京都~南宮崎 2005年廃止 |
![]() | 「瀬戸」 東京~高松 1998年廃止 「出雲」 東京~出雲市 2006年廃止 |
![]() | 「あさかぜ」 東京~下関 2005年廃止 「はやぶさ」 東京~熊本 2009年廃止 |
![]() | 「さくら」 東京~長崎・佐世保 2005年廃止 「富士」 東京~大分 2009年廃止 |
![]() | 「トワイライトエクスプレス」 大阪~札幌 2015年廃止 「日本海」 大阪~青森 2012年定期運行終了 |
![]() | 「ゆうづる」 上野~水戸~青森 1993年廃止 「はくつる」 上野~福島~青森 2002年廃止 |
![]() | 「あけぼの」 上野~酒田~青森 2014年定期運行終了 「カシオペア」 上野~札幌 2016年定期運行終了 |
![]() | 「みちのく」 上野~水戸~青森 1982年廃止 「鳥海」 上野~酒田~青森 1997年廃止 |
![]() | 「北陸」 上野~金沢 2010年定期運行終了 「つばめ」 岡山~博多・熊本 ※廃止時 1975年廃止 |
![]() | 「はと」 岡山~下関 ※廃止時 1975年廃止 「みずほ」 東京~熊本・長崎 1994年廃止 |
![]() | 「明星」 新大阪~熊本 1990年廃止 「あかつき」 京都~長崎 2005年廃止 |
![]() | 「ひたち」 上野~水戸・札幌 |
このページは7ページ構成です。次は>>ユメノバ 北斗星へのアクセス 編です。
目次
・1号車 A寝台「ロイヤル」
・1号車 B寝台「デュエット」
・4号車 開放型B寝台
・2号車 食堂車
・3号車 ロビーカー/トイレ・シャワー棟
・EF81 138・保存車両
・ユメノバ 北斗星へのアクセス
概説
デビュー年:2024年4月(ユメノバでの展示開始)
「ユメノバ 北斗星」とは、茨城県・筑西市に所在する「ザ・ヒロサワ・シティ」内のテーマパーク「ユメノバ」の宿泊施設。かつて「北斗星」で使用されたJR東日本の24系客車を譲り受け、2024年4月から宿泊受付を開始した。
「ユメノバ」は、ザ・ヒロサワ・シティ内の「陸・海・空・宇宙 勢揃いのテーマパーク」として2024年2月にオープンしたテーマパーク。鉄道車両のほか、消防車・船舶・航空機などの保存展示を行っている。
このうち「北斗星」は4両の客車とEF81 138号機が保存されており、A寝台ロイヤル・B寝台デュエットの合造車・食堂車・ロビーカー・開放型B寝台から構成。車内は現役末期と大きく変わっておらず、食堂車・ロビーカー内に限り飲食も可能となっている。
宿泊受付は1編成の貸切のみで、料金は1泊20万円。1~48名まで宿泊でき、大人数の場合は事前の打ち合わせにより夕食・朝食の手配が可能(別料金)。宿泊時は、これとは別にユメノバへの入場料(2,000円)が人数分必要となる。予約は電話のみだが、料金支払いは現地支払・クレジットカードのほか事前の銀行振込にも対応。
なお宿泊施設としての営業は3月中旬~10月中のみで、冬季は展示のみとなる。














