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E5系「はやぶさ」ほか – トイレ・洗面台 編


新函館北斗駅で肩を並べる2本のE5系(左/上)と、「はやぶさ」の行先表示(右/下)の様子。
列車名の緑色は東北・北海道新幹線のカラーとなっており、「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」東北新幹線はこの色で表示されます(→「備考」も参照)。
【備考:JR東日本の新幹線のカラー事情】
JR東日本の新幹線は、各路線に路線カラーが独自に割り振られており、行先表示でもそれを用いた案内がされています。
■…東北・北海道新幹線(グリーン)
■…東北・北海道新幹線(イエローグリーン:新青森以北に直通する下りのみ)
■…上越新幹線(トキ)
■…北陸新幹線(パープル)
■…山形新幹線(オレンジ)
■…秋田新幹線(ピンク)
撮影日時・場所
撮影日時:2024年12月
場所:東北新幹線 新青森駅 車内
備考
特記ない限り、当ページではU29編成以降で撮影した写真を取り扱います。
洗面台


この項目では、洗面台・トイレなどのサニタリー系設備を一気に見ていきます。洗面台の全景(左/上)と、カーテンを閉じた様子(右/下)。
洗面台の内部は、鏡の両端から半間接照明とした明るい仕上がりです。JR東日本の新幹線は、洗面台がこれまで幻想系(>>E3系1000番台・>>E3系2000番台)と実用一辺倒系(>>E2系1000番台など:※どちらも勝手に命名)のどちらかに大別されていた印象ですが、このE5系以降はこのような明るい系が主流となった感があります。


シンクのアップ(左/上)とコンセントの様子(右/下)。
角ばった白いシンクは>>E3系2000番台で初導入され、あとに各系列に波及。今日のJR東日本の新幹線では、もはや定番とも言える仕様です。
洗面台脇にはコンセントも相変わらず残存。耐用電流がなぜか10Aと異様に高めなのを見るに、恐らくヘアドライヤーやヘアアイロンの使用を想定したものと思われます。
1・3・5・7号車 女性用 洗面台


JR東日本の新幹線では、それこそ200系の時代から女性専用のトイレがありました。E5系ではそれをさらに進化させ、(トイレに加えて)洗面台も女性専用の区画があります。
トイレ側(左/上)と洗面台側(右/下)の様子。(さすがに立入・撮影しませんでしたが)トイレ内部は、他のそれと同じ仕様になっているようです。
男子小用トイレ


続いて男子小用トイレ。全景(左/上)と、手洗い台の様子(右/下)です。
便器は先端がとがったシャープな形状ですが、これも>>E2系1000番台「後期増備車」譲りの仕様です。
トイレ


男女共用のトイレの全景(左/上)と、便器・各種設備類のアップ(右/下)。
E5系からは、全てのトイレにウォシュレット・ベビーベッド・ベビーチェアが標準装備されるようになりました。設備の数は従来から相当増えていますが、整然と並んでいるためか特にゴチャゴチャした見た目には感じない気がします。


ベビーベッドの展開状態(左/上)と、入口側を見た様子(右/下)。
5号車 車いす対応デッキ・洗面台


最後に、車いす対応設備を備える5号車の各設備を見ていきます。デッキの全景(左/上)と、天井を見上げた様子(右/下)。
よく見ると車いす対応の洗面台奥にAEDコーナーが。すぐ脇には、体調不良時や授乳時に使用できる多目的室(左/上)も備わっており、動線上よく考えられた設計だなと感じます。


車いす対応の洗面台(左/上)と、シンクまわりのアップ(右/下)。
シンクは一回り大きいものが採用されているほか、車いすでの利用を考慮してシンク下に空間がある設計(=車いすがより奥まで入りやすい)なのが違いと言えそうです。
5号車 車いす対応トイレ


多目的室・AEDコーナー側の反対側は、車いす対応トイレ・洗面台の区画となっています。通路の全景(左/上)と車いす対応トイレの内部(右/下)。
内部のスペースを少しでも広く確保するため、トイレの扉は弧を描いたデザインを導入。JR東日本の新幹線としてはE5系で初導入となった仕様ですが、近年では全国的にもよく見かけるタイプに感じます。


トイレ脇のボタン類(左/上)と、着座の姿勢から入口を見た様子(右/下)。
姿見の鏡・手洗い台は、便器側・入口のドア脇の2か所に設置されており、さまざまな利用に対応した設計となっているようです。
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概説
デビュー年:2011年
東北新幹線を始めとするJR東日本管内の新幹線の高速化、及びE2系などの後継車として2011年3月にデビュー。
先に登場していた試験車両「FASTECH 360S」の試験データを反映し、走行性能と快適性の両立を図った。高速運転に伴う騒音防止のため、ロングノーズの先頭形状や、車両連結部分の全周ホロなど数々の新機軸を備える一方で、フルアクティブサスペンションや車体傾斜装置を導入するなど快適性にも配慮している。
編成は10両で東京寄りが1号車。9号車はグリーン車、10号車はファーストクラスのような位置づけである「グランクラス」が国内で初めて設定されている。
インテリアのコンセプトは「Exclusive Dream-特別な旅のひとときをあなたに」であり、普通車にも全席に上下可動式のピローがついたり、女性専用の洗面台スペース設置など、車内設備にも新しい取り組みが多く見られるのが特徴。
現在は東北・北海道新幹線の全線で、「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」に幅広く運用。このうち「はやぶさ」(一部除く)ではグランクラスアテンダントによるフリードリンクなどの車内サービスも実施されている。