キハ185系3100番台「予讃線」
※ トイレ休憩や旅程計画の話は>>ページ終盤にて紹介
四国のキハ185系というと特急のイメージが強いですが、実は「普通列車専用のキハ185系」が存在するのをご存じでしょうか。それが、当ページで取り上げるキハ185系3100番台です。
同車は、松山・宇和島エリアの普通列車用として特急用のキハ185系1000番台を改造したもので、1999年に登場しました。3100番台化にあたっての変更点は意外にも少なく、特急車時代の雰囲気をよく残しているのが特徴です。
そんなキハ185系3100番台ですが、2026年現在の運用は松山~宇和島の普通列車1往復のみ。沿線住民でもない限り、全区間乗るには松山または宇和島に前泊が(ほぼ)必須という、非常に乗車難易度の高い車両だったりします。さっそく車内を見ていきましょう。
モケット

(左)座席 (中)座席 (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2026年2月
撮影場所:予讃線 伊予石城駅ほか 車内
備考
特にありません。
車内全景 その1
※ 取材車:キハ185-3110

キハ185系3100番台には、大きく分けて2通りの内装がありますが、まずは“多数派”から見ていきます。
座席カバーはビニール製のポケットタイプに変わっていますが、このアングルから見る分には特急時代と大きな違いはありません。座席モケット自体は>>キハ185系の特急車(「剣山」の項参照)で見られるのと同じです。


車内を反対から見た様子(左/上)と、天井の様子(右/下)。
後述しますが、3100番台化に伴って座席の背面テーブルは撤去されています。
座席


座席の様子。一般区画と(左/上)と車端部(右/下)です。
改造に伴って座席のリクライニング機構は封じられているほか、背面テーブル・網ポケットなどはまるっと撤去されており、事実上「回転クロスシート」化されていると言えそうです。
「リクライニングできなくても特急用の座席なんでしょ?」…と思うことなかれ。背もたれが見ての通りほぼ直立なので、(腰はもちろん)特に首に負担がかかります。見た目のわりに、居住性はあまり高いとは言えないように感じました。
車内全景 その2
※ 取材車:キハ185-3106

続いて、車内のまた別の例。こちらは、キハ185系3100番台としてのデビュー時からのモケットを残しているタイプです。
かつては特急用のキハ185系でも見られましたが、2010年頃から順次「車内全景 その1」のモケットに張替が進行。現在、このモケットが日常的に拝めるのは3100番台が唯一となっています。


反対から見た様子(左/上)と通路の様子(右/下)。
座席


一般席区画(左/上)と車端部区画(右/下)の様子。
座席のフレーム自体は、「車内全景 その1」で紹介したものと同じです。モケットは経年ゆえかやや色あせが進行していますねぇ。
運転席 直後の区画


運転席直後の全景(左/上)と、座席の様子(右/下)。
運転席直後のデッキには車掌台側(進行方向右側)の仕切りに窓が入っており、デッキ越しではありますが前面展望が楽しめます。進行方向前寄り車両の16A・16B席がこちらなので、興味のある方はぜひ始発駅で並ぶなどして狙ってみてください。
座席正面


座席を正面から見た様子。「その1」(左/上)と「その2」(右/下)です。
一見では単なるモケット違いですが、よく見ると座席肩部の握り手も微妙〜に色が異なっています。座席モケットの張替時に、手すりも塗り直しが行われたようで、実際に見比べると写真で見る以上に違って見えました。


座席背面のアップ(左/上)と、車端部区画の化粧板(右/下)。
3100番台化に伴ってテーブル・網ポケットは全て撤去されました。とくに車端部は、撤去跡のビス止めが特に隠すこともなくそのまま残っており、うっすらとですがテーブル跡の輪郭も見えます。
その他の車内設備


荷物棚(左/上)と窓間のコートかけ(右/下)。


空調の吹出口(左/上)と、「優先座席」のピクトグラム(右/下)。
車端部区画の片側(各車1A/B・16C/D席)は優先席となっています。一見“ほぼ特急車”なキハ185系3100番台ではありますが、こういうところはしっかり普通列車用としての体裁を整えている印象でした。
なお、座席そのものは他の区画と同一です。
貫通路


デッキと客室の仕切扉(左/上)と、扉わきの温度計(右/下)。
仕切扉は自動式のまま使用、座席種別のプレート(ドア上の「自由席」)も残るなど、3100番台化で特に変わった点はなさそうです。
その他の車内設備


デッキに移ります。全景(左/上)とデッキのゴミ箱(右/下)。
キハ185系は普通列車としての運用も考慮された設計になっており、ドアの開口部やデッキ部分の通路幅は広めにとられています。3100番台化にあたってはそれが生きたのか、デッキ部分は特に改造されることなくそのまま使用されているようです。


ドアの注意喚起表記(左/上)とデッキ部分の通路(右/下)。
キハ185系3100番台にはトイレ・洗面台がないため、デッキ部分の通路は至極あっさりとしています。床材はやや年季が入り始めていますが、これは経年ゆえ仕方ないところでしょうか。


運転台直後のデッキ(左/上)と、先頭部に向かって(右/下)。
車掌台側(運転席と反対側)はシースルー構造となっていますが、これはキハ185系共通の仕様です。
おまけ

伊予大洲駅でのキハ185系同士のすれ違い(左/上)と、おまけとしてキハ185系3100番台で撮影した動画をご紹介(右/下)。
動画内では、宇和島駅停車中の様子・宇和島出発後・松山駅到着前の様子がご覧いただけます。写真では伝わりきらない、キハ185系3100番台の様子・雰囲気をぜひご覧ください。
乗車時のミニ情報
キハ185系3100番台に乗ってみたい!という方向けの内容を「ミニ情報」としてまとめました。列車名・列車番号をクリックすると、JR西日本「JRおでかけネット」の時刻表ページへリンクします。
※いずれも2026年2月現在
- 運用
- 全区間で乗車したい場合は、松山・宇和島のいずれかに前泊がほぼ必須(沿線住民は除く)
- 厳密には、高速バス「京阪神ドリーム松山号」(京都・大阪・三宮~松山)なら松山駅に5:40に到着でき、理論上は911Dへ乗継できなくもないがあくまで“理論上”である。
- バスが遅れても、松山6:49発の>>特急「宇和海」3号に間に合えば伊予大洲で911Dに追いつける。…が、いずれにしても個人的にはやはり前泊を推奨)
- 611D・928D列車の行き違いは伊予大洲駅
- キハ185系3100番台同士の並びが見られる。
- ただしどちらも7:51発であり、両者が並んでいるのは1分未満である点に注意。
- トイレに行ける駅
この他にも「これは重要」という情報がありましたら、ぜひ当サイトまでお寄せください。内容確認の上、掲載させていただく場合があります。
概説
デビュー年:1999年(キハ185系3100番台としてのデビュー)
松山・宇和島地区で運用されてきたキハ58系列の老朽置換用として1999年にデビュー。
当時余剰となっていた特急用キハ185系1000番台を普通列車用に格下げ改造したものだが、改造は塗色の一部変更と座席リクライニングの固定化、前面ヘッドマークの字幕化、他系列との併結用のジャンパ管設置などと最低限にとどまっている。1999年に2両×4編成の合計8両が改造された。
なおキハ185系を名乗っているが、ジャンパ管はキハ32やキハ54との併結に対応したものになっており、特急仕様のキハ185系との併結はできない。
2020年3月以降は、松山~宇和島を早朝に走る普通列車に1往復運用されるのみ。かつては予土線(松山~江川崎)でも運用があったほか、現在も故障時のピンチヒッターなどとして、きわめてまれに予土線で運用されることがある。
なお、3100番台デビューの翌2000年にはキハ185系0番台を種車に、同じ改造を施した3000番台が2両登場した。この車両は、種車時代からのトイレ・洗面所がそのまま残っていたが、2006年の特急「むろと」増発時に特急仕様に再改造されて現存しない。

