水間鉄道1000形
南海電鉄に接続する貝塚から水間観音までを結んでいる水間鉄道。車両は東急の7000系を譲り受けた1000形が使用されており、当初は水間鉄道でも7000系を名乗っていました(→「備考」も参照)。
1000形には製造当初から先頭車だった車両(左/上)と、水間鉄道への移籍時に先頭車化改造した車両(右/下)があり、「顔」が2種類あるのが特徴です。なお、内装面はどちらも全く共通なので、当ページでは一括して取り扱うことにします。
新製は1963~1964年と“還暦入り”した車両ですが、まだまだ現役で貝塚市のローカル輸送を支える1000形。さっそく車内を見ていきましょう。
【備考:7000系から1000形へ】
1000形は、水間鉄道への移籍後しばらくは(東急時代と同じ)7000系を名乗っていました。2006年からスタートした更新工事に伴って形式番号が1000形に改められ、現在に至っています。
なお、更新工事の対象から外れた1編成(7003F ※)は運用を離脱しており、現在は1000形のみが営業線上で使用されています。
※車籍が残っているかは不明
モケット

(左)座席 (中)優先席 (右)床
撮影日時・場所
撮影日:2025年12月
撮影場所:水間鉄道線 水間観音駅ほか 車内
備考
特にありません。
車内全景

車内の全景。
車内は1000形への改造時に大きくリニューアルされており、座面・床材・化粧板が総交換されています。写真は貝塚寄りの先頭車(車番が奇数)で撮影したもので、空調の吹出口が大ぶりなサイズなのが特徴です。


で、水間観音寄りの先頭車(左/上)と、座席間の通路の様子(右/下)。
水間観音寄りの先頭車(車番が偶数)は空調の吹出口が小型になっており、またこちらには扇風機が残されています(→「備考」も参照)。
【備考:水間鉄道1000形の装置事情】
1000形の冷房化は、先頭車化改造車は改造時に、原型の先頭車を残す車両は水間鉄道への移籍後に行われています。
ただ、私が取材時に確認したところ、冷房装置の形状そのものはどちらも同一のようでした。
※確認した編成は1003-1004F、1005-1006F
座席


ドア間の座席(左/上)と、座面のアップ(右/下)。
座席は5人がけを二つ並べた10人がけとなっています。モケットは1000形化の際に交換されていますが、取材時は座面に“やや年季を感じる箇所”がチラホラありました。
水間観音寄り 車端部


車端部の全景(左/上)と座席のアップ(右/下)。水間観音寄りの車端部は、ご覧のとおり一般席となっています。
座席はメンテナンスがしっかりされているのか、車両の経年を考えればかなりしっかりした座り心地に感じました。ただ、さすがに内部スプリングの“限界”は感じましたが…(苦笑)。
貝塚寄り 優先席


優先席区画を外から見た様子(左/上)と、優先席の全景(右/下)です。
貝塚寄り先頭車の車端部は優先席となっており、シルバー調の座席モケットで区別されています。


優先席の座席(左/上)と、座面のアップ(右/下)。
かなり明るいシルバーゆえか、汚れ(と年季)がどうしても目立ってしまうのは致し方ないところでしょうか。遠巻きに撮るとそうでもありませんが(左/上)、近寄って見ると(右/下)どうしても目についてしまう気がします。
ワンマン機器


運転台後ろの全景(左/上)と、運賃箱のアップ(右/下)。
運賃箱は、バスなどでも見かける小田原機器製のものを搭載しています。全景がえらくナナメ撮りですが、私自身の映り込みを回避するためなのでどうかご勘弁を…(苦笑)。


整理券発行機・ICカードリーダー(左/上)と、貫通路上の案内表示器(右/下)。
案内表示器は運賃表示も兼ねており、これもバスで見かけるのと同じ機器のようです。表示器の左右には「稲籾童子」と「金財童子」が貼られていますが、これは水間鉄道の清児駅~水間観音駅~水間寺までの散策路に設置された「厄除け十六童子」の2尊とのこと(→「備考」も参照)。
【備考:厄除け十六童子とは?】
水間街道沿いに2020年9月に設置されたもので、水間地区で伝えられてきた水間寺の開祖行基上人を観音菩薩に導くという「十六童子伝説」にちなんだとのこと。
清児駅に1尊、水間観音までの散策路(水間街道)沿いに15尊が設置されているそうです。
貫通路


貫通路(左/上)と、通路上の非常通報ボタンなど(右/下)。
東急の車両はかつて、貫通路が妙に幅広いのが特徴でした。この仕様は8000・8500系まで継承され、9000系以降は他社でも見られるような一般的な開口幅となっています。
その他の車内設備


天井の様子。それぞれ貝塚寄り先頭車(左/上)と、水間観音寄りの先頭車(右/下)です。
空調装置が張り出していないぶん、水間観音寄り先頭車のほうが幾分車内が明るく感じます。


荷物棚(左/上)とつり革の様子(右/下)。
つり革は、水間鉄道の沿線には全く関係ないはずの「渋谷109」の文字がチラホラ。移籍前からそのまま使用しているようです。


座席下のヒーター(左/上)と、座席両端の仕切り棒(右/下)の様子。
仕切り棒は、座席下で途切れる珍しい形状です。これは東急7000系の仕様らしく、同じ元・東急7000系の>>弘南鉄道7000系などでも見られます。
ドア


乗降用ドアのアップ(左/上)と、ドア上の広告枠(右/下)。
広告枠は「おりぐち」の案内スペースに転用されています。
おまけ 扇風機


おまけで、水間観音寄り先頭車の天井に残る扇風機(左/上)と、「Toshiba」ロゴのアップ(右/下)。
この「Toshiba」ロゴは1980年代前半まで使われていたCIです。
概説
デビュー年:1990年(水間鉄道7000系でのデビュー)
老朽化した501形の置換用として1990年にデビュー。
元・東急電鉄の7000系を譲り受けたもので、水間鉄道へは2両編成5本の計10両が入線した。移籍にあたっては東急からの譲受時にワンマン化改造・冷房化改造(7001Fを除く)を行ったほか、一部車両は中間車を改造して先頭車としている。系列番号は、東急時代から引き続いて7000系を名乗っていた。
2005年から行先表示のLED化・バリアフリー対応・塗色変更・一部機器の交換など、内外装の更新を開始。更新工事が行われた車両は1000形となった。なお更新工事の対象から外れた7003Fは運用を外れており、2026年現在は2両編成4本が水間鉄道で運用されている。

