関東鉄道キハ2100形

関東鉄道キハ2100形

JR常磐線と接続する取手から、守谷を経て下館までを結ぶ関東鉄道 常総線。このエリアは気象庁の地磁気観測所がある関係で、首都圏では珍しく非電化なのが特徴です。

そんな常総線を支える車両の一つが、この2100形。一見全て同じに見えながら、実は細かい仕様の違いから形式名は多岐にわたっており、突き詰めていくとかなり奥が深そうな車両のようです。

写真は下館駅に停車中の2100形。2両×6編成が存在し、常総線では最多勢力です。さっそく車内を見ていきましょう。

モケット

(左)座席 (中)優先席 (右)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2025年10月

撮影場所:関東鉄道常総線 下館駅 車内

備考

特にありません。

車内全景

車内の全景。

座席両端の仕切りや座席本体の形状などに、同時期デビューの京成3700形の要素をチラチラと感じる車内です。関東鉄道は長らく京成電鉄との関係が深く、そういったところが影響しているのかもしれません(→「備考」も参照)

【備考:関東鉄道の生い立ちについて】

そもそも関東鉄道は、1961年に常総筑波鉄道と鹿島参宮鉄道が合併して発足した企業です。

両社は合併前から京成電鉄が資本参加しており、関東鉄道として合併後も京成電鉄が3割ほどの株式を保有する「京成の持分法適用会社」であったなど、その関係は一貫して密接でした。

なお、京成電鉄は2019年に関東鉄道の連結子会社化を経て、2024年には完全子会社化するに至っています。

座席

ドア間の座席(左/上)と、座面のアップ(右/下)。

ドア間の座席は10人がけです。クッションはやや柔らかめではありますが、身体のかたちに成型された構造(=いわゆるバケット構造)ゆえ座り心地は悪くありません。

座席両端の仕切り(左/上)と、座席下(右/下)の様子。

座席下には通風孔のような穴がありますが、これは冬場に使用するヒーターの吹出口とのこと。長~い8人がけで吹出口がこの1つだけとなれば、その真上に座った人は相当暑そうな気もしますが…その感想は、冬場に乗車することがあったらまたレポしてみたいと思います(笑)。

下館寄り 車端部

下館寄り車の車端部全景(左/上)と、そのロングシート(右/下)。

車端部は6人掛けとなっており、下館寄り先頭車の車端部は一般席となっています。

取手寄り 車端部 優先席

取手寄りの先頭車の車端部は、片側が優先席となっています。全景(左/上)と、優先席区画のアップ(右/下)。

優先席はブルー系のモケットを採用。後述しますが、優先席は下館寄りが定位置となっているようです。

下館寄り 優先席

で、下館寄り先頭車は運転台直後のドア間8人がけロングシートを、部分的に優先席として対応しています。全景(左/上)と、その座席部分(右/下)。

10人がけ席の半分を優先席とすることで、先の取手寄り先頭車と同じ優先席定員を確保しています。

車内設備

天井(左/上)と荷物棚の様子(右/下)。

天井はラインデリア(換気扇)冷房が備わっており、1980年代後半以降の通勤型車両でよく見かけるデザインです。

つり革(左/上)と通路の様子(右/下)。

つり革は丸型ですが、単なる“昔ながら”なのか、あるいは「つり革は丸型」がスタンダードな親会社の京成譲りなのかは不明です。果たしてどちらなのでしょう?(笑)

貫通扉上の「危険物持込禁止」のプレート(左/上)と、車番の表記・禁煙サインなど(右/下)。

車いすスペース

運転台直後の区画は見ての通り、車いすスペースとなっています。全景(左/上)と、車いすスペースのアップ(右/下)。

2100形は、関東鉄道としては初めて車いすスペースを設置した車両なのだとか。一見「もともとの2~3人がけ席を撤去して転用したのかな」と思えなくもない空間ですが(笑)、特に座席の撤去跡などもなく新造時からの仕様のようです。

ドア

ドアの全景(左/上)と、ドア上のLED表示装置(右/下)。

概説

デビュー年:1993年

関東鉄道常総線で使用されてきた旧型気動車の置換を目的として、1993年にデビュー。

新潟鐵工所(現・新潟トランシス)の標準形気動車「NDC」シリーズをベースとした設計ではあるが、通勤輸送が多い常総線固有の事情から、車体は両開き3ドア、車内はオールロングシートと他NDCシリーズ車とは一線を画す仕様となっている。

関東鉄道では初となるCCS装置を制御装置として取り入れ、変速や進段をコンピューターにより自動化した。一方でブレーキ装置は旧式の自動ブレーキを採用するなど、旧型車との併結も考慮した設計ではあるが、営業運転での実績はない。

2026年1月現在、2100形は常総線に2両×6編成の合計12両が在籍し、同線では最多数派となっている。このほか、竜ケ崎線用に仕様変更した2000形、2100形の単行車である2200形、2100形の足回りをさらに進化させた2300形、2300形の単行車である2400形が存在するが、大まかな内装は共通。