24系25形「ザ・ヒロサワ・シティ ユメノバ 北斗星」 食堂車 編

目次

1号車 A寝台「ロイヤル」
1号車 B寝台「デュエット」
4号車 開放型B寝台
2号車 食堂車
3号車 ロビーカー/館内設備(製作中)

ユメノバ 北斗星へのアクセス

24系25形「ユメノバ 北斗星」 食堂車 編

続いて2号車の食堂車「グランシャリオ」に移りましょう。ユメノバではスシ24 505が保存されています。

元々は485系列の食堂車サシ481-68として1973年にデビューするも、特急列車の食堂車が全国的に廃止されたのを受け、わずか12年で編成から離脱。以降、特に運用のないニート状態だったところで1989年に「北斗星」の“食堂車要員”に抜擢され、奇跡的に命拾いした経歴の車両です。

車体側面の業務用扉(左/上)と、「2号車」「北斗星」サボの様子(右/下)。

もともと特急車だったため、(高い車高が求められる)寝台車と比べてかなり天井が低くなっているのがお分かりいただけるかと思います。

【補足:スシ24 505 車歴】

日 時内容
1973/09/22サシ481-68として日立で落成
青 森に配属
「白鳥」「いなほ」ほかで運用
1982/11/15ダイヤ改正により食堂営業休止
1985/03/14編成から外れる
1989/03/10尾 久へ転属
改造で24系に編入、スシ24 505となる
「北斗星」「夢空間北斗星」で運用
2015/03/14「北斗星」廃止 定期運用消滅
2015/08/22「北斗星」臨時列車としても運行終了
運用消滅
2015/12/5廃 車
2016/10/24茨城県筑西市へ輸送
2024/04/テーマパーク「ユメノバ」
ザ・ヒロサワシティ内に開園 展示開始
2024/05/宿泊受付開始
参考URL:https://www5.big.or.jp/~hagi/rail/

モケット

(左)モケット (中)カーテン (右)カーペット

撮影日時・場所

撮影日:2025年10月15~16日

撮影場所:ユメノバ 「北斗星」 車内

備考

>>24系25形「北斗星」(現役時代の様子)、>>24系25形「北斗星スクエア」(同じ北斗星の客車を保存する宿泊施設)の項も併せてご覧ください。

2号車 食堂車 「グランシャリオ」 全景

「グランシャリオ」の全景。

写真は元・札幌方を向いて撮影しています。食堂車とロビーカーだけは車載の空調が使用できなかったそうで、写真奥に一般家庭用のエアコンが設置されていますが、それ以外は現役最末期の雰囲気がそのまま残っていました。

天井を見上げた様子(左/上)と、比較用に昼間の時間帯に元・上野方を向いた様子(右/下)。

カーペットが一部スレてきているのは、ユメノバに来てからすでに10年が経過している致し方ないところでしょうか。

2号車 食堂車 「グランシャリオ」 設備

4人がけ(左/上)と2人がけ(右/下)の様子。

現役時代にあったテーブルクロスがない点を除き、特に変わった点はありません。ユメノバのグランシャリオでは飲食もOKとのことなので、ここで食事をしながら往時を偲ぶのも悪くなさそうです。

【備考:グランシャリオのコンセント事情】

窓際のテーブルランプは、テーブル下のコンセントにつながっています。スタッフの方いわく、このコンセントは

調理器具など法外に電力を消費するものでない限り、スマホの充電などで使用してOK(意訳:※も参照)

とのこと。どうしてもスマートフォンなどを充電したい場合は(テーブルランプは消えますが)こちらも使用できそうです。

※ ちなみにこれは本当にあった話らしく、その際はブレーカーが落ちて宿泊者にも面倒がかかったとか。私の宿泊時には、「使う場合はカメラやスマートフォンの充電程度にしてもらえたら」とのお願いがありました。

間接照明(左/上)と、窓間のコートかけ(右/下)のそれぞれアップ。

コートかけは他であまり見ないデザインですが、調べたところサシ481時代のものをやや下に移設の上、そのまま使用していたようです。

上野方の仕切扉(左/上)と、「グランシャリオ」のロゴ(右/下)。

「GRAND CHARIOT」の文字は、金メッキ板の上に刻字。ややキズはありますが、かえって暖かみのある風合いになっているように感じます。

2号車 食堂車 「グランシャリオ」 レジ周り

続いてレジ周りの全景(左/上)と、冷蔵庫・電子レンジなどの様子(右/下)。

電子レンジ下の冷蔵庫は現役時代からのもので、宿泊者は自由に使用可能です。当然、業務用なので(実体験として)飲み物はギンギンに冷えます(苦笑)。飲み物を保管するときは“冷えすぎ”に注意しましょう。

この場所にはこのほかゴミ箱・パイプ椅子も備わっており、必要に応じて使用してよいとのことでした(→「備考」も参照)

【備考:「グランシャリオ」の定員事情】

グランシャリオの定員は28名です(2人がけ×6、4人がけ×4)

ユメノバの「北斗星」は最大48名まで泊まれるため、状況によってはこのパイプ椅子が威力を発揮するかもしれません。

なお参考までに、私の周りで宿泊した人・幹事を務めた人に聞いたところでは、「(現役時代と同じ)2部の入れ替え制」にすることで対応した例が多かったようです。

通路に面したところ(左/上)と、Suica決済の案内シール(右/下)。

通路部分には冷水器もありますが、こちらは使用停止中でした。消火器は、現役時代と同じ場所に2本を設置しています。

法令上、鉄道車両には1両に1本消火器を設置することとなっていますが、2本なのは火気を伴う食堂車ゆえでしょうか。ちょっとした、“食堂車ならでは”の光景かもしれません。

2号車 食堂車 「グランシャリオ」 通路

札幌方の通路(左/上)と、手洗い台のアップ(右/下)。

札幌方は厨房がある関係で、通路は車両の片側に寄せられていました。

業務用の扉(左/上)と、ロビーカー方面に続くデッキの様子(右/下)。

現役時代、この扉は主に食材の積み込みに使われていました。食堂車では唯一のドアであり、ユメノバでは「非常口」のシールが貼ってあることから、現在も開けることはできなくはないようです(無論、非常時限定)

また、この区画は空調がないためか、車内には大型のサーキュレーターが設置されていました。

2号車 食堂車 「グランシャリオ」 厨房

続いてグランシャリオの厨房に入ります。札幌方(左/上)、上野方(右/下)をそれぞれ向いた様子。

厨房の器具類・水道は通電・通水しておらず、厨房としての使用はできません。現役時代には左右の壁や台の下にある棚という棚に、食器がところ狭しと並んでいたそうです。

業務用レンジとポット(左/上)、電熱式のコンロなど(右/下)。

このポットは(使用しなかったため推測ですが)ユメノバの備品でしょうか。電熱式コンロは、よく見ると下がオーブンになっており、これ1台で最大7つを同時に調理できるシロモノでした。

コンロの反対側は洗い場となっており、シンク(左/上)と「水を大切に」のプレート(右/下)の様子。

壁部分の「水を大切に」は、サシ481時代からのものでしょうか。搭載できる水が限られる中、「水をいかに無駄遣いしないか」が、いわば至上命題だったのが垣間見えるポイントと言えそうです(→「備考」も参照)

【備考:グランシャリオの水事情】

グランシャリオの種車となったサシ481時代には、床下に1000Lの水タンクを4本、「グランシャリオ」化は同3本が搭載されていました。

厨房側の業務用扉・冷蔵庫(左/上)と、従業員トイレ(右/下)の様子。

こんなところに従業員専用のトイレがあったのを、私もユメノバで初めて知りました(苦笑)。扉は施錠されており、「尾久車両センター」の名で使用禁止とする旨の張り紙も。どうやら、現役末期の時点ですでに使用されていなかったようです。

このページは6ページ構成です。以後製作中です。

目次

1号車 A寝台「ロイヤル」
1号車 B寝台「デュエット」
4号車 開放型B寝台
2号車 食堂車
3号車 ロビーカー
館内設備(製作中)
ユメノバ 北斗星へのアクセス

概説

デビュー年:2024年4月(ユメノバでの展示開始)

「ユメノバ 北斗星」とは、茨城県・筑西市に所在する「ザ・ヒロサワ・シティ」内のテーマパーク「ユメノバ」の宿泊施設。かつて「北斗星」で使用されたJR東日本の24系客車を譲り受け、2024年4月から宿泊受付を開始した。

「ユメノバ」は、ザ・ヒロサワ・シティ内の「陸・海・空・宇宙 勢揃いのテーマパーク」として2024年2月にオープンしたテーマパーク。鉄道車両のほか、消防車・船舶・航空機などの保存展示を行っている。

このうち「北斗星」は4両の客車と牽引機であったEF81 138号機が保存されており、A寝台ロイヤル・B寝台デュエットの合造車・食堂車・ロビーカー・開放型B寝台から構成。車内は現役末期と大きく変わっておらず、食堂車・ロビーカー内に限り飲食も可能となっている。

宿泊受付は1編成の貸切のみで、料金は1泊20万円。1~48名まで宿泊でき、大人数の場合は事前の打ち合わせにより夕食・朝食の手配が可能(別料金)。宿泊時は、これとは別にユメノバへの入場料(2,000円)が人数分必要となる。予約は電話のみだが、料金支払いは現地支払・クレジットカードのほか事前の銀行振込にも対応。

なお宿泊施設としての営業は3月中旬~10月中のみで、冬季は展示のみとなる。

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