目次
・1号車 A寝台「ロイヤル」
・1号車 B寝台「デュエット」
・4号車 開放型B寝台
・2号車 食堂車/3号車 ロビーカー(製作中)
・館内設備(製作中)
・ユメノバ 北斗星へのアクセス
24系25形「ユメノバ 北斗星」 開放型 B寝台編
変わって最後尾の開放型B寝台を見ていきます。
保存車にはオハネフ25 12を選定。「北斗星」が定期列車だった時代は、もっぱら喫煙の11号車として運用されていた車両です。2015年3月の「北斗星」臨時化後も残存し、主に禁煙の5号車(とまれに1号車)として、7月下旬まで運用されていました。
ドア上の「B寝台」の表記(左/上)と、夜のホーム上での様子(右/下)。
【補足:オハネフ25 12 車歴】
| 日 時 | 内容 |
|---|---|
| 1974/03/22 | 富士重工にて落成 向日町に配属 「あかつき」「彗星」などで運用 |
| 1980/10 | 青 森へ配属 「ゆうづる」「日本海」などで運用 |
| 1989/03/11 | 尾 久へ転属 「北斗星」「エルム」 「夢空間北斗星」で運用 |
| 2015/03/14 | 「北斗星」廃止 定期運用消滅 |
| 2015/08/22 | 「北斗星」臨時列車としても運行終了 運用消滅 |
| 2015/12/5 | 廃 車 |
| 2016/12/ | 茨城県筑西市へ輸送 |
| 2024/04/ | テーマパーク「ユメノバ」 ザ・ヒロサワシティ内に開園 展示開始 |
| 2024/05/ | 宿泊受付開始 |
モケット
(左)モケット (中)カーペット (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2025年10月15~16日
撮影場所:ユメノバ 「北斗星」 車内
備考
>>24系25形「北斗星」(現役時代の様子)、>>24系25形「北斗星スクエア」(同じ北斗星の客車を保存する宿泊施設)の項も併せてご覧ください。
4号車 開放型B寝台


開放型B寝台の通路(左/上)と、天井を見上げた(右/下)様子。
写真は予備灯(照明器具まんなかの電灯)しか点灯していませんが、スタッフの方によると現在はこれしか点かないとのこと。予備部品の都合だそうで、宿泊時はこの状態で一晩を明かすことになります(→「備考」も参照)。
【備考:開放型B寝台、夜はわりと暗いです】
のちほど(許可を得ての上)車掌室の室内灯スイッチを操作してみたのですが、やはり通路の照明は点灯しませんでした。
特に夜間は通路がとても暗くなるので、車内の撮影を検討されている方はご注意ください。当サイトでも、本項はすべて翌朝に撮影した写真を掲載しています。
4号車 開放型B寝台 寝台 全景

寝台ボックス部分の全景。
寝台モケットやカーテン類の換装・通路のカーペット化などは行われていますが、「北斗星」の中ではもっともオーソドックスな寝台でした。


例によってリネンをセットした様子(左/上)と、リネンをセットした下段のアップ(右/下)。
4号車はこの寝台ボックスが8区画あり、合計32名まで宿泊できます。
4号車 開放型B寝台 寝台部分


下段寝台(左/上)と、上段寝台(右/下)の様子。
このピンク系のモケットは、JR東日本所属車の「北斗星」でのみ見られたタイプです。なお、同じ柄でブルー系のモケットもあったようですが、私は撮影し損ねています。


下段寝台(左/上)と上段寝台(右/下)を、それぞれ正面から見た様子。
上段寝台の両端には、何やら金属製のアームのようなものが伸びていますが、これは「寝台昇降装置」。寝台をセットする係員の便を図ったもので、上段寝台が50cm上下に昇降できる機構でした(→「コラム」も参照)。
【備考:寝台昇降装置って?】
B寝台の「自動昇降装置」は、寝台のセットを行う作業員の負担軽減を図って導入されたものです。3段式B寝台の14系14形で初導入され、その後24系24形(3段式)~24系25形(2段式)0番台に水平展開されました。
しかし、3段式→2段式になって作業員の負担が減ったこともあり、1976年以降の増備からは上段寝台を固定化した100番台へ移行しています。
(参考)
寝台昇降装置を廃した24系25形100番台。アームや金具類がなくなり、見た目もすっきりしている。写真は>>岩泉CYMBALSでの保存車。


例によってリネンをセットした状態。下段(左/上)と上段(右/下)です。
4号車 開放型B寝台 寝台まわりの設備


続いて寝台まわりの設備を見ていきます。転落防止サク(左/上)と、コートかけの様子(右/下)。
サクは大きめのものに交換されていますが、これは現役時代に行われた改造とのこと(時期不明)。現役時代には製造当初からのサクを残していた車両もあり、個体差があったようです。


読書灯(左/上)と小物置き場(右/下)。
ちなみに、ユメノバの開放型B寝台にはコンセントがありません。ロビーカーに充電用の共用コンセントはありますが(別ページにて掲載予定)、枕元で充電したいような場合はモバイルバッテリーなどを持参するようにしましょう。


窓際のテーブル(左/上)と、「センヌキ」のアップ(右/下)。
センヌキは現在も残っていますが、ユメノバの開放型B寝台内は飲食禁止です。あくまで見るだけにしましょう。
4号車 開放型B寝台 天井まわり


寝台部分の天井(左/上)と、通路上の荷物スペース(右/下)。
通路の天井は予備灯のみの点灯ですが、寝台部分は見ての通り照明・読書灯がすべて点灯します。ここで夜に少しだけ過ごしてみた限り、手元の明るさは必要最低限ですが確保されているように感じました。
4号車 開放型B寝台 寝台のハシゴ


寝台のハシゴを、収納した状態(左/上)と展開した状態(右/下)。
ユメノバでは、ハシゴは収納状態が基本となっているようです。ハシゴの展開は左右の取っ手を引っ張るだけですが、ゆっくり扱わないとまぁまぁな音がする(実体験)ので丁寧に引き出すようにしましょう。
4号車 開放型B寝台その他の車内設備


通路のジャンプシート(左/上)と、窓下のヒーターの様子(右/下)。


非常用の脱出ハンマーのカバー(左/上)と、寝台番号のプレート(右/下)。
ハンマーのカバー部分には、現役時代からのモノと思われる封印がまだ残っていました。


通路のトイレ側つきあたり(左/上)と、デッキ側つきあたり(右/下)の様子。
非常ベルや非常口のピクトグラムが設置されているのは、保存車ではよく見かける光景です。よく見ると、車内の号車札もしっかり「4号車」になっていますねぇ。
4号車 開放型B寝台 デッキ


乗降用ドア・車掌室を備えるデッキを2アングルから。
車掌室は左右に2部屋ありますが、ユメノバではホーム側のみを公開。デッキは蛍光灯のほか、予備灯(天井の丸いランプ)も点灯しています(→「推測」も参照)。
【推測:「全光」でも、車両側は「減光」の認識なのか…?】
※ 本項目は管理人の完全な推測(というか妄想)です。
写真は車内照明の設定を「全光」にして撮影していますが、天井の予備灯は「減光」設定時(と電力供給が断たれた時)に点灯するものです。
通路の照明が予備灯しか点かないこととあわせて考えるに、どうやらこの車両は「全光」に照明を設定しても、車両側は「減光」と認識してしまう状態なのかもしれません。
(さらに余談)
スタッフの方は“予備部品の都合“とおっしゃっていましたが、これも照明を設定する部分のリレー(平たく言うとスイッチ)がないという意味での“都合”であれば説明がつきます。


貫通扉~ドアまわりにかけて(左/上)と、貫通扉のカギの使い方を表記したシール(右/下)。
ドア前にはテーブルがあり、宿泊人数が多い場合はこちらにもセルフサービスのアメニティがセットされるとのこと。
また、こちら側の車掌室はドアノブが結束バンドで固定されており、現在は公開されていないものと思われます。
4号車 開放型B寝台 車掌室


車掌室内部の全景(左/上)の全景と、窓まわりのアップ(右/下)。
車掌室には車内放送のオルゴールやマイクが残っており、宿泊者による車内放送も可能です。


車掌室内のデスク(左/上)と、車掌室の座席(右/下)。
基本的には現役当時から大差ありませんが、火災受信盤が設けられているのは(法令上は「建物」の扱いになる)保存車らしいポイントです。


室内灯などの操作盤(左/上)と、行先表示の対照表のアップ(右/下)。
ユメノバでは、24系の電源車と同じ三相交流440Vを客車横のディーゼル発電機から給電しています。そのため、保存車の中ではめずらしく車掌室内の操作盤がいまでも使用可能です。
行先表示の対照表は、青 森所属時代(1~45)及び尾 久所属時代(62~69)にこの車両が使用される可能性があった列車名を除き、表上は空欄となっていました。
このページは6ページ構成です。以後製作中です。
目次
・1号車 A寝台「ロイヤル」
・1号車 B寝台「デュエット」
・4号車 開放型B寝台(製作中)
・2号車 食堂車/3号車 ロビーカー(製作中)
・館内設備(製作中)
・ユメノバ 北斗星へのアクセス
概説
デビュー年:2024年4月(ユメノバでの展示開始)
「ユメノバ 北斗星」とは、茨城県・筑西市に所在する「ザ・ヒロサワ・シティ」内のテーマパーク「ユメノバ」の宿泊施設。かつて「北斗星」で使用されたJR東日本の24系客車を譲り受け、2024年4月から宿泊受付を開始した。
「ユメノバ」は、ザ・ヒロサワ・シティ内の「陸・海・空・宇宙 勢揃いのテーマパーク」として2024年2月にオープンしたテーマパーク。鉄道車両のほか、消防車・船舶・航空機などの保存展示を行っている。
このうち「北斗星」は4両の客車と牽引機であったEF81 138号機が保存されており、A寝台ロイヤル・B寝台デュエットの合造車・食堂車・ロビーカー・開放型B寝台から構成。車内は現役末期と大きく変わっておらず、食堂車・ロビーカー内に限り飲食も可能となっている。
宿泊受付は1編成の貸切のみで、料金は1泊20万円。1~48名まで宿泊でき、大人数の場合は事前の打ち合わせにより夕食・朝食の手配が可能(別料金)。宿泊時は、これとは別にユメノバへの入場料(2,000円)が人数分必要となる。予約は電話のみだが、料金支払いは現地支払・クレジットカードのほか事前の銀行振込にも対応。
なお宿泊施設としての営業は3月中旬~10月中のみで、冬季は展示のみとなる。



