目次
・1号車 A寝台「ロイヤル」
・1号車 B寝台「デュエット」(製作中)
・4号車 開放型B寝台(製作中)
・2号車 食堂車/3号車 ロビーカー(製作中)
・館内設備(製作中)
・ユメノバ 北斗星へのアクセス(製作中)
24系25形「ユメノバ 北斗星」 A寝台「ロイヤル」編
上野~札幌を結んだ「北斗星」の客車を使用して、2024年5月から営業を開始したのがこの「ユメノバ 北斗星」です。
ユメノバは、レジャー施設「ザ・ヒロサワシティ」内にあるテーマパークの1つ。鉄道はもちろん、航空機や消防車に至るまでさまざまな乗り物の保存・展示を行っています。
「北斗星」の客車は4両が保存されており、寝台設備はA寝台「ロイヤル」・B寝台「デュエット」・開放型B寝台の3クラスが体験可能。これに加えて、(宿泊施設としては)非常に貴重な存在のロビーカー・食堂車もあり、「北斗星」をさまざまな角度から体感できるのが何よりの特長と言えそうです。
さて、さっそく車内を見てみることにしましょう。
A寝台「ロイヤル」・B寝台「デュエット」の合造車であるオロハネ24 551の全景(左)と、車番のアップ(右/下)。
ユメノバでは1号車として案内されており、号車札も「1」を掲出。1973年に開放型B寝台として落成し、向日町→品川→青森と渡り歩いて1989年に「北斗星」に加わった車両です(→「補足」も参照)。
【補足:オロハネ24 551 車歴】
| 日 時 | 内容 |
|---|---|
| 1973/08/31 | オハネ24 28として落成 向日町に配属 「あかつき」「彗星」などで運用 |
| 1975/03 | 品 川へ転属 「はやぶさ」「出雲」などで運用 |
| 1976/10 | 青 森へ配属 「ゆうづる」「日本海」などで運用 |
| 1989/06/13 | 尾 久へ転属(同年3月) オロハネ24 551に改造 ロイヤル・デュエットの合造車となる 改造後は「北斗星」「エルム」などで運用 |
| 2015/03/14 | 「北斗星」廃止 定期運用消滅 |
| 2015/08/22 | 「北斗星」臨時列車としても運行終了 運用消滅 |
| 2015/10/20 | 廃 車 |
| 2015/11 | 茨城県筑西市へ輸送 |
| 2024/04/ | テーマパーク「ユメノバ」 ザ・ヒロサワシティ内に開園 展示開始 |
| 2024/05 | 宿泊受付開始 |
モケット
(左)モケット (中)カーペット (右)カーテン
撮影日時・場所
撮影日:2025年10月15~16日
撮影場所:ユメノバ 「北斗星」 車内
備考
>>24系25形「北斗星」(現役時代の様子)、>>24系25形「北斗星スクエア」(同じ北斗星の客車を保存する宿泊施設)の項も併せてご覧ください。
1号車 通路


まずは通路(左/上)と、天井(右/下)の様子。
通路には濃い木目調が多用され、視覚上にも高級感を感じます。開放型B寝台からの改造ゆえか、特に窓~天井まわりには改造前の面影がチラチラと垣間見えるのが面白いところです。
1号車 A寝台「ロイヤル」全景

A寝台「ロイヤル」の全景。
1号車の11号室・12号室が「ロイヤル」となっており、写真は11号室で撮影しています。シートカバーやリネン類こそ撤去されていますが、往時の雰囲気がよく残っていました。


天井の電灯類(左/上)と、12号室の「ロイヤル」全景(右/下)。
12号室の電灯は一部が白色LED電球に換装されていますが、これは予備部品の都合とのこと。取材時点で、11号室がもっとも“現役時代に近い”部屋となっていました。
※以降は、基本的に11号室で撮影した写真を掲載します。
1号車 A寝台「ロイヤル」ベッド


寝台のアップ(左/上)と、比較用にリネン類をセットした様子(右/下)。
寝台幅は横80cm×縦195cmで、当時のA寝台としても群を抜いて広いサイズでした。ベッドとして使用する際は背もたれを上に引き上げるのが“正しい使い方”のようで、この場合ベッド幅を80cm分いっぱいに使うことができます。
背もたれ下にはピンがありますが、これを引き上げた背もたれを固定するためのモノ。ピンを手前側に引き出すことで、背もたれがピンにいわば“乗っかる”形になります。


補助ベッドを引き出した様子(左/上)と、引き上げてダブルベッドにした状態(右/下)。
基本的に1人利用が前提の「ロイヤル」ですが、寝台下の補助ベッドを展開することで2人でも利用できました。
せっかくなので、補助ベッドを展開する工程をご紹介。まずは補助ベッドを下から出し、中央のレバーを引き上げると補助ベッドが持ち上がってきます(→下に続く)。


例によって背もたれを引き上げてピンを展開し(左/上)、リネンをセットしてダブルベッドの完成です(右/下)。
補助ベッドの横幅は60cmとなっており、ダブルベッド状態の横幅は実に140cmです。もっともこの状態ではテーブル脇のソファは回転できないほか、足の踏み場もかなり限られるのでセットは就寝直前に行う方が無難のようです(→「備考」も参照)。
【備考:補助ベッドをしまうときは…?】
反対に補助ベッドを収納する際は、
「補助ベッドの部分に体重をかける」→「下がりきったら寝台下に押し込む」
が流れとなります。
1号車 A寝台「ロイヤル」ソファ・テーブル


変わってリビングスペース(左/上)と、ソファ・テーブルまわり(右/下)のそれぞれ全景。
リビングスペースにはソファ・テーブル・テレビが備わります。奥にはかつてのシャワーブースとトイレがありますが、ユメノバへの移設後は使用停止となっているようで、室内灯も点灯しませんでした。


ソファ(左/上)とテーブルまわり(右/下)のそれぞれアップ。
ユメノバへの移設にあたり、デスク奥にコンセントを2口新設・非常灯の設置・テレビの交換などが行われています。
テレビはNHKも含めた地上波が受信でき、単にDVDを流しているだけだった現役時代よりも進歩しています(笑)。


入口側の全景(左/上)と、ドライヤーの様子(右/下)。
ドライヤー自体は残っていますが、取材時は通電していないのか動作しませんでした。必要な場合は、トイレ・シャワー棟にある共用のドライヤーを使用することになります。


窓下のオーディオパネル・室内灯スイッチやアラーム類(左/上)と、窓際のテーブル・足元灯など(右/下)。
オーディオとアラームは使用中止となっていますが、室内灯はこのパネルから現役時代と同じように操作可能でした。


通路上のスペースを使用した荷物置き場(左/上)と、個室内のスイッチ類(右/下)。
取材時は秋口だったこともあってか、予備シーツのほかに電気毛布がセットされていました。寝台車の空調は自動設定となっており、(実体験として)朝夕はかなり冷えたのでありがたい設備に感じます。
※使用不可 シャワー・トイレ


シャワー・トイレブースの全景(左/上)と、便器・手洗い台があった部分のアップ(右/下)。
ユメノバへの移設後は使用中止となっており、トイレ・手洗い台は展開できないように物理的に固定されています。


シャワーまわり(左/上)と、鏡・戸棚などの様子(右/下)。
現役時代、この戸棚にはハンドタオルやバスタオルが入っていたように記憶しています。シャワーの給湯時間は10分までとなっており、共用シャワーの6分に対して差別化が図られていました。
【備考:「北斗星」でシャワー、まだ浴びられます】
ユメノバでは使用中止となっているシャワーですが、>>北斗星スクエアの保存車では車内の共用シャワーが現在も使用可能です。興味のある方はぜひ併せてご覧になってみてください。
デッキ


デッキの全景(左/上)と、「くずもの入れ」のアップ(右/下)。
車内は大改造された1号車ですが、デッキ部分はデビュー当時から大きく変わっていませんでした。


デッキ類のアメニティ類(左/上)と、配電盤カバー・デッキと客室の仕切扉など(右/下)。
宿泊者にはタオル類が入ったバッグが配られる一方、アメニティ類はこちらでのセルフサービスです。くし、カミソリや綿棒、外出時のスリッパなど、必要なものは一通りそろっている印象でした。
このページは6ページ構成です。以後製作中です。
目次
・1号車 A寝台「ロイヤル」
・1号車 B寝台「デュエット」(製作中)
・4号車 開放型B寝台(製作中)
・2号車 食堂車/3号車 ロビーカー(製作中)
・館内設備(製作中)
・ユメノバ 北斗星へのアクセス(製作中)
概説
デビュー年:2024年4月(ユメノバでの展示開始)
「ユメノバ 北斗星」とは、茨城県・筑西市に所在する「ザ・ヒロサワ・シティ」内のテーマパーク「ユメノバ」の宿泊施設。かつて「北斗星」で使用されたJR東日本の24系客車を譲り受け、2024年4月から宿泊受付を開始した。
「ユメノバ」は、ザ・ヒロサワ・シティ内の「陸・海・空・宇宙 勢揃いのテーマパーク」として2024年2月にオープンしたテーマパーク。鉄道車両のほか、消防車・船舶・航空機などの保存展示を行っている。
「北斗星」を牽引したEF81 138号機とともに4両が保存されており、A寝台ロイヤル・B寝台デュエットの合造車・食堂車・ロビーカー・開放型B寝台から構成。車内は現役末期と大きく変わっておらず、食堂車・ロビーカー内に限り飲食も可能。
宿泊受付は1編成の貸切のみで、料金は1泊20万円。1~48名まで宿泊でき、大人数の場合は事前の打ち合わせにより夕食・朝食の手配が可能(別料金)。宿泊時は、これとは別にユメノバへの入場料(2,000円)が人数分必要となる。予約は電話のみだが、料金支払いは現地支払・クレジットカードのほか事前の銀行振込にも対応。
なお宿泊施設としての営業は3月中旬~10月中のみで、冬季は展示のみとなる。

