キハ261系1000番台「北斗」「とかち」「おおぞら」 グリーン車 編

目次

グリーン車
普通車・車内設備(製作中)

キハ261系1000番台「北斗」「とかち」「おおぞら」

2006年にデビューし、気づけばJR北海道の特急車両で最多勢力となっているのがこのキハ261系1000番台です。

2025年現在は「とかち(札幌~帯広)」「おおぞら(札幌~釧路※一部列車)」「北斗(札幌~函館)」と、北海道の主要な特急列車で幅広く活躍。同列車で使用されていたキハ281・283系に代わって、北海道の特急の“顔”として定着しつつあるように感じます。

さて、写真は函館駅で発車待ちの様子。デビュー当時は先頭部がブルー一色でしたが、2015年からイエロー・ホワイト・パープルを配した現行塗装に改められています。さっそく車内を見ていきましょう。

モケット

(左)座席 (中)カーテン (右)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2024年12月

撮影場所:「北斗」9号 函館駅 車内

備考

特にありません。

車内全景

車内の全景。

車内は、ブルーの天井にブルーの革張り座席がズラッと並ぶ空間です。全体的なテーマカラーはブルーのようですが、そのぶん化粧板やひじ掛けの木目調が、視覚上の良いアクセントになっているように感じます。

車内を反対から見た様子(左/上)と、天井部分のアップ(右/下)。

照明はLEDによる電球色になっており、明るいなかにも高級感を感じる気がします。

座席

2人がけ座席の様子。一般席(左/上)と車端部(右/下)です。

グリーン席はキハ261系0番台以降、いわば“JR北海道のスタンダード”になったとも言える革張りの座席を採用しています。リクライニング時に座面が若干前にスライドする機構も変わらず備えており(後述)、今後これがJR北海道の特急グリーン車として標準仕様になっていくのかもしれません。

フットレストは土足面(左/上)・土足禁止面(右/下)を転換して使用できるようになっており、土足面はカーペット、土足禁止面は(座席と同じ)ブルーの革が張られています。

変わって1人がけの様子。一般席(左/上)と車端部(右/下)です。

シートピッチは1,145mm、付帯設備はインアームテーブル・ピロー・コートかけ・チケットホルダー・フットレスト・コンセントとなっており、シンプルな見栄えながらグリーン車としての設備は一通りそろえています。

座り心地は堅牢で、いうなればソファに近い感覚です。また革張りでありながら表面の滑りがほぼなく、着座したときの安定感は全国的に見ても(革張り座席としては)群を抜いているように感じます。座席としての完成度はかなり高いといえるでしょう。

座席を正面から見た様子。2人がけ(左/上)と1人がけ(右/下)です。

正面から見ると分かりやすいですが、背もたれは中央部がフラットな作りになっています。寄りかかると、いわば身体が左右から包み込まれるような感覚があり、実際の座席幅以上の広さを感じる気がしました。

座席まわりの設備

座席まわりの設備に移ります。肩部の握り手(左/上)と、リクライニング状態の座面まわりの様子(右/下)。

リクライニング時のスライド幅は見てのとおり微々たるものですが、実際に着座しているとその“恩恵”を受けることができます。

窓下のコンセント(左/上)と、座席背面のコートかけ・チケットホルダーのアップ荷物棚のアップ(右/下)。

写真は2人がけ側で撮影しており、コンセントも2口あります…が、通路側の人がコンセントを利用することは現実的に不可能です。どうしてもコンセントが必要な方は、窓側を指名買いすると無難かもしれません。

その他の車内設備

通路(左/上)と荷物棚(右/下)のアップ。

荷物棚・窓まわりはホワイト系の配色となっています。コートかけは座席背面(先述)に加えて窓間にもあるため、必要に応じて併用しましょう。

荷物棚下の読書灯(左/上)と、デッキと客室の仕切扉(右/下)。

運転台直後のデッキ(元・展望スペース)

運転台下のデッキ部分の全景(左/上)。

JR北海道の特急車両は(JR北海道が初めて開発した)キハ281系の時代から、先頭部分の貫通扉に小窓が設けられており、乗客向けの展望スペースとして開放されていました。現在は安全上の理由から立ち入り禁止となっており、ご覧のようにロープで規制されています。

デッキ通路

グリーン車のデッキ全景(左/上)と、入口脇のデッドスペース(右/下)。

(右/下)のスペースは一見では荷物置き場に見えないこともないですが、特に案内されていません。ラックなどもなく、現実は「荷物を置けないこともない単なるデッドスペース」のようです。

デッキ

乗降用ドア部分の全景(左/上)と、ドア脇の写真の様子(右/下)。

北海道の名所の写真が飾られており、軽く観察した限りでも数パターンはあるようです。

目次

グリーン車
普通車・車内設備(製作中)

概説

デビュー年:2006年

JR北海道の特急で運用されてきたキハ183系、及びキハ281・283系の置換を目的に2006年に試作車がデビュー、翌2007年から量産が開始された。

設計にあたってはコストパフォーマンスが重視されており、車体傾斜装置は空気ばね式を採用。キハ281・283系で採用された制御付自然振り子装置から、大幅なコストダウンを図っている(※ただし車体傾斜装置はあとに使用停止~撤去)

2006年に導入された車両は「スーパーとかち」に導入され、キハ183系「とかち」を2009年までに置き換えた。その後、2011年に発生したキハ283系脱線火災事故に伴う車両不足や車両置換を目的として、2013年から増備が再開。同時期に、後継車となる予定だったキハ285系の開発・生産が中止となったことから、以降の特急車両の配備は本系列によって行われた。結果、2022年まで製造が続けられている。

最高速度は当初130km/hだったが、2014年8月以降120km/hに引き下げられた。同時に車体傾斜装置の使用は中止され、2015年以降の増備車である5次車以降は落成時から車体傾斜装置の搭載そのものが省略されている。

編成は4両編成を基本に、中間に増結車を組み込むことで最大10両での運転が可能。2025年現在、「とかち(札幌~帯広)」「おおぞら(札幌~釧路)」「北斗(札幌~函館)」のほか、間合いで「ホームライナー(札幌~手稲)」での運用がある。

タイトルとURLをコピーしました