小田急3000形(2次車)


小田急電鉄に乗ると必ず一度は見かける、と言っても過言ではない3000形。在籍数は346両で、これは小田急電鉄に所属する車両としては最多です。
2002年のデビューから、新製や増結など組み換えも頻繁に行われていった結果、増備の中心が4000形にシフトした2010年代後半まで新製が続いていました。製造時期が長いぶん仕様の違いも多岐にわたり、非常に奥の深い系列だったりします。
写真は、深夜の唐木田駅で発車を待つ3000形。前置きが長くなりましたが、このページでは比較的初期に導入された2次投入車(2003年前半)の車内を扱います。
モケット



(左)座席 (中)優先席 (右)床
撮影日時・場所
撮影日:2017年11月5日
撮影場所:小田急電鉄多摩線 唐木田駅 車内
備考
特にありません。
車内

車内に入ります。
床面はグレー、天井や化粧板周りは白ベースとモノトーンな中で、座席回りの明るいピンクが目につきます。よく見ると袖仕切り(座席両端の仕切)も淡いピンク色をしており、この車両はどうやらピンクがメインカラーのようです。
座席


座席の様子。
一般席区画は赤系のモケットが採用されており、座面と背もたれ部分で柄の異なる凝ったデザインなのが特徴です。
車端部区画


車端部は3人がけです。
壁際には、座席モケットとは異なる柄の「当て布」のようなものが貼られています。これは3000形の後にデビューした4000形でも踏襲されていることから、小田急ならではの仕様のようです。
優先席


優先席の様子。
基本的な見付は、先述の「車端部区画」と共通です。優先席のモケットは、本系列では紫色が採用されました(→「備考」も参照)。
【備考:小田急電鉄の優先席事情】
小田急は「優先席の座席モケットは寒色系」というところで統一しているものの、「モケットの色・柄は系列ごとに変える」のが恒例のようです。
例として、4000形の優先席はブルー系の座席モケットとなっています。
フリースペース


先頭車両にある、車いすやベビーカーの利用者向けのフリースペースを見ていきます。全景(左/上)と、フリースペースのアップ(右/下)。
7人がけ座席のうち、片側3人分をフリースペースとしています。フリースペース部分の四角いクッションのようなものは、元々跳ね上げ式の補助席でした。2010年頃から使用中止となり、現在は上から座席モケットと同じ色のカバーがかけられて補助席としては廃止されています。


座席を反対側から見た様子(左/上)と、フリースペースに備わる非常通報機の様子(右/下)。
その他の車内設備


天井の様子(左/上)と荷物棚の様子(右/下)。天井は白系一色、荷物棚も銀色とシンプルです。


乗降用ドアの様子(左/上)。ドアには、なぜかカーキ色のような色のフィルムが貼られています。
(右/下)は、始発の唐木田駅での停車中の様子。車内空調維持のため、片側4つのドアのうち1つを除き閉鎖できる、いわゆる「3/4ドア機能」が装備されています。
概説
デビュー年:2001年
小田急電鉄における今後の標準となる通勤型車両として2002年に登場。小田急の通勤電車としては、初めて左手で操作するワンハンドルマスコンを導入した。
車体は軽量ステンレス製。地下鉄千代田線への乗り入れは想定していないため、小田急線内のみに限った運用が組まれている。
現在は小田急線全線で、急行から各停まで幅広く運用されている。