小田急3000形(2次車)

小田急3000形(2次車)

小田急電鉄の中で、最多両数を誇るのがこの3000形。小田急電鉄に乗車していると必ず一度は見かける車両と言っても過言ではなく、増備の中心が4000形にシフトした後も増結用車両の増備が続いていました。

それゆえ足回りや車内設備は、導入時期により細かい違いがあります。さらに、編成の組み換えや増結によって、まさに「同じ編成でも車両により内装が異なる」という複雑怪奇な状態に。全部追っかけたらそれだけで一つのサイトになるのではないか、というほどに奥が深い車両です。

写真は深夜の唐木田駅で発車を待つ3000形。前置きが長くなりましたが、このページでは比較的初期に導入された2次投入車(2003年前半)の車内を扱います。
今後、他の投入時期の車両も撮影でき次第、こちらで紹介していきたいところですが…それより先に私が3000形の全てを勉強する必要がありそうです(苦笑)。

モケット

(左)座席 (中)優先席 (右)床

撮影日時・場所

撮影日:2017年11月5日

撮影場所:小田急電鉄多摩線 唐木田駅 車内

備考

特にありません。

車内

車内に入ります。床面はグレー、天井や化粧板周りは白ベースとモノトーンな中で、座席回りの明るいピンクが目につきます
よく見ると袖仕切り(座席両端の仕切)も淡いピンク色をしており、この車両はどうやらピンクがメインカラーのようです。

座席

座席の様子。一般席区画は赤系のモケットが採用されており、座面と背もたれ部分で柄の異なる、妙に凝ったデザインなのが特徴です。

座席そのものは、身体の形に“一応”成型されており、一人一人の着座位置はある程度明確化。もっとも座面はかなり薄っぺらく、クッション性も今ひとつで、腰掛けると「座席の底」をダイレクトに感じてしまうのはやや残念なところです。

車端部区画

車端部は3人がけです。一見、何の変哲もない車端部ですが、壁際に注目。座席モケットとは異なる柄の「当て布」のようなものが貼られています。

これは3000形の後にデビューした4000形でも踏襲されていることから、本系列に限ったものではない「小田急仕様」のようなものでしょうか。
実際のところ、どのような意図で貼られているのかは不明です。詳細をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただけますと幸いです。

優先席

優先席の様子。優先席のつり革が黄色いのは首都圏ではお決まりですが、手すりの増設や滑り止め付きの黄色い手すりの導入などは行われていません。優先席のモケットは、本系列では紫色です。

他系列のページでも書いた気がしますが、小田急は「優先席の座席モケットは寒色系」というところで統一しているものの、「モケットの柄は系列ごとに変えている」傾向があるようです。

フリースペース

先頭車両には車いすやベビーカーの利用者向けのフリースペースが。小田急の車両では、運転台直後が標準的なフリースペースの位置のようです。7人がけ座席のうち、片側3人分をフリースペースとしています。

フリースペース部分の四角いクッションのようなものは、元々跳ね上げ式の補助席だったもの。2010年頃から、座席は折りたたんだ状態で固定。上から座席モケットと同じ色のカバーがかけられ、補助席としては廃止されています。

座席本体は4人がけということだけで、特に他の区画と異なるわけではありませんが、フリースペース側の仕切と握り棒は、この区画だけで見られる独自デザインである点に注目です。

座席を反対側から見た様子(左/上)と、フリースペースに備わる非常通報機の様子(右/下)。

その他の車内設備

天井の様子(左/上)と荷物棚の様子(右/下)。天井は白系一色、荷物棚も銀色とシンプルです。

乗降用ドアの様子(左/上)。ドアには、なぜかカーキ色のような色のフィルムが貼られています。

(右/下)は、始発の唐木田駅での停車中の様子。車内空調維持のため、片側4つのドアのうち1つを除き閉鎖できる、いわゆる「3/4ドア機能」が装備されています。

概説

デビュー年:2001年

小田急電鉄における今後の標準となる通勤型車両として2002年に登場。小田急の通勤電車としては、初めて左手で操作するワンハンドルマスコンを導入した。

車体は軽量ステンレス製。地下鉄千代田線への乗り入れは想定していないため、小田急線内のみに限った運用が組まれている。

現在は小田急線全線で、急行から各停まで幅広く運用されている。

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