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小田急電鉄1000形「ワイドドア車」
小田急線内の運用はもちろん、東京メトロ千代田線直通運用まで対応できるオールマイティな車両として1988年にデビューしたのが小田急1000形。実はちょっとした“異端児”が存在します。それが、2mのワイドなドアを引っ提げた通称「ワイドドア」車です。 |
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モケット
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撮影日時・場所 撮影場所:小田急電鉄多摩線 唐木田駅 車内 備考 |
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車内全景
では車内に入ります。車体側面の違和感とは裏腹に、車内はパッと見では窓が少し小さいかな程度で、大きな違和感はありません。これは1998年の「ドアの縮小工事」を行った際、内装もそれに合わせて整備しなおしたことによるもの。ドア周りを見ていただくと、ドアのフチのところに妙な当て板のようなものが確認できるかと思いますが、これがドア開口部2m時代の名残と言えるものです。
座席 座席の様子(左)と座面のアップ(右)。座席は一人一人の着座位置が明確に区分されたバケット構造となっており、座面の凹凸もかなりはっきりしています。換装から既に10年が経過するためか、内部の詰め物にややヘタりがあるのは否めません。とは言っても、>>3000形でありがちな「着座した時に座席の“底”をダイレクトに感じる」ということもなく、全体的な居住性としては及第点と言ったところです。
車端部・優先席 車端部の様子(左)とその座席(右)。通常、車端部の区画は3人がけが主流ですが、ワイドドアとなって十分な幅が確保できなかたため2人がけとなっています。また、これに伴って優先席の座席数が減ることから、ワイドドア車の車端部は全て優先席となっており、一般席区画は存在しません。例の「ドアの縮小工事」を行った時も、3人がけとするには微妙に狭かったのか、デビュー当初から現在に至るまで2人がけが維持されています。
車端部区画の連結面側には、なぜかFRP製と思われる窪んだひじ掛けスペースのようなものが設けられています(左)。腕を置くには狭く、モノを置くにも微妙なサイズで使い勝手としてはイマイチなのですが…(苦笑)。
フリースペース
運転台の直後は車いすやベビーカーの利用者向けのフリースペースがあります。この区画のみ、ドア間の長さが他と比べてやや短くなっており、よく見ると座席が6人がけになっているのがお分かりいただけるかと思います。 車内設備 天井のラインデリア(左)と荷物棚の様子(右)。空調の吹き出し口は天井の中央を貫くラインデリアに集約されており、天井まわりは極めてすっきりしています。荷物棚はすっかり一昔前の産物となった感のある、昔ながらの“網”棚がいまでも現役。首都圏では2010年代後半に入ってめっきり見かけなくなった感がありますねぇ。
つり革は昔ながらの丸形が使われています(左)。また、非常用ドアコックは座席下(右)。最近の車両は、ドアコックがドア上にあることが多いので、これも一昔前の車両を感じるポイントです(笑)。
ドア
1000形ワイドドア車の最大の特徴でもあるワイドドアを車内(左)と車外(右)から見た様子。車内側から見ると、ドア左右のところに不自然な当て板のようなものがされているのがお分かりいただけるかと思います。 |
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概説 混雑緩和のために、当時増備されていた1000形の一部車両について、横幅2mの幅広タイプの乗降用ドアを設ける試みがされた。一般に「ワイドドア」車と言われ、現在は6両編成6本が在籍する。 乗降をスムーズにするという建前であったが、実際に運用を開始すると、ドアが広いことで利用者がかえってドア付近に滞留し、乗降に時間がかかることが判明した。そのため、後年に開口部の幅を一般の車両に近い1.6mに変更する工事が施行されている。停車中のホームで、ドアが一部引き残されているように見えるのはそのため。 ワイドドア車は東京メトロ千代田線への直通に対応しておらず、現在は小田急線の地上線でのみ運用されている。 2015年以降、1000形の一般車については更新工事が開始されているが、ワイドドア車については更新の対象から外れている。
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