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東武300・350系「しもつけ」「きりふり」「ゆのさと」「尾瀬夜行23:55」「スノーパル」ほか
東武鉄道の特急と言えば「スペーシア」を筆頭に、最近は「リバティ」も加わってにわかに華々しさを増してきた感がありますが、古くからの車両も実はまだ、細々と活躍しています。そんな“老兵”が、この東武300・350系。かつて「急行りょうもう」で活躍していた1800系に簡単な改造と塗色変更を施したもので、登場以来「スペーシア」などの陰に隠れて地味な立ち位置を貫いてきました。それでも「しもつけ」「尾瀬夜行」「スノーパル」で長年活躍していることもあり、東武宇都宮線方面の利用者や、登山客や尾瀬への利用者の間では親しみのある車両ではないでしょうか。
車体側面の様子。外観上の大きな差は塗色くらいで、それ以外は1800系時代の面影をよく残しています。この塗色、どこかで見たことがあると思ったら「スペーシア」のそれに近いものなんですねぇ。ちなみに近年になり、東武のCIが新たに追加されています…が、古めかしい雰囲気の車体に先進的なこのCIロゴの組み合わせはどこか不思議な雰囲気を感じます(苦笑)。
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モケット
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撮影日時・場所 撮影場所:東武宇都宮線 「しもつけ」283号 東武宇都宮駅 車内 備考 |
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車内全景
ではさっそく車内の全景から。300・350系への改造時に座席モケット、荷物棚の交換など細かいところのマイナーチェンジが図られていますが、基本的な見付は1800系時代から大きく変わっていないようです。
車内を反対から見た様子(左)と天井の様子(右)。車内の化粧板は白系、座席モケットと客室・デッキの仕切扉(写真奥)が茶色系でまとめられており、こうして見るとレトロな中にも統一感を感じる作りです。天井のクーラーは分散型のものが使われており、一定間隔で扇風機のような吹き出し口が設けられているだけなので、天井まわりは写真で見る以上にすっきりしています。
座席
では座席の様子。(写真右)は車端部区画の様子です。
座席背面のアップ(左)とフットレスト部分の様子(右)。フットレストはクルッと展開すると土足禁止面が出てきます。このあたりは妙に豪華ですが、シートピッチが元々狭いのでこのフットレストが本領を発揮することはあまりなさそうにも思えます。
座席を正面から見た様子(左)と、座席台座の様子(右)。座席本体はそれなりに成型されているのがお分かりいただけるかと思います。また、写真右の座席台座ですが、台座本体が微妙に丸みを帯びています。この「丸みのある台座」は近年ほとんど見られなくなっており、そういった意味では大変貴重な存在と言えそうです。一般の人にとってはわりとどうでもいいことでしょうが、ちょっとした300・350系の見どころの一つでもあるので、乗車した時はぜひ見てみてください(笑)。
デッキと客室の仕切扉
デッキと客室の仕切扉はこんな感じです。こちらはこのご時世すっかり珍しくなった手動式。現代の感覚からすると、特急車としてどうなのかなと思わないこともありませんが、この300・350系のルーツが1800系にあることを考えれば仕方ないのかもしれません。
その他の車内設備 荷物棚の様子(写真左)。荷物棚は300・350系への改造時に交換されているものと思われますが、これもやや一昔前の雰囲気を感じます。(写真右)は、窓間に備わるコートかけの様子。このコートかけも、首都圏ではめっきり見かけなくなりましたねぇ。
通路(左)と車内から見た窓(右)の様子。窓自体はかなり大きく取られているのがお分かりいただけるかと思います。
扇風機 天井部分のクーラーをアップで撮影。クーラーのカバーには「T」のロゴがついていますが、これは何なのでしょう?(笑)現CIが導入される前の車両銘板とも違いますし、初めて見たデザインでした。どなたかご存知の方、いらっしゃいましたら是非ご教示いただきたいと思います。 戸袋窓 先頭車には戸袋窓が設けられており、その部分の様子はこんな感じ。この区画だけ窓が2分割されています。だから何…と言われればそれまでなのですが(笑)、特急型車両の戸袋窓も今日では185系くらいでしか拝めない気がするので紹介してみました。
デッキ部分通路・自動販売機 1・4号車にはトイレ・洗面台と自動販売機コーナーが設けられており、写真右がトイレ、左が自販機コーナーとなります(左)。また、連結面に近いということで「東武ならでは」の連結部分の表記をご紹介(右)。幌の中にごみを捨てない旨の表記は、全国見渡しても東武ぐらいでしか見たことがありません(笑)。もちろん、東武でも最近デビューした車両では見かけませんが、この350系ではいまでもそのまま残っています。東武の車両だと、8000系や10000系でも見られますねぇ。
トイレの反対側には自動販売機が設けられているほか、目立ちにくいですが自動販売機右に小さな空き缶入れも設けられています。この空き缶入れは1800系時代からのものでしょうか。たばこの吸い殻に関する記述があるのが時代を感じますねぇ。 ※ 以後、トイレ内部の写真が含まれます。
トイレ 1・4号車(350系の場合)にはトイレが設けられています。昔ながらの銀色の便器で、国鉄型車両にもよく見られたタイプですが、洗面台周りは国鉄型車両のそれとは異なる独特の形状です。 |
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概説 200系の増備で余剰となっていた1800系を短編成化し、伊勢崎線・日光線における急行列車用として1991年にデビュー。 6両編成と4両編成が存在し、前者は300系、後者は350系とされた。なお、あとに東武鉄道の急行列車は全て急行に格上げされている。 車両の走行機器類に、改造に伴って発電ブレーキ・抑速ブレーキなど勾配線区向けの改造が施されているのが特徴。 登場以降、300系は「きりふり」「ゆのさと」「スノーパル」「尾瀬夜行」、350系は「しもつけ」「南会津」などに運用されていたが、このうち300系が2017年4月で全編成引退している。現在(2017年9月)は350系が「しもつけ」として浅草〜東武宇都宮間で定期運用を持つほか、「尾瀬夜行23:55」「スノーパル」には引退した300系に代わり、2017年夏からは350系が充当されている。
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