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長野電鉄3500・3600系
かつて「マッコウクジラ」の愛称で親しまれたという、営団地下鉄(現在の東京メトロ)日比谷線で使用されていた3000系。同車を長野電鉄が引き取って導入したのが、この3500・3600系です。営団時代から比較して、外装に赤い帯が巻かれている、長野電鉄のロゴマークが追加されたなどの変化はあれど、それ以外のフォルムは基本的に3000系時代の面影をよく残しています。 |
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モケット
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撮影日時・場所 撮影場所:長野電鉄 長野駅・信州中野駅 車内 備考 |
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車内全景
3500・3600系の特徴として、「同じように見えて、実は内装の種類が多岐に渡る」ことが挙げられます。長野電鉄でのデビューから既に30年近くが経過し、同社でも様々な改造が施されてきたことによるものです。
座席
座席の様子(左)と座面のアップ(右)。ドア間の座席は4人がけを二つ並べた8人がけです。座席両端の金属棒は緩やかな曲線を描いており、ドア側に座った時の横幅確保、立ち客スペースの明確化などの意図があるものと思われます。
優先席
変わって優先席区画の様子。こちらは青みがかった灰色に、白グラデーションのかかったモケットが採用されています。モケット表面には、縦の窪みが一定間隔で入っており、実際に触れてみると、若干デコデコした触り心地でした。
先述した「モケット表面の縦の窪み」を、より近くで見た様子(左)と、今や“絶滅危惧種”と言っても過言ではない「シルバーシート」の表記。JR東海から無くなったあとは、この長野電鉄がほぼ「最後のシルバーシート」ではないでしょうか。
車内いろいろ
(L2編成3612)
(N6編成3506) 優先席いろいろ
(N3編成3503)
(左:N3編成3513、右:L2編成3612)
その他の車内設備 天井の様子(左)と荷物棚の様子(右)。冷房は写真奥(「新幹線eチケット」広告の奥)に備わっており、長野電鉄への移籍後に設置されています。
窓の様子(左)と、窓開け用のラッチ(右)。この「ラッチ」で開ける窓も、近年ではめっきり見かけなくなった気がします。
通路(左)と連結部分の様子(右)。冬は結構な雪が降る長野電鉄沿線ですが、連結部分はそれなりにきれいに維持されていました。
座席両端の仕切棒(左)と、非常通報器(右)をそれぞれアップでご覧いただきます。非常通報器の説明文も、昔ながらの書体でいい味出していますねぇ。
N7編成3517:扇風機 一部の車両には、営団時代に設置された扇風機が現在も残っており、(左)がその様子です。デザインにも何パターンかあるようですが、私が取材できたのはこの形式のみでした。この扇風機、中央部分をよく見ると「営団」時代のロゴが。東京メトロになった2004年から、(2020年現在で)既に16年が経過する中で、現在まで残る貴重な逸品です。乗車した際にはぜひ探してみてください。
運転台直後
運転台直後の様子(左)。長野電鉄ではワンマン運行が行われていますが、運賃収受は各駅で行っており、運賃箱や運賃表示器といった旅客向けのワンマン機器は特段設けられていません。そのため、余ったスペースの有効活用ということなのか、この区画にはつり革が設けられています(右)。ちなみに、よく見ると運転台に車内に面したミラーがついており、これが唯一ワンマン列車らしい仕様と言えそうです。 ドアと運転席
乗降用ドアの様子(左)。特に化粧板が張られるわけでもなく、金属むき出しの無機質なドアとなっています。引き込まれ防止の観点からドア窓は非常に小さくなっており、立った姿勢でも景色は申し訳程度にしか望めません。余談ですが、この小さい「窓」はこれは営団地下鉄での「当時のトレンド」ともいえるもので、丸の内線用の2000系から半蔵門線の8000系に至るまで採用されていました。
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概説 長野電鉄3500・3600系は、営団地下鉄(現在の東京メトロ)で使用されてきた3000系を長野電鉄が譲り受けたもの。1993年から運用を開始した。2両編成と3両編成があり、前者が3500系、後者が3600系を名乗る。 基本的には営団地下鉄時代の仕様を踏襲するが、30パーミルを超える急勾配が連続する信州中野〜湯田中間での運用に備え、抵抗器の増設、寒冷地に対応した工事などが行われている。また、長野電鉄に移籍して以降、ワンマン運転改造、冷房化改造、その他内装のマイナーチェンジなどが行われている。 2005年に元東急電鉄の8500系が導入され、老朽化した本系列の一部を置き換えた。しかし、勾配用の抑速ブレーキがない8500系は信州中野〜湯田中に入線できないことから、3500系の2両編成が長らく専属で使用されていた。 2020年5月現在は、2両編成5本と3両編成1本が在籍し、全線で運用されている。 2020年以降、後継となる3000系(元・東京メトロ03系)の導入に伴い、本系列は順次置き換えられる見込み。
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