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銚子電気鉄道2000形「金太郎ホーム号 大正ロマン電車」
近年の銚子電気鉄道(以後、銚子電鉄)の車両は“京王電鉄OB”によって賄われていますが、今回取り上げるこの2000形もその一つです。元々は京王電鉄2010系として使用されており、伊予鉄道へ移籍して20年活躍したのちに、2009年に銚子電鉄へやってきた、実に3社を渡り歩いた車両です。写真がその車両ですが、こちらは伊予鉄道時代に先頭車化改造を受けたもの。製造当初から先頭車だった車両のデザインは80系のような2枚窓ですが、こちらは先頭車化改造に伴い、京王5000系然としたデザインに。もっとも、京王3000系とは違って本系列は裾折り車体ではないので、見分けは容易です。 |
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モケット
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撮影日時・場所 撮影場所:銚子電気鉄道線 銚子駅 車内 備考 |
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車内全景
車内に入ります。車内は座席を除いて至るところに手がかけられており、目に付く範囲でも「床材を木目調化」「手すりと窓枠を真鍮カラー化」「照明の電球色化」「窓にステンドグラス風のフォルムを張り付け」「つり革を木材に変更」が挙げられ、車内全体が「大正ロマン」一色に染まっています。
座席
座席の様子(左)と座席脇の広告の一例(右)。ステンドグラス風の窓を移すために、あえてカーテンは閉めないで撮影しています。座席そのものは今回の改造で変わったわけではないのですが、古いながらもしっかりとメンテナンスされているためか、全国の地方鉄道に存在する京王OBの車両で散見される「座席モケットの擦り切れ」などは一切見られませんでした。
車端部 車端部区画はこんな感じです。貫通路部分には、銚子ゆかりの画家・竹久夢二の美人画ののれんがかけられていますが、乗務員の方に伺ったところ、車掌や利用者の見通しをよくするため、運行中は基本的に写真の通り収納された状態にしているようです。
フリースペース 外川寄り運転台の直後には、車いすやベビーカーの利用者向けのフリースペースが。片側の座席を全て撤去してフリースペースとして使用しています。大正時代のレトロな広告と、最新型のLCDモニタによる運賃表示器が仲良く並ぶ、なんとも奇妙な光景が繰り広げられています(笑)。
運転台直後の座席の様子(左)。こちらは優先席として使用されており、窓にもその旨のシールがありますが、近年JRや私鉄各社で一気に広まった大型のサインシールとは異なるデザインのものが使用されています。 その他の車内設備 天井の様子(左)と荷物棚の様子(右)。写真ではやや分かりにくいですが、大正ロマン電車への改装に伴って、蛍光灯は電球色のものに交換されました。また、荷物棚も全て真鍮のようなややくすんだ金色に。真鍮本来の質感は望めませんが、雰囲気は十分です。
車内の中吊り広告の一例(左)。こちらは大正14年(1924年)7月1日に銚子電気鉄道が直流600Vで電化された時のものだそうで、「電車開通」「約30分毎に発車」「7月1日から7日まで電車賃半額」などの文字が見えます。こんな貴重なものがまだ残っていたのか…ということだけでも驚きですが、中吊り広告まで「大正」を持ち込んでくるあたり、隅々までこだわった作りなのが垣間見える気がします。
通路の様子(左)。木目調のフィルムが張られていますが、明るい茶色ではなくあえて焦げ茶色を使用することでレトロ感を演出しています。また、座席下の金属製のカバーも床材の焦げ茶色に合わせて塗装されており、視覚的にも違和感のない仕上がりになっているように感じます。
ドアとおまけ
ドアの様子(左)。ドアも床材に合わせて焦げ茶色に塗装されています。
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概説 利用者に「古き良き日本」の雰囲気を味わってもらうという目的のもと、同社に所属する2000形1両を改装して2018年に登場。
内装には木目調の床材や、窓へステンドグラス風のフィルム張り付け、車内に銚子ゆかりの竹久夢二の美人画などを掲出し、など「大正ロマン」とされる雰囲気になるよう手が加えられている。 銚子電鉄全線で使用されており、他の車両と共通に運用されている。 |
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