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キハ40形1000番台「烏山線」
宇都宮線(東北本線)の宝積寺から烏山までを結んでいるのが烏山線です。実際は大半の列車が宝積寺から宇都宮まで直通しており、実質的に宇都宮〜烏山が一つの系統になっています。
車体側面の様子。烏山線で活躍するキハ40形には、各編成ごとに異なる七福神のキャラクターがあしらわれています。これは、烏山線に「宝積寺」「大金」という縁起の良い駅名が存在し、かつ烏山線の駅数が8駅、烏山線の車両が8両あることから、宝積寺を除いた7駅と7両の車両に七福神の各尊を割り振って、キャラクターとして整備したものだそうです。なお、残りの1両には七福神の全尊が描かれているとのことで、正直やや無理がある気もしなくはないですが(笑)、こういった面白い取り組みがなされていたことは特筆に値しそうです。
その七福神のキャラクターをアップで撮影してみました。
車内
では車内に入ります。烏山線で使用されているキハ40形1000番台は、トイレの撤去、オールロングシート化などの改造が施されており、クロスシートが並ぶ旧来からの内装とは一線を画しています。
座席の様子です。5人がけのロングシートが4つ組み合わされており、実に「20人がけ」と他の車両ではなかなか見られない、長い長〜いロングシートが並んでいます。通学時間帯になると、始発駅で学生がここでゴロ寝していたりするのですが、これだけ長いと確かにゴロ寝したくもなるな、と妙に納得させられた座席です(笑)。
ロングシートは一見、ドア間で連続しているように見えますが、実際は途中にあるダクトの関係で一旦途切れています。というわけで、「短い方」のロングシートはこんな感じ。
座面のアップ。一応、一人一人の着座位置に合わせて座席に窪みが設けられているものの、座面はあくまでフラットです。
座席両端はこんな感じ。座席の断面はこうなっているようです(笑)。 優先席
烏山寄りの5人がけは優先席となっています。座席モケットはJR東日本の優先席標準ですが、モケットだけを張り替えているため、座り心地は一般席区画のスカスカ感をそのまま受け継いでいます。
優先席のピクトグラムはこんな感じ。デザインは最新のものに張り替えられています。
つり革は、近年一気に普及が進んだ黄色いものが採用されていますが、E233系などで見られる大型タイプではなく、従来の小型のものが使われています。
元トイレ部分
またしても“短い”ロングシートですが、よく見ると窓が妙に小さくなっています。この横長の窓にピンときたアナタは正解で(笑)。こちらはもともとトイレが設けられていた区画。
別アングルから。トイレが撤去されてから既に20年近く経つはずなのですが、意外と「改造の跡」は消えにくいものなのでしょうか(苦笑)。
座席回りの設備 ロングシートが途切れている部分は、ご覧の通りスペースの有効活用がなされています。烏山行きを基準として、進行方向左側には消火器が設けられています。
んで、烏山行き基準の進行方向右側にはごみ箱が設けられています。この「ごみ箱」の古めかしい字が何ともいい感じですねぇ(笑)。
で、ごみ箱の上にはなぜか造花が刺してあります。無骨なキハ40形の車内に少しでも彩りを加えようとしたためなのかは分かりませんが、いろいろなサイトを見ていると、季節によってこの造花は定期的に入れ替えられているようでした。この手の設備は、首都圏ではなかなか見られないだけに、ちょっと嬉しくなる瞬間です。 その他の車内設備
天井の様子。烏山線のキハ40形では、最後まで扇風機が現役でした。
荷物棚の様子。昔ながらの金網で作られた荷物棚です。
一部の窓間には扇風機のスイッチが。私が取材したのは真冬でしたが、試しに赤い方のボタンを押してみたところ稼働しました。一応、烏山線のキハ40形は全車冷房化されていましたが、夏場はその補助として最後まで使用されていたようです。このスイッチも、列車の扇風機とあわせて最近ではめっきり見かけなくなったような気がします。
つり革のアップ。デビュー当初からの丸形です。
何気なく座席下を撮影してみてビックリ。こちら、冬場に使用されるヒーターですが、よく見るとバス用のものが使われています。元々この車両はクロスシート主体だったため、改造時に新設されたものと思われますが、あえてバス用のものを使った理由は気になるところです。鉄道車両より遥かに小さいバスの車内を暖めるものなので、仕方ないといえばそれまでですが、冬場は正直、暖房能力はいまいち力不足な感は否めませんでした。 クーラー2種 烏山線で活躍するキハ40形1000番台は一見、全車両が同じ内装に見えますが、実はクーラーが2パターン存在します。写真は「床下分散ユニット式」と呼ばれるもので、天井にダクトを通し、一定間隔で吹き出し口が設けられています。後述する「室内分散ユニット式」に比べ、こちらの方が荷物棚回りがすっきりしている気がします。
で、こちらが「室内分散ユニット式」と呼ばれる例。車内に一定間隔で空調装置が分散して設置されています。見ての通り、荷物棚のすぐ上まで空調が張り出しており、この部分の荷物棚は実質的に「無用の長物」と化してしまっています。 運転席後ろの運賃箱ほか
烏山線では全列車でワンマン運転が行われており、運転台後ろには整理券発行機や運賃箱が設けられています。ワンマン列車では運賃箱、整理券発行機と並んで必需品でといっても過言ではない「運賃表示機」(バスの中で見かけるようなアレ)はなく、代わりに各駅からの運賃表が貼られています。 ドア 利用者用乗降ドアの様子。ドア部分には一段ステップが設けられています。 運転席 運転台の様子。運転台の座席も一般席と同じモケットに張り替えられていますねぇ。
あえてマスコンハンドルをアップで撮影してみました。きれいな状態で維持されてはいるものの、長年の使用で随所に傷が見受けられます。 おまけ 昼下がりの烏山線を快走するキハ40形1000番台の車内から。首都圏で活躍する最後のキハ40形も、2017年3月でついに現役を退くことになりました。 |
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